プロ野球の春季キャンプがスタートしました。我が北海道日本ハムファイターズは沖縄でキャンプイン。順調にキャンプに入りたかったところなんですけど、キャンプ前に清宮幸太郎が全治5週間の大怪我。何やってんだか…アップ中に、そんな大怪我しますかね?まぁ、怪我したものはしょうがありません。全治5週間ということですから、ひょっとすると開幕に間に合う可能性もありますが、私はお灸を据える意味でも開幕は二軍スタートでお願いしたいなと思います。清宮の代わりはいくらでもおりますからね。キャンプで練習できなかった選手は当分の間、必要ありません。新庄監督も仰ってましたよね、「おいていく」って。当然ですね。他に頑張っている選手、いっぱいいますから。キャンプはチーム連携などを強化する場。そのスタートラインにすら立てない選手は、おいてかれて当然です。

しかし、清宮の離脱によってチャンスが出てきた選手が一人。野村佑希ですね。先日、現時点での開幕一軍予想をしましたが、野村についてはレギュラー予想から外しました。昨年の成績からそうした予想になったわけですが、同時に三塁手としての期待もコメントしたと思います。その時は清宮を三塁手にしましたが、もちろん清宮と野村、どちらも実力的には双璧でしたから、清宮の怪我は清宮本人にとってのみ痛いだけで、チームにとっては痛くない、むしろ野村なんかは滅茶苦茶チャンスだなって。ということで野村にはこのキャンプ中、守備練習だけ徹底してやって欲しいなと思います。送球さえ安定すれば、ファイターズの三塁手は野村なんです。打撃練習なんていつでも出来ますから、まずは守備を鍛えて不動の三塁手になってもらいたいなと思います。清宮が戻ってきても、ポジションが無いくらいにね。そのために外国人、いっぱい補強したんですから。ただ一つ、気をつけて欲しいのは怪我が連鎖。昨年もキャンプ中、怪我人が続出しました。そうならないことを願っております。

しかしオフ期間中、プロ野球界はいろんなことがありましたね。その中でもとりわけ喫緊の課題である「FA人的補償問題」と「ポスティング移籍問題」について、私の考えを今回は述べさせていただきたいなと思います。

まず、人的補償については単刀直入に言うと、私は必要だと思っています。それは言うまでもなく、チームの均衡を図る意味でですね。今回問題となった一番の理由としては、当該球団どうししかプロテクト選手を知り得なかったことがあると思います。和田投手をプロテクトしなかったことが問題とか仰ってる方もいますが、それは本質の問題からズレちゃってますよね。NPBにも名簿が渡るように、不正があったんだとしたら、それが行えないようにするシステム作りが必要です。それから以前も本ブログで書きましたけど、28人の凍結(プロテクト)って少なくないですか?おそらくチームの均衡化を図る意味でだんだん少なくなって(始まりは40人)いったんでしょうけど、均衡を取るといっても限度がありますからね。今の制度じゃ、トレードと何ら変わらないですし、現在の一軍登録人数は31人ですから、それよりも少ないってどういうこと?って思います。以前、本ブログで私はあえて「トレード」と書いたことがありました。だってそうでしょう?山川選手と甲斐野投手。お互いチームに足りないところを即戦力の選手どうしの交換で補ったわけですから、これはもはやトレードですよ。一昨年の近藤健介選手(現ソフトバンク)と田中正義(現日本ハム)の時もそう思いましたし、私はファイターズファンですけど、当時のトレード、ファイターズにとっては滅茶苦茶得したなって思いましたもんね。プロテクト人数をもう少し増やすか、年齢制限等設けるか。そうしないとAランクやBランクの選手は行使するのを今後もためらうでしょうね。せっかく得た選手の権利ですから、何のためらいもなく行使できるようなしくみ作りを、お願いしたいなと思います。

