2024年2月25日(日)

戦場のような日常から逃れようと決めた。
脳がノイローゼに染まる前に、さすらい的に旅へ出ることにした。


今回、山奥の温泉地を選択したが、電車では行けない場所なので、車で向かうことに。



山道は濃霧で極めて視界が不良だった。


険しいカーブや細い道が続き、運転しながら車酔いをした。


かなりの時間、他の車と出会っていない山道で、子熊が目の前の車道を横切って行った…。


目の前の状況から、熊が冬眠中でないことと、子熊がいるなら近くに親熊もいる可能性が高いことが頭に浮かんだ。


事故は絶対に起こせないと答えを弾いた。





今回、生まれて初めて民宿に泊まることにした。


老夫婦が営む民宿で、費用は一泊二食付きで13,000円程度だ。


昭和感が色濃い宿だが、清掃や心配りは行き届いているし、宿の前を流れる川のせせらぎが心地良い。


さすがに温泉は源泉掛け流しではないが、湯質はとても良く、貸し切りで浴場を利用させてくれる。


案外、民宿も良いんだな…って、感じさせてくれた。






夜は山の幸をいただいた。




食わず嫌いでイノシシを食したことがなかったが、今回、初めてチャレンジしてみた。




絶品とは言わないが、味噌鍋での味付けは熱燗との相性が良くて美味しかった。


あと、葉物やキノコ類の鍋野菜の質がとても良いうえに、葉物はしっかり陰干しされていて、水分を抜いているのが素晴らしいと思った。





鹿肉のステーキ。鹿肉も生まれて初めて食べてみた。


これも処理が良いのか、臭みが全くなかった。




料理は家庭的なレベルの延長ではあるが、一生懸命に作っておられるのが伝わる品々だった。





特に感心をしたのは、ご飯を美味しく炊いておられることだ。


米の質が良いのもあるが、なにより水が良いのだろう。


あと、洗米したのち、しっかり水に浸けて、ガス火で炊いて、正確に蒸すという、飯炊きの工程を手抜きなくなされているとお見受けした。


 




田舎で作られたお漬物と、ご飯の相性がとても良かった。


こういうモノが本当のご馳走だと思う。






食後、再度お湯に浸かってから、川のせせらぎをBGMにして、夜中まで読書をした。


責任や重圧がない。こんな夜は本当に久しぶりだ。


こんな夜に出会うために、ここまで流れて来たのだ。


ここに来て、正解だった。