高取山鉱山:茨城県東茨城郡城里町塩子3145

遊歩道入口ゲートより開けた林道徒歩20分位で砂防ダムの上流広大なズリ跡(錫高野の中心)

幅50m以上の大規模ズリ

枯沢が毎回洗われて新鮮なズリが出る

良品は枯沢で見つかることが多い

ここは錫高野のメインズリ

鉄重石・錫石・ドバーズ・蛍石・雲母などが出る

 

砕石場跡(蛍石の産地)

枯沢の上流右岸に高さ10mの壁状露頭

その右側のブッシュ奥に砕石場跡

蛍石の母岩付き結晶・金雲母が採集できた。

 

広大なズリ跡から遊歩道上流に向かって800m位で、左側に広いズリ山

ここでは鉄重石・水晶・石英などが採集できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筑波山周辺:茨城県

鉱物:花崗岩角閃石

日立鉱山でも角閃石が産出する、どちらも茨城県内で地理的に近いが、まったく別の環境で生まれた角閃石。

 

筑波山と日立鉱山の角閃石の違い

生まれた場所(母岩)が違う(ここが最大の違い)

筑波山

花崗岩(深成岩)の中に普通に含まれる角閃石

マグマがゆっくり冷えて固まるときにできる

石英・長石・黒雲母とモザイク状に組む

普通の角閃石の産状

日立鉱山

スカルン帯(高温接触変成岩)で生まれた角閃石

深成岩の熱で周囲の岩石が焼かれた特殊環境

緑簾石・硫化鉱物・石英脈と複雑に共生

鉱床の熱で変成した角閃石

母岩が違うから、角閃石の性質も全く違う

 

色が違う(採集して気づいたポイント)

筑波山

黒緑・暗い緑・灰緑

ほぼ教科書通りの角閃石

日立鉱山

黒緑・青緑・水色・淡い青色(青色角閃石)

高温変成で(Fe²⁺-Fe³⁺)の配位が変わり、青色が出る

 

共生鉱物

筑波山

石英・長石・黒雲母・角閃石

深成岩標準セット

日立鉱山

緑簾石・黄鉄鉱・磁硫鉄鉱・石英脈・黒雲母(Ba含有の特殊タイプ)

鉱床✙高温変成の特殊セット

一緒にいる鉱物が違うから、角閃石の見え方も違う。

 

 

地質帯が違う

筑波山

八溝山地南端

花崗岩体

広域変成が弱い

角閃石は深成岩の構成鉱物

日立鉱山

阿武隈変成帯の中心部

緑簾石角閃石相

高温接触変成作用が強烈

角閃石は変成作用+鉱床形成の産物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高取鉱山:茨城県東茨城郡城里町塩子3145(錫高野)

かつてこの鉱山は日本でも有数の錫・タングステン鉱床で、非常に多様な鉱物が産出した鉱山

高取鉱山の主要鉱物(鉱床の中心)

鉄重石・マンガン重石・錫石・黄銅鉱・黄鉄鉱・硫砒鉄鉱

 

気成鉱床の特徴的鉱物(グライゼン帯)

高取鉱山は錫・タングステンの気成鉱床で以下の鉱物が典型的に産する。

蛍石:紫、黄色の立方体結晶、石英脈の晶洞に産する

トパーズ:グライゼン化の指標鉱物

白雲母:グライゼン化チャートに大量に産する

燐灰石:石英脈中に伴うリンリン酸塩鉱物

 

酸化帯の二次鉱物

褐鉄鋼:黄鉄鉱の酸化生成物、黄色~褐色の部分

孔雀石:銅鉱物の酸化帯で産出する緑色の二次鉱物

 

その他の鉱物

蒼鉛・黄蒼鉛鉱・菱マンガン鉱・水晶・珪質頁岩(母岩)

 

ステージ 産出鉱物
第1ステージ:グライゼン化 トパーズ、蛍石、白雲母
第2ステージ:鉄重石+石英 鉄重石、マンガン重石、石英
第3ステージ:硫化物+石英 黄銅鉱、硫砒鉄鉱、錫石
第4ステージ:黄鉄鉱+石英 黄鉄鉱 → 酸化して褐鉄鉱
高取鉱山の鉱床形成は、学術的に4ステージに分かれる。
高取鉱山(本鉱山)は入山禁止
 
 
 
 
 
 
 

高取山鉱山:茨城県東茨城郡城里町塩子3145-99(高取山中心部七番脈付近)

