宗教によって、進学や就職の自由が失われた、井上さんです。


この日、単身赴任先で暮らす、父親の元を訪ねました。

父親は、他の信者達との人間関係に悩んだのを機に、信仰心を失い、2年前、活動をやめました。




父親の決断を知った、井上さん…。

今なら、抱えてきた苦しみを理解して貰えるのではないか、と胸の内を明かしました。




自分は、特別で、人とは違うと教育されてきたから、それで、納得出来ていた。抑え込んではいたけど。

やっぱり、失ってきたものはすごい多くて、

脅迫観念がなかったら、もっと人付き合いも、うまく出来ていた。

キャリアに関しては、たぶん取り返しはつかないし、怒りとか…というより、悲しさ、虚しさが大きい。





息子の本音を知った父親…。

自らの後悔を打ち明けました。


「あまりに教団の言うなりになって、教団の敷いた模範的な線路を走るだけの人間にしてしまったんじゃないか、という…思いがあったんだけれども。

そう言う意味で、子供達に、本来しなくて良い苦労をさせてきた。というのは、親の責任として申し訳ないという気持ちは、やっぱりある」



負の連鎖を、あなたで断ち切って欲しい。



井上さん

でも、なんていうか…




10歳にしろ、15歳にしろ、自分の人生に関わる決断をする年じゃない時に、大人達に勧められて担がれたりして、決断をしてしまったのが人生についてまわる。


そう言う、静かな怒りみたいなのはあるかも知れない。」




ナレーション)


親の信仰によって、人生の歩み方に大きな影響を受ける…宗教二世


子供の意思をどう汲み取り、自由を守るのか。




難しい問いを、突き付けられています。




井上さん…


「親が二人とも、信者じゃなかったら…

普通の一般の家庭として、親の元に生まれていたとしたら、僕の特殊な経験も、特殊な悩みも、持つことはなかったと思う。

子供は親を選べないですから。」




つづく