まずは夏の甲子園大会、準決勝を振り返ります。

智辯和歌山vs横浜は7-1で智辯和歌山の勝利、驚いたのは準々決勝で120球以上投げて完投した織田投手を先発させたこと。私は9割方、織田投手の先発は無いと思っていたのですが、いやぁ驚きました。であれば、なぜ6点差あった準々決勝で完投させたのかなと。結論としては、他の投手への信頼感が無かったのかなと、そこが織田投手という超高校級の投手を抱えたチームの弊害でもありますよね。智辯和歌山とすれば織田投手が後ろに控えていた方が絶対に嫌だったと思いますし、横浜としても他の選手たちにとっては織田投手が後ろに控えてくれていた方が安心できる。でも、監督さんとすれば出し惜しんで負けるのは悔いが残ると判断したんでしょうね。私は前回の記事で智辯和歌山とすれば3回までに試合を決めるくらいの展開にしなければみたいなことを書きましたが、まさにそういう展開となってしまいました。「しまいました」というのはね、優勝予想を横浜にしておりましたので。健大高崎vs天理は1ー0で健大高崎の勝利、この試合は予想どおり、健大高崎はエースの石垣投手の先発を回避しました。ここが横浜と健大高崎の明暗を分けた気がします。それにしても、健大高崎はこれで1-0が3試合目ですか。良いですねぇ、昔の高校野球みたいで。明日は決勝戦、強打の智辯和歌山vs守りの健大高崎、ここまで特色が違う高校どうしの決勝戦も珍しいのではないでしょうか。でもね、智辯和歌山なんかは和歌山大会決勝当日の中継を見てましたけども、ここまで打てるチームになるとは正直思いませんでしたね。甲子園に入って一戦一戦自信と力をつけていった感じ。健大高崎もね、前評判は決して高くは無かったと思うのですが、これだから高校野球は面白い…

今大会から導入されたビデオ検証。私が心配したプロ野球のリプレイ検証のような、長ったらしい時間は擁することなくスピーディーに判定しておりましたね。あれは非常に良いと思いますし、思っていたよりもプレーに影響が及んでいないなと、私はどのビデオ検証にも好感が持てました。あとは失敗すれば1回きりのビデオ検証、使いどころの難しさはありますが、回数も適正と思いますし、審判の方にしても自分の間違いを正してくれるのは有難いのではないでしょうか。人間がやっていることですからね、一瞬のプレーで見ている角度によっても違うでしょうから、間違いはあって当たり前。ひょっとすると地方大会の準決勝以降限定とかね、導入しても良いかもしれませんね。あれ?以前私は地方大会の導入には反対していたような。ただね、そうなると段々エスカレートしていって地方大会全試合に導入しろなんて声も上がる世の中なのでね。球場によっても導入が難しい都道府県もあるでしょうし、そこは各高野連が慎重に検討しないといけません。

