少子化、高齢化が急速に進む日本社会についてはニュースなどで良く言われる事ですが、週一産科医生活を今も続けている私にも肌で実感出来る事があります。もちろん高齢化についての実感はわかりませんが。

当直のお手伝いをしている病院いずれもが、出産件数が明らかに減っているのです。10年前の半分程度、数年前の3分の2程度になっているような気がします。

そうすると産科医不足が解消するのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもありません。件数が減っても24時間体制で備える事に変わりはなく人件費は同じですから、小規模の公的病院や個人産院は産科取り止めが続出しそうです。そうすると産科医を目指す人も減り、となり、どんどん悪循環が進むのです。

不妊診療にも携わっている身からすると、産みたい人はまだまだたくさんいらっしゃるので、勿論年齢制限は必要ですが思い切って不妊診療の自己負担ゼロ化、無償化くらいはやって欲しいものだと思います。

アルツハイマー病の新薬や高価な抗がん剤など保険財政を圧迫することばかりの中で難しいかも知れませんが、現場からの実感です。