よく、テレビ番組の怪奇特集とかで、
芸能人が廃墟かなんかに行くと、壁に人の顔のような染みを見つけては驚くといった場面に遭遇します。
薄汚れて染みだらけの壁や天井。
そこに、よぉーく見ると人の顔のようなものが…。
このように、ありもしないものを見てしまうのは、人間の進化の過程でそうなったものらしい。
どういうことか?
人間の認識は「顔」に対して特に敏感に働くことが知られているのです。
私自身も経験があるのですが、車を正面から見ると人の顔に見えたりしませんか?
プラグの差し込み穴なんかもそうですね。
このような錯覚は「シミュラクラ現象」と呼ばれていて、人は3つの点があつまった画像を「人間の顔」だと錯覚してしまうのです。
シミュラクラ現象はパレイドリア効果の一種でもあります。
ん?パレイドリア効果とは?
はい。パレイドリア効果とは、人類の進化の過程で獲得した能力で、周りの動物が敵なのか味方なのかを認識し、危険に備える必要があったため、本能的に脳が人間の顔かどうかを識別しようとすることから起こる一種の脳の錯覚と言われています。
人間の生存本能とでも言いましょうか。
(シミュラクラは哲学、パレイドリアは心理学の言葉のようなんですよね。)
意味のないランダムな模様の中に、顔などの形があると思わせてしまうのです。
脳は受動的なものではなく、常に重要な情報を探し出し肝心なものを拾っている…特に重要なのが顔なんです!
まぁ、つまり、人間は何にでも超常現象を見出すといういい例です。
人間の脳は、無意識に周囲から顔の情報を拾おうとします。積極的に顔を探してるんです!
そこに“人間の顔に見えるような”模様があったらどうなるか?
廃墟の窓枠に“顔”があったらどうなるか?
寂れた古城の踊り場の壁に“顔”があったらどうなるか?
その古城は昔、女城主が一人ぼっちで住んでて、その城の一角で、ある男性が血塗れで殺された事件があった現場だったとしたら、
その現場に、殺されたという部屋の壁に“顔”があったとしたらどうなのか?
きっと、
「超常現象じゃあぁぁぁー!!」
と驚くに違いありません。。
あの壁に、確かに目と鼻と口があった!!って言っちゃうんじゃないですかね?
パレイドリア効果のせいか、一度顔と認識してしまうと、もう顔以外には見えてきません。無意識のうちに脳のスイッチが入るのでしょう。