小学校の頃、近所にちょっと空気の読めないタイプの男の子がいた。
児童会の地域班で、その子と一緒だった。
私が6年生になり、委員長を決める時、6年生は私とその子だけで、2人の中から委員長を決めることになった。
その頃の私は学校の成績がとても良かったので、担当の先生は当然私がその地区の委員長をやると思っていたようだ。
委員長決めが始まり、その子はやりたいと立候補し、私はやりませんと言った。
驚いたのは先生で、
「なんでやらないの?」
「やりたくないからです」
「なんで?」
「…」
「やろうよ」
「…」
「君しかいないじゃないか」
「…」
私は先生の執拗な口撃にも首を振り、結果、その子が委員長となった。
クラスに戻ると、なんでその子が委員長?二葉がいるよね?と、騒ぎになった
私は成績は良かった。
でも人としての能力は本当に低かった。
ただ、それに気づく人はいなく、頭がいいという一面から、なんでもできる子、心配しなくて大丈夫な子のレッテルを貼った。
いつのまにか全身にはりついたそれに、私は抗う術を知らなかった
唯一、やりたくないと言うことしかできなかった。
児童会では、夏休みに地域の子で集まって行事をやった。
その準備で、その子の家にお邪魔した
その子のお母さんに「二葉ちゃん、〇〇(その子)に委員長やらせてくれて本当にありがとうね」とお礼を言われた。
「いえ、私がやりたくなかっただけですから」
と、応えたが、その子のお母さんは、きっと私が譲ってあげたと思ったのだろう
でも、その子が委員長になってくれたおかげで、実力以上の「あなたなら大丈夫」の周りからのプレッシャーと責任からくる、不安に苛まれることなく、私の方が守られたのだ
その子は今どうしているのだろう
幸せでありますように