高取鉱山は、かつて複数の脈(七番脈・八番脈)が稼働していた。

 

七番脈の坑口の斜面のズリ跡からは特徴として

黄褐色の細粒石英が多量に散財

白雲母の鱗片が多い

菱マンガン鉱のピンク色の破片

蛍石の小片(紫・黄色)

鉄重石の黒褐色片

などが混じる、非常に多様なズリ跡

錫高野の中心ズリ跡からは

鉄重石・錫ドパーズ・蛍石・雲母

砕石場跡(蛍石の産地)

枯沢の上流右岸に高さ1.5mの壁状露頭

その右側のブッシュ奥に砕石場跡

蛍石の母岩付き・分離結晶が採れる場所

紫蛍石✙黄色蛍石✙雲母✙石英

という組み合わせは、この砕石場跡の産状

 

エリア 特徴 採れる鉱物  
P1ルート(仏国寺) 沢一帯がズリ 水晶・石英・蛍石・鉄重石  
 P2ルート(選鉱場跡) コンクリート基礎あり 母岩付き蛍石・雲母・鉄重石  
P3ルート(最短) 長いズリ帯 蛍石・雲母・水晶・鉄重石  
砂防ダム上流 幅50mの大ズリ 錫石・鉄重石・トパーズ  
採石場跡 蛍石の主要産地 紫・黄色蛍石・雲母  
杉林下のズリ 表土下がズリ 水晶・石英・雲母
 
 
2回目の採集で分かったこと

項目
第1回(枯沢ズリ) 第2回(採石場跡)
ズリの粒度 細粒中心 粗粒・母岩付き多い
蛍石の形 分離結晶が多い 母岩付きが多い
雲母 鱗片状が多い 大きな片状・球状も
地形 枯沢沿いで歩きやすい 崩落斜面で変化が大きい
産状の特徴 石英脈の破片が多い 脈の形が残る標本が多い

 

茨城県城里町に位置する高取山鉱山(錫高野)は、浅熱水性の鉱床として知られ、石英脈・雲母・鉄重石・錫石・蛍石・ドパーズなど多様な鉱物が産する。

私はこれまでに2回採集に訪れたが、どちらも別のズリ跡を歩いたことで、高取山の多様性を深く理解することができた。

今回の記事では

正面ルートと裏山ルート

それぞれで採れた蛍石の産状を紹介

高取山の蛍石がどのように形成され、どんな表情を見せるのかをまとめた。

 

第一回採集:仏國寺➡林道ゲート➡林道➡荒れた林道(林道ズリ跡)➡旧坑口周辺大きな母岩付きズリ跡

ズリの特徴

ズリの粒度が粗く、母岩付き標本が多い

倒木や崩落が多く、地形変化が激しいため毎年新しい石英脈が露出する。

採れた蛍石

白色~透明の蛍石

黄色~褐色の蛍石(立方体結晶)

鉄重石・錫石

蛍石が脈の形を残したまま産する。

 

第二回採集:錫高野➡林道ゲート(高取山の案内板)➡砂防ダム上流広いズリ跡(右側)➡50m先(左側大きなズリ山)

ずりの特徴

幅50m以上の大規模ズリ跡

枯沢が毎回洗われて新鮮なズリが出る

良品は枯沢で見つかることが多い

ここは錫高野のメインズリ跡

採れた蛍石

紫色の蛍石(雲母と共生)

白色~透明の蛍石

 

高取山はズリ跡ごとに産状が大きく異なるため、複数回訪れることで鉱床の成り立ちが立体的に理解できた。

今回の2回目の採集では

蛍石・雲母・石英脈の多様な産状を確認でき、高取山の熱水性活動の変化を示す貴重な記録となった。

 

今回採集した蛍石標本(1回目2回目採集)

蛍石の立方体が黄鉄鉱の結晶と間違いやすい、形だけを見るとそっくり。

色(黄色~褐色)

ガラス光沢

周囲の石英脈との産状

雲母との共生

高取山の地質背景

 

高取山鉱山は、蛍石の産状が非常に多様で、ズリ跡ごとにまったく違う表情を見せる魅力的な産地でした。

 

 

 

 

 

 

 

旧坑口周囲の広大なズリ跡より採集標本。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花園鉱業所:茨城県北茨城市華川町花園

鉄電気石:

花園鉱山の鉄電気石は黒雲母片麻岩を切るペグマタイト脈の中で産する。

石英➡長石➡黒雲母➡鉄電気石:という組み合わせが明記されている。

 

鉄電気石:黒い柱状結晶

黒色~黒褐色

柱状~針状

縦方向に細かい条線(ストリエーション)

石英質の母岩に刺さるように産する

花園鉱山のペグマタイトで多産する典型的産状

(黒雲母型ペグマタイトに鉄電気石が多産する)

写真の標本はまさにその典型例。

 

 

 

 

 

 

鉄重石:高取鉱山の主要鉱物

鉄重石はタングステン鉱物ウルフラマイトの鉄端成分

ウルフラマイトはFeWO₄ーMnWO₄の固溶体で、鉄が多いと鉄重石

マンガンが多いとマンガン重石と呼ばれる。

高取鉱山では、鉄成分が優勢なため鉄重石が代表鉱物とされています。

 

高取鉱山は、稲田花崗岩の熱によって形成された

錫ータングステンの気成鉱床(グライゼン鉱床)

鉱床形成は4ステージにわかれ

第2ステージで鉄重石✙石英が形成されたことが明確に示されています。

 

高取鉱山の鉄重石は

石英脈の中に黒褐色~黒色の板状・柱状結晶として産する。

母岩は珪質頁岩や石英

ズリにも比較的多く残っている

白い石英の中に黒い板状・細長い結晶は、まさに鉄重石の典型的な産状と標本が一致する。

 

同じ高取山鉱山でも、鉄重石の組成は場所によって変わる。

七番脈の上部・西部

Mn成分が多い(マンガン寄り)

七番脈の下部・東部

Mn成分が少ない(鉄寄り)

これは、鉄重石の結晶が上部・西部➡下部・東部へ進行したという鉱床形成史を示している。

 

採集標本は

白い石英

黒い板状・細長い結晶(鉄重石)

黄褐色の酸化鉄(リモナイト)

母岩の珪質頁岩の破片

が確認できる、これは高取鉱山の鉄重石の典型的な産状で、第2ステージの産状と一致する。

 

標本の写真では、成長順位が読み取れる

石英の割れ目(クラック)に沿って黒い鉄重石が入り込んでいる。

これは、鉱床形成の順序を示している。

まず石英脈が形成

その後、鉄重石が熱水で運ばれ、石英の割れ目に沈殿

最後に黄鉄鉱が沈殿し、酸化して褐鉄鉱になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大水鉱山:群馬県南牧村六車

主な鉱物:鉛・亜鉛・銀・銅を産出

浅熱水性鉱床:周辺にはアンチモン(Sb)を含む鉱化作用が点在

古い文献に輝安鉱(Sb₂S₃)を伴う産状があると記録されている

母岩は褐色~灰色の熱水変質岩

輝安鉱は太い柱状結晶が多い

大水鉱山は輝安鉱が産出しても全く不思議ではない鉱床タイプ

南牧村~下仁田~甘楽郡は

アンチモンを含む浅熱水性鉱床が連続する地帯で、輝安鉱の産出が自然に期待できる地域。

 

下仁田町周辺で輝安鉱が産出する可能性のある鉱山

秋畑鉱山:下仁田町秋畑(金・銀・銅・亜鉛の多金属鉱床)

下仁田の南側:南牧村の小規模鉱山群(鉛・亜鉛・銅・銀)の浅熱水性鉱床

青倉鉱山:下仁田町青倉(鉛・亜鉛・銀)の鉱床

小幡金山:安楽町小幡(江戸時代から続く金山)

南牧村地域の鉱山一覧

種類 鉱山名 主な鉱物 備考
石灰鉱山(大規模) 磐戸鉱山 石灰石 村公式サイトに詳細記録
金属鉱山(中規模) 中小坂鉄山 下仁田町だが南牧村に隣接
砥石採掘場 砥沢採掘場 砥石 民俗資料館に資料あり
金属鉱山(小規模) 大水鉱山 鉛・亜鉛・銀・銅・Sb(推定) 写真で存在が確定(現地板)
金属鉱山(小規模) 大本滝周辺の鉱床 多金属(推定) 大水鉱山と同系統
金属鉱山(小規模) 六車周辺の無名坑 多金属(推定) 地元でのみ伝承

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八茎鉱山:福島県いわき市四ツ倉町玉山

八茎鉱山は、日本でも屈指の長い歴史を持つスカルン鉱床。

銅・鉄・タングステン・石灰石を産し、近代にはセメント産業の母体にもなった鉱山。

 

時代 主な採掘物 できごと
古代〜中世 和銅年間〜佐竹氏による採掘
江戸 磐城平藩が経営、鉱山町が繁栄
明治 銅+石灰石 八茎鉱山合資会社設立、軽便鉄道・索道整備
大正 製錬所建設、恐慌で閉山
昭和中期 銅+鉄 日鉄鉱業が再開、年間60万t生産
昭和後期 タングステン+石灰石 高品位灰重石の発見、銅採掘終了
平成〜2011 石灰石+砕石 新八茎鉱山として操業、2011年頃閉山

 

【北】鍋山(石灰岩帯)
   └ 白い砕石道路
   └ 発破警告看板
   └ 鍋山神社
   └ 石灰岩露天採掘跡
        ↓(南へ)
【中央北】鍋山–玉山境界(スカルン帯)
   └ 灰重石(タングステン)
   └ 巨大選鉱場建屋
        ↓(さらに南へ)
【中央】玉山(硫化鉱物主鉱床)
   └ 銅神社
   └ 石積み坑口+鉄橋
   └ 黒色ズリ
   └ 事務所跡の広場
   └ 石英脈帯
        ↓(沢へ)
【南】玉山下流の河原
   └ ズリ由来の硫化鉱物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

八茎鉱山:福島県いわき市四ツ倉町玉山

黒鉱型~浅熱水性の多金属鉱床

黄鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱が主要

酸化帯では褐鉄鋼・針鉄鋼・孔雀石・アズライトなどが発達

母岩は珪化した凝灰岩・石英

今回採集鉱物標本は、この典型的な組み合わせと完全一致している。

 

金属光沢の黒色~銀灰色部分:閃亜鉛鉱(高鉄タイプ)

黒~暗い灰色

樹脂光沢~金属光沢

不規則な破面

やや褐色を帯びる部分あり

これは閃亜鉛鉱の特徴と一致する。

八茎鉱山の閃亜鉛鉱はFe含有量が高く黒色~暗褐色になりやすいので、産地的にも合致する。

 

金色~真鍮色の反射:黄銅鉱

真鍮色

強い金属光沢

小さな粒状~薄い脈状

これは黄銅鉱の典型的な色と光沢

八茎鉱山では黄銅鉱が閃亜鉛鉱と密接に共存するため、この組み合わせは非常に自然。

 

銀白色~淡金属光沢の粒:黄鉄鉱

銀白色~淡金色

微細な粒状

反射が強い

これは黄鉄鉱の微細結晶と判断できる。

八茎鉱山の硫化鉱物帯では黄鉄鉱が最も普通的。

 

錆色、褐色の部分:褐鉄鋼・針鉄鋼

酸化帯特有の

錆色

褐色

多孔質の風化面

これは硫化鉱物が酸化した褐鉄鋼・針鉄鋼。

八茎鉱山のズリ跡では非常に一般的な風化産状。

 

母岩:珪化した凝灰岩✙石英脈

無色透明~白色の六角形断面

ガラス光沢

石英の典型的な形状

これは石英結晶で硫化鉱物を含む石英脈の一部。

八茎鉱山の母岩は珪化が強く、石英脈が多いので完全に一致する。

 

八茎鉱山のズリ跡で採れる典型的な硫化鉱物✙石英脈の標本で、産地情報と完全に融合する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リトープスの花の特徴と石から咲く驚き

開花期(10月~1月)

割れ目から白または黄色の花を咲かせる

黄色花のほうが早く開花する傾向がある

黄色花・白色花・オレンジ色花、品種ごとの傾向(白・黄が多い)

花は細い舌状花が多く並ぶデイジー型

菊やタンポポに似た形状

開花の条件

光・温度・日照の重要性

日光が当たると開き陰ると閉じる

晴れた日は昼に開き夕方には閉じる

曇天や雨の日は開かないことが多い

気温が低いと開きにくい

若い花ほど開閉が敏感

花の寿命と終わり方

花は開閉を繰り返しながら

2週間前後で終わる

終わった花弁は急速に水分を失い、赤く縮れ、最終的に黒い針のようになる

これは乾燥地帯の植物らしく、花弁の水分を本体に再吸収するためと推測されている

花後のシートポット(種子)形成

繁殖戦略としての果実形成

雨が降ると果実が開き、種子が弾き流れる仕組みを持つ

乾燥地帯の雨期に合わせた巧妙な繁殖戦略