目で見たものを信用する人は多いですが、人の目がいつも正しいものを見ているとは限りません。
夜間に青白いモヤのようなもの(幽霊)を見たといった体験談をよく聞きますが、実は、この現象は科学的に説明できちゃったりするのです。
その正体は「プルキンエ現象」といいます。
つまり、人間の視覚がもたらす“錯覚”なのです。
夕暮れ、日が沈む頃になると人間の眼は日中とは違う働きをするようになるのです。
同じものを見ていても、昼と夜、その場の明るさの違いによって、色彩が異なるように見える現象のことを言います。
日が暮れると青いものは明るく見え、赤いものは暗く見えるのです。
もっとわかりやすく書くと…
明るい昼間の場所では赤が鮮やかに遠くまで見え、青は黒ずんで見えます。
一方、夜などの暗い場所では青が鮮やかに遠くまで見えるのに対して、赤は黒ずんで見えます。
つまり、暗くなってくると青や緑の暗い色が明るく感じられる一方で、赤などの明るい色が暗く感じる現象のことなんです。
明るいところと暗いところでは
目の感度が異なるため、
明るく見える場所(色)が異なります。
昼と夜では明るく見える色、暗く見える色が違うのです。
明るい環境で目立たせたいのか
暗い環境で目立たせたいのか
それによって使う色使いが変わってくるのですね。
トンネルの中で車のフロントガラスに幽霊を見たというのは、この現象によって、普通の人の顔(肌色)が暗く見える…つまり青白く見えているカラクリなんですね。
ただでさえ、ひと気のない夜道はドキドキしちゃうもの。
そんな中で、暗い夜道に浮かび上がる青白い人の姿を見たら(本当は明るい色の服着た人)慌ててしまいます。
しかし、そんな幽霊の正体は、実は普通の人だったってことも十分あり得るのです。
ちなみに、プルキンエ現象は防犯にも利用されていて、夜間でも見やすいように青色で道路標識を作るなど、日常生活の中にも応用されています。
また一説によると、新選組の羽織が浅葱色なのは夜間でも仲間の姿を見分けやすいからだとも言われています。