ドイ・ブラックという

犬猫の撮影会がある。

ケニア・ドイさんという写真家が

黒背景でカッコよく

犬猫を撮影してくれるのだ。


去年の秋に

ムネとラナを撮ってもらった。



今年も

同じ猫カフェで開催されるというので


私は同じマンションに住む

アッコさんの飼