あくまで個人的な見解なんですけど、甲子園大会って応援される空気が凄く大事だと思うんですよね。特に北海道や東北、九州など遠方の代表校は。他の地区の代表校は甲子園から割と近いので地の利があったり全校総出で甲子園に駆けつけて応援することもできるじゃないですか。でも遠方の代表校は多くの一般のファンを巻き込まないと応援で負けてしまいますからね。高校生ですから、球場の雰囲気ってとても大事だし、左右されやすい。これがいわゆる「甲子園の魔物」ってやつなんだと思います。未だに高校野球ファンの中にはいわゆる野球留学生(越境入学)に否定的な方もいらっしゃいまして、なかなかそういう学校は応援されにくいのが現実だと思います。近年、東北の学校でも力のあるところが増えてきましたが、未だに仙台育英以外優勝できないのは、そこと無関係ではないと私は思っています。仙台育英(宮城)が優勝した当時のチームはベンチ入りのほとんどが東北出身者でした。東北以外の子は5人くらいだったと記憶しています。でも、今大会を見ても花巻東(岩手)や仙台育英、鶴岡東(山形)などはベンチ入りメンバーの半数以上が東北以外からの越境入学。それだとね、いくらレベルの高い選手が揃ったとしても甲子園大会での優勝は厳しいのではないかと、だからいつも私自身、花巻東など優勝候補には挙げるものの、優勝出来るとはなかなか推しづらいんですね。北海道や東北、九州の過去の優勝校を見てみると前述した優勝当時の仙台育英、夏の連覇を達成した時の駒大苫小牧(南北海道)、九州でも佐賀商業や佐賀北(ともに佐賀)、沖縄尚学(沖縄)が優勝した時も、ほぼ地元の子だったと思います。かつては八戸学院光星や青森山田(ともに青森)など、実力がありながら甲子園に出ても応援されずに可哀想な時代もありました。私は青森県に8年ほど住んでいたので肌感覚でわかるのですが、当時は地元の青森の人たちにさえ応援されていないのですから、そら、かつての東邦(愛知)vs八戸学院光星のような空気になりますよね。最近はあそこまでひどい空気を醸しだす試合は無くなったと思いますが、今でもあの試合のような空気は甲子園にくすぶり続けていると私は思っています。だから花巻東が方向転換して県外の子を受け入れ始めた時、表向きは歓迎しながらも内心は複雑でした。まぁ、私とすれば関係の無い岩手の学校ですし、中学生が野球のレベルを上げるため越境入学することは理解はできますしね。それを否定できる権利は我々ファンにはありませんので、学校がそういう方針ならそうですかとならざるを得ないのですが、おそらく遠方のそのような学校が甲子園で優勝するにしても、相当の年月を要するのではないかと思います。因みに北海道事情で言うと以前も記事にしたとおり、クラーク記念国際や北照は道外からのいわゆる野球留学生が多いチームですが、これには学校の事情というのもあると思っていて、クラーク記念国際は以前も記事にしたとおり広域通信制の学校で全国にキャンパスがあるのでね、そういう関係で越境入学してくる子が多いのだろうと、北照については元監督の河上敬也現札幌あすかぜ高監督(北照OB、北海道出身)の時代から熱心に京都のボーイズリーグ等からスカウトしていた流れがあり、現上林監督自身も関西出身(北照OB)なのでね、今でも多くの越境入学が見受けられます。ただ、河上監督時代とは違って今は関東から来る子が多いですよね。以前は青森の子も多かった印象があります。駒大苫小牧や北海道栄も道外の子が多い印象でしたが、今の北海道栄は以前より道外の子がメチャクチャ減りました。同校も監督さんが関西出身でかつてはスカウトしていたかどうかわかりませんけど、北照と並んで関西の子が多かった。でも、近年は今夏のベンチ入りメンバーを見ても数名ですもんね、道外の子は。前監督の不祥事で当時は部長だった方が今は監督をされておりますが、今夏も南北海道大会4強まで勝ち上がりましたしね。道外の子が減っても安定した成績は残しているので、あと一歩頑張って欲しいなと思います。同支部の駒大苫小牧は前述したとおり、夏の甲子園連覇のころはほぼ道産子でした。田中将大投手(現巨人)の代も田中投手ともう一人だけ、あとの16名(当時はベンチ入り18名)は道産子だったんですね。それがやっぱりあの連覇で駒苫で野球がしたいと、道外の子が集まるようになったんだと思います。しかし、ご存じのようにあれから夏の甲子園はご無沙汰でして、道外からいくら優秀な選手を集めても、台湾から受け入れても、甲子園には簡単に行けるものではないことが証明されております。もちろん監督が代わったこともありますが、学校方針ならいざ知らず、スカウトで連れてきてもあまり良い結果を生まないことは知っておかないといけません。ただ、地方の私立校は学校経営が成り立たないと廃校になっちゃいますからね。特に駒大苫小牧は系列校の駒大岩見沢が廃校になって、その辺の危機感はどこの学校よりも強いはず。小樽の北照なんかも全校生徒が200名弱、そのうち3分の1以上が野球部員という学校ですから、野球で生徒が集まらないとかなり厳しい経営状態になるので仕方のないところもあると思います。一方札幌のような大都会の学校は黙っていても人が集まります。だから、あまりスカウトは必要ない気もするんですね。実際にスカウトしているかどうかわかりませんが、北海や東海大札幌にはベンチ入りメンバーに必ず数名の越境入学者が見受けられます。北海は昔から数名の越境入学者はいたものの、一時期けっこう多めに関西から来た子がベンチ入りしていたことがありました。さすがに関西の子はセンスを感じさせる選手が多かったですが、当時はなぜか勝てなかった。支部すら勝てない時代が続いて、ようやく勝ちだしたのが現東京ヤクルトスワローズで活躍する阪口皓亮投手(北海~横浜DeNA~東京ヤクルト、大阪府出身)が一年生のころですね。でも夏の甲子園で記録的な大敗をして、その翌年には夏の甲子園準優勝、この時のメンバーはほぼ道産子でしたからね。その翌夏は大阪出身の阪口投手が主戦となって甲子園出場も一回戦負け、どんなに選手を集めてきても、いかに甲子園で勝つことが難しいかがわかります。東海大札幌も以前から越境入学者が数名程度、ベンチ入りしていましたが、今夏はいつもよりはちょっと多め。監督さんが東海大相模出身で関東出身ということもあるかと思いますが、おそらくスカウト的なことはしてるんじゃないでしょうかね。じゃないといきなり関東の子とか、増えたりしないと思いますので。

ここまで長々と書いてきましたが、何が言いたいかというと野球はチーム力で勝つスポーツなので、いくら良い選手をかき集めてもダメだということ。それが良い競争を生めば良いですけど、返って弊害になったり監督自身が気を遣うようになったり、そんなことになったら本末転倒ですからね。そして地元で構成されたチームの方が甲子園では応援してもらえ、それが力になる。要は応援してもらえるチームを作ることが重要です。