忍びの３３「八雲を愛した くノ一」（前編）

今回は、八雲が主役な回と

ロミオとジュリエットな回？w

前回、十六夜九衛門

（いざよい きゅうえもん）を

倒（たお）したニンニンジャーたち

牙鬼家（きばおにけ）の屋敷で

有明の方（ありあけのかた）は

涙（なみだ）ながらに言いました。

有明「思えば、

惜（お）しいキツネをなくしたものよ

名は、なんであったか？」

正影「十六夜キュウタロウに

ございます。」

（おい、じいさん、

わざと間違（まちが）った名前を

教（おし）えてるだろ。）

有明「キュウタロウか…。

キュウタロウまでやられるとは

もはや、あの忍びどもも

捨ておけぬな。なんとかせよ！」

正影「あのキツネ、

何か企（たくら）んでいたようじゃな

となれば、本当に死んだかどうか…」

キツネ呼（よ）びまでするとは

ムジナ同様（どうよう）

仲間を使い捨てにしたあげく

ニンニンジャーに敗北（はいぼく）

した九衛門のことを

もう、晦正影は、

まったく信用（しんよう）

していないという事（こと）ですね

そういう正影も

以前、妖怪フタクチオンナに

した事から考（かんが）えると

怪しいんですが…

正影「まあ、よい。

まずは目先（めさき）の

邪魔者（じゃまもの）から…

妖術・忍び招（しょう）へいの術！

よみがえるがいい。

牙鬼家お庭番（にわばん）五人衆

（ごにんしゅう）

最後の刺客（しかく）よ。」

こうして生まれたのが

忍者スズメバチだ

「ご家老様、うちの毒（どく）で

伊賀崎流忍者を、葬（ほうむ）って

ごらんに入（い）れましょう。」

正影「そうだ、

散（ち）っていった仲間たちの

敵（かたき）を討（う）つがいい。」

「敵？ 冗談（じょうだん）

言うたらあきまへん。

牙鬼流の誇（ほこ）りを捨てて

十六夜流などに、

手を貸（か）しおって…

その汚名（おめい）を晴らすことこそ

牙鬼流の看板（かんばん）

背負（せお）ったうちのケジメや！」

（極道（ごくどう）の女たち？）

一方、伊賀崎の忍術道場では

天晴たちが、忍者の修行

（しゅぎょう）をしていた。

天晴と八雲が、忍者一番刀

（にんじゃいちばんとう）をあわせる

剣術勝負（けんじゅつしょうぶ）

勝（か）つのはどっちだ！？

天晴は、術を発動（はつどう）した。

天晴「シュリケン忍法

カクレの術！」

『カクレンじゃ』

分身（ぶんしん）して、これで２対１

でも、八雲だって、負けてないぞ。

八雲「水の術！ 

魔法（まほう）ＭＩＸ（ミックス）

シュリケン忍法、ブルードラゴン！」

水の龍（りゅう）で、

反撃（はんげき）します。

凪「そこまで！」

勝負は、引（ひ）き分（わ）けでした

天晴「やるな、八雲。

シュリケン忍法と魔法のＭＩＸか。」

八雲「いや、まだまだ

実戦（じっせん）じゃ、

タカ兄の方が上（うえ)だ。」

２人の実力を、

仲間たちが分析（ぶんせき）する

キンジ「決断力

（けつだんりょく） では、

天晴坊（ぼっ）ちゃんには

及（およ）ばないかもしれやせんね」

霞「そうでしょうか？

八雲くんだって、なかなかのものだと

思いますよ。」

霞姉さんに、ほめられるとは

八雲くん、本当に成長（せいちょう）

してるんですね。

天晴「いざって時は、

イケイケドンドンだぜ、八雲。」

（これが勝利者（しょうりしゃ）の

余裕（よゆう）ってやつか。）

街（まち）に、

妖怪が現（あら）われたので

出撃（しゅつげき）する

ニンニンジャーたち。

ん？ スッパラゲがいるという事は

まだ十六夜流忍者がいるのか？

天晴「出て来（こ）い！十六夜流！」

「覚悟（かくご）しいや。」

天晴の頭上（ずじょう）に

忍者スズメバチが！

八雲「タカ兄、あぶない！」

「忍法、ハチの一刺（ひとさ）し！」

天晴が頭上のスズメバチに

気づいた時には遅（おそ）かった…

スズメバチの毒が、

天晴の体内（たいない）に。

変身も解除（かいじょ）されて

苦（くる）しんでいるぞ。

八雲「十六夜流忍者、

タカ兄に何をした！？」

「十六夜流やない。

うちは牙鬼流忍者、スズメバチ！

うちの毒にやられたもんは

解毒剤（けどくざい）を

打（う）たん限り、

１８時間以内に死ぬ。」

単に術をバラしたのではありません

これにより、敵を焦（あせ）らせる

心理作戦（しんりさくせん）なのだ
さすが、牙鬼家のお庭番。

解毒剤のありかは、

もちろん教（おし）えてくれません

「うちの望（のぞ）みは、

伊賀崎流の抹殺（まっさつ）

これは、牙鬼流と伊賀崎流

流派をかけた戦いなんや！」

スズメバチは目にもとまらぬ

速（はや）さで移動（いどう）

背後（はいご）をとると、

腕（うで）のクロスボウ式（しき）

暗殺針（あさしん）をかまえたぞ！

「ハチの一刺し！」

風花が狙（ねら）われましたが

すんでのところで、

八雲が、毒針（どくばり）を

弾（はじ）いた。

次は、凪が狙われましたが、

これも八雲が救（すく）った。

「青いの、うちの毒矢（どくや）が

怖（こわ）くないんか？

なんで他人（たにん）を守る？」

八雲「イージーな

質問（しつもん）だな。

仲間を守るのは当たり前だろう。」

「仲間やと？ 甘いな！

忍びたるもの、目的のために

仲間さえ犠牲（ぎせい）にするのは

当たり前や！」

八雲が、スッパラゲ２体に

つかまってしまったぞ

両脇（りょうわき）から

抱（かか）え込（こ）まれ

動けなくされた。

そこに、忍者スズメバチの

ハチの一刺しが。

八雲はひじ打ちで、

スッパラゲの１体をはねのけ

もう１体を盾（たて）に

何とか、毒針が刺さるのを

回避（かいひ）できました。

八雲「貴様！」

「うちは忍び。

目的のためなら手段（しゅだん）は

選（えら）ばん！」

今度は、忍邪百妖刀

（にんじゃひゃくようとう）で

斬（き）りかかってきた。

「流派のために生き、

流派のために死ぬ、それが忍びや！」

が、八雲は、スズメバチに

足をかけて倒（たお）すと、

顔を近づけて言い放ったのでした。

八雲「笑わせるな！

大切なもののために生き

大切なものを守る。

それが俺にとっての忍びだ！」

「大切なものを、守る…？」

霞「八雲くん、避（よ）けて！」

八雲が離脱（りだつ）すると

３人は銃を発射。

スズメバチは

空に退避（たいひ）すると

反撃（はんげき）を、

仕掛（しか）けてきたぞ。

「食らえ、

乱（みだ）れ撃（う）ち！」

無数（むすう）の毒針が

霞、凪、キンジを

襲（おそ）いましたが、

これも、八雲が刀（かたな）で弾き

防（ふせ）いでみせました。

今日の八雲は、防御力

（ぼうぎょりょく）がバツグンだ。

毒針の威力（いりょく）を知りながら

八雲は味方の盾になろうとしている

それも、何度も何度も。

スズメバチには、それが

不思議（ふしぎ）でなりません

「どうして命をかける？ そんな忍び

うち、会（お）うたことない…。」

どうも、八雲が彼女の心を

揺（ゆ）り動かしてしまったようだ。

「なんて… なんて…！

すてきなお方（かた）！」

もう、スズメバチの視界

（しかい）がピンク色(いろ)に。

メロメロになっていると、

八雲が突進（とっしん）してきたぞ

あわてて暗殺針を放とうとした

スズメバチですが、矢が出ない。

毒矢が切れたようです。

「今は退（ひ）かんと！」

撤退（てったい）しようとした

スズメバチの腕を八雲がつかんだ。

八雲「逃（に）げるな！

この手を離（はな）して

なるものか！」

これが、勘違（かんちが）いの

恋の始（はじ）まりでした

八雲の手を振（ふ）りはらい

何とか逃げたスズメバチですが

もう、胸（むね）がドキドキ。

ちなみに、

忍者スズメバチのスーツアクターは

蜂須賀 祐一（はちすか

ゆういち）さん。

前回、シリアスキャラの

十六夜九衛門の中に

入（はい）っていただけに

今回は何ともいえないお話ですw

ニンニンジャー 忍びの３３

本編感想。（中編）に続きます