スフレを料理するにはコツが要る。それが、チーズスフレでも、チョコレートスフレでも、バニラスフレであっても。と、いうか、卵を卵白と卵黄に分けて泡立てたり、その後オーブンで焼いて火が通りすぎず、でも生じゃない微妙なラインをキープするのが結構難しい。そしてその苦労の割にメイン料理にはならないし、かといって出来立てを食べたい種の料理なので、作り置きに適しているわけでもない。だから、私が日常の家庭料理としてこれを作ることはまずない。この料理を食べるのは、もっぱらレストランへ行った時だ。 

 

今日紹介するのは、カジュアルなフレンチをビオワインと一緒に楽しむことが出来る、こじんまりとしたお店のチーズスフレ。このお店は、チーズスフレをオーダーしてから大体25分くらいかけて丁寧に作ってくれる。卵を泡立てて、オーブンにいれる時間ジャストくらいだ。だから、適当に冷前菜と一緒に注文すると、丁度良い頃合いに黒のココットに入ったボリューミーなスフレがサーブされる。 

 

一見焦げたのかな?とも思える見た目だが、心配ご無用。フォークを刺すと、その柔らかな食感に驚かされる。切り分けてみると、優しい卵色の断面から、モッツアレラチーズがとろりと溢れてくる。一皿の卵料理で複数の食感が楽しめるところも嬉しい。表面の、膜のような卵の焦げ付き、中ほどの細やかな卵白の泡に火が通ったような、口腔で溶けるような食感。そして底の方に広がる、弾力ある黄身の旨味。これらにチーズのコクが合わさって、幸福感を倍増させてくれている。  

 

これはアツアツのうちに食べなければと、思わず相手との会話を中断して無言でココットつついてしまう。まるで蟹を食べるとき、人が会話するのを忘れるように。 

 

 

 

チーズスフレ

 

 

 

 

 

 

 

End.