5月5日から行われている春季高校野球北海道支部予選。今日で10支部すべてが終わりましたので、その結果と感想について記事にしたいなと思います。

まず名寄支部。大会前の予想通り稚内大谷と士別翔雲の決勝戦となりました。ともにコールドゲームを勝ち上がっての決勝戦となりましたが、昨秋に続いて稚内大谷が接戦での勝利、ほんのちょっとだけ稚内大谷が上回った感じですね。でも秋も春も2点差以内の接戦ですから、士別翔雲にもチャンスは必ずあるはず。そこを追求して、夏、もう一度稚内大谷に挑んで欲しいですね。稚内大谷もライバルがいてくれるおかげで強くなれると思うので、同支部から初の甲子園出場に向けて、頑張って欲しいなと思います。

北見支部は昨秋の同支部覇者、北見柏陽と秋は初戦敗退の遠軽が決勝進出、両校の夏のシード権は確実となりました。遠軽は何と言っても二回戦で昨秋敗れた北見北斗に勝てたことが大きかったですね。遠軽はこれで夏のシード権を獲得したわけですが、同支部はその北見北斗をはじめ、力が均衡しております。北見緑陵、北見工業、網走南ヶ丘、紋別などを含め横一線。北見柏陽にも言えることですが、まだまだ油断はできません。決勝では遠軽がコールドで勝って、春季北海道大会出場を決めております。

釧根支部は昨秋の勢いそのままに、別海が優勝しました。いやぁ、強いですね、別海。センバツの経験も自信に繋がったのかもしれません。決勝戦は昨秋同様、釧路江南の挑戦を受けましたが見事な返り討ち。これで両校はシード権を確実にしたわけですが、ただ、他校も肉薄しておりますので北見支部同様、侮ることはできません。武修館、釧路工業、釧路湖陵、釧路明輝、釧路北陽、中標津、根室は横一線。ていうか、単独で出場している学校すべてが横一線と言うべきでしょうか。これらの学校は「打倒別海」もしくは「打倒釧路江南」で来るでしょうからね。夏も熾烈な代表争いは続きそうです。別海と釧路江南は夏のシード権は確実、例年通り3ブロックになれば武修館と釧路工業が第3シードということになりますね。春季北海道大会にはセンバツ出場枠で別海、釧根支部代表で準優勝の釧路江南が出場します。

十勝支部はちょっとした波乱がありました。昨秋の代表校、白樺学園が準決勝でタイブレークの末、帯広三条に敗れました。とはいえ、帯広三条も昨秋は帯広大谷に1点差で惜しくも敗れた強者。こういう結果でもそれほど驚きはありませんけどね。同支部は例年通りなら夏は3ブロックですから白樺学園は第3シードに回ることになります。帯広大谷に敗れて同じく第3シードの帯広工業と同ブロックになるわけですが、ノーシードの帯広農業や足寄なども決して侮れない実力の学校であり、油断は禁物。決勝は帯広大谷がコールドで勝って春季北海道大会出場を決めております。

旭川支部は昨秋の代表校、旭川実業が優勝しました。同校は3年前のドラフトで育成指名でプロ入りした田中楓基投手の弟さんがエースを務めていて、注目を浴びております。北北海道の中で現時点では最も夏の甲子園に近いチームと言えるでしょうね。今大会も二回戦の旭川工業戦以外は完勝でした。しかし、夏に弱いイメージがあるのも事実。そのイメージを払拭することができるかどうか。注目です。準優勝の旭川志峯は、昨秋は初戦敗退も、やはり夏に照準を合わせてきたようです。夏の支部予選では旭川実業と当たることはありませんが、勝ち進めば北北海道大会のどこかで当たることになるでしょうからね。今回は0-6と完敗でしたが、この負けっぷりが逆に不気味な旭川志峯です。4強入りした旭川永嶺も夏に強いイメージですね。昨秋は初戦敗退も、相手が旭川実業でしたからね。今大会は昨秋の支部代表校、旭川北を破っての4強入り。旭川志峯には1-2と競り負けましたが、相変わらず夏に強い印象です。伝統校の旭川東もくじ運に恵まれての4強入りを果たしました。同校は昨年の新チーム結成時でしたか、元メジャーリーガーの鈴木一郎さん(登録名イチロー、オリックス、マリナーズなど)にコーチしていただいたんですよね。その成果が表れることを期待します。同支部は夏の支部予選、例年4ブロックが割り振られますから、この4校が夏のシード権を確実にしました。

空知支部は前評判どおり、クラーク記念国際高が優勝しました。同支部は夏、3ブロックになることは出場校数から確実。なので4強の岩見沢農業と滝川西が第3シードで同ブロックに入り、代表をかけて激突するということになりそうです。準優勝の滝川を含めたシード4校が他校を圧倒している印象ですので、岩見沢東、岩見沢緑陵あたりが前述のシード4校にどこまで迫れるか、注目です。

小樽支部は北照と倶知安の決勝となりました。倶知安は昨夏から注目していて、旧チームは2年生が主力で支部のベスト4まで勝ち上がってますし、北照には厳しくても小樽双葉には良い試合をするのではないかって、そうしたら4-3で勝っちゃいましたもんね。決勝の北照戦も2-4と善戦しました。倶知安が支部の決勝に勝ち上がってきたのっていつ以来なんだろう?少なくとも近年の私の記憶にはありませんからね。記録を見ると昭和50年代以前は支部の代表も当たり前の時代があったようですが、夏は例年同支部は1ブロックしかありませんから、そうなると北照の高い壁が立ちはだかりますが、2ブロックになれば決勝に進出した倶知安はシードされますからね。北照とは当たらずに済むわけですから、1ブロックか2ブロックかは倶知安にとって、滅茶苦茶大きいような気がします。ただ、小樽双葉もリベンジに燃えてくるはず。1ブロックなら北照に倶知安と小樽双葉がどう挑んでくるか。伝統校の小樽潮陵の巻き返しにも期待です。

室蘭支部は、甲子園経験校が軒並み上位進出を果たしました。優勝した駒大苫小牧は、準決勝の苫小牧東戦、決勝の苫小牧工業戦はいずれも2点差以内の接戦、特に決勝はタイブレークにもつれる大接戦。苦しみながらも勝ち切るあたりは、さすが駒苫ですね。一方、今大会の台風の目となったのが準優勝の苫小牧工業。同支部では駒苫に次ぐ甲子園出場経験を持つ同校ですが、30年以上無いんですよね、甲子園出場が。今大会は昨秋支部代表の苫小牧中央、昨秋敗れた鵡川にリベンジして決勝進出、尚且つ駒苫に大善戦しました。滅茶苦茶自信になったんじゃないでしょうかね。同支部は夏は通常3ブロックですから、駒苫と苫小牧工業のシードは確実、第3シードは4強の苫小牧東と鵡川となります。ですが、今大会初戦で敗れた北海道栄、その北海道栄に勝って8強入りの室蘭栄など実力あるノーシード校もおりますから、この辺の動向も気になるところです。

函館支部は、昨秋の代表校どうしの決勝戦となりました。函館大柏陵が知内に競り勝ち、優勝です。同支部は例年2ブロックか3ブロック、ここで小樽支部との調整が入るわけですが、まず決勝進出の両校は夏のシードは確実。同支部はもっとも実力の差が大きい支部でして、大会序盤では24-0とか31-2とか当たり前となっており、前述の両校に加えて今大会4強の函館大有斗と他校との差は大きいものになっています。3ブロックになれば函館大有斗は第3シードになりますから、2ブロックか3ブロックかによっても同校にとっては大きいですね。今大会4強の函館西、8強の函館大谷、市立函館、函館中部も肉薄。決して侮ることはできません。

 

明後日17日に春季北海道大会組み合わせ抽選が行われ、5月22日開幕となります。代表16校が集まって対戦する良い機会ですから、いろんなことを試して夏に向かって欲しいなと思います。札幌支部5ブロックについては次回、記事にしたいなと思います。