ポスティングシステムについては、今回、佐々木朗希投手のことで大きく報道されましたけど、あくまで想像ですが入団時、そういった話し合いは行われていたと思うんですよね。いつころまでに挑戦したいとか、どのような成績ならOKとか、球団はこういうスタンスですよとか。メジャーに行くことは佐々木朗希投手が入団した時からわかっていたわけですから、話し合いが無かったことの方が不自然なわけで。よく大谷翔平選手と比較されてますので、当時の状況など、改めて調べてみました。まず入団時、選手は「プロ志望届」を提出しないとドラフトで指名してもらえません。これは周知のことだと思うのですが、あれだけ当時、メジャー志向の強かった大谷選手も実は志望届を出しているんですね。NPBには指名されても行きませんと、だから多くの球団は指名を見送ったわけです。なのになぜ、志望届を出したのか。これは私も忘れていたことですけど、国内であろうが国外であろうがプロになるためには提出しないといけなかったんですね。なので大谷選手もルールに則って提出しました。私はここに、大きな問題があると思っています。理由は、選手の進路の選択肢を狭めていると思うから。だから佐々木朗希投手に関してNPBに直で行けば良かったじゃないかとか、そういう議論は成立しないわけですね。なぜなら日本ハムのような球団が絶対指名しちゃうから。口説かれれば高校生ですもん、心も揺らぎますよね。例えば花巻東高校の佐々木麟太郎選手は、プロ志望届を提出せず、アメリカの大学に進学する道を選びました。アメリカで野球を続けていれば、メジャーのスカウトの目に留まり、メジャーから指名を受ける。そうすればNPBを通らずとも希望通りメジャーでプレーできるわけですね。野手だということもあったでしょうか。野手の場合、大学や社会人を経由した方が強靭な体を手に入れることもありますから。また、佐々木麟太郎選手の場合は大谷選手の母校ということもあり、花巻東高監督も当時と同じ(麟太郎選手の父親が監督)ですからね。いろんな選択肢があったものと思います。しかし、佐々木朗希投手の場合は普通の公立高校出身でプロになったOBもいませんし、おそらく選択肢はそんなに無かったんだろうなと、そんな中で即プロを目指していた佐々木朗希投手はプロ志望届を提出したわけです。そういう状況ですから、私もメジャーに行きたいのならNPBに入らなければ良かったのにって思いましたけど、志望届を提出しないとメジャーにも挑戦できない仕組みですからね。選択肢は限られていたことでしょう。その点、麟太郎選手は賢かった。麟太郎選手はメジャー志向が強かったのは明らかでしたから、なんとかNPBを通らずメジャーに行けないものかと模索した結果、アメリカの大学進学の道をとったんでしょうね。賢明な判断だったと思います。プロのOBはそういうシステム的なことを、もっと発信して欲しいですよね。今回の佐々木朗希投手の件にしても、ルールは守らなければいかんの一点張り。そんなことは、小学生でもわかる話ですよ。入団時こういうルールがありますよと、過去こういう例がありましたと、マック鈴木選手(メジャーやオリックスでプレー)の時はどうだったとか、多田野選手(メジャーや日本ハムでプレー)の時はどうだったとか、大谷翔平選手の時はとか、そういう話をした上で佐々木朗希投手はって言うのならわかるんですけどね。結局、佐々木朗希投手はごねてるだけだって、すべての悪を選手に押し付けて、それは私は違うと思っておりました。因みに、私は佐々木朗希投手がいつ、メジャーに行こうとかまいません。前回も書きましたが、ロッテ球団と佐々木朗希投手の入団時からの話し合いの中で、移籍するのが25歳未満で合意に達したとしても周りがとやかく言うべきではないと思っております。球団が了承したのなら時期尚早ではありませんからね。今回急にごねたように映りますが、実は入団時から繰り返し話し合いが行われていたことで、急にごねたわけでは無いというのは確実。そういうこと(いわゆる選手のわがまま)を許すとNPBがメジャーの二軍化するとかごねるプロOBもいますけど、NPBに魅力が無いから早くメジャーに行きたい選手が出てくるわけで、もっと魅力あるNPBにしていこうとどうして思わないのか不思議。それができないのであれば、こういう問題が起きないよう入団時のルールを明確にするとか、前述したとおりプロ志望届を提出しなくてもメジャーに挑戦できるようなしくみを作るべきだと私は思います。球団で差があるのも何とかしないと。選手は球団を選べませんからね。ルールだからと頭でっかちになるのではなく、柔軟に変えるべきことは変えていって欲しいなと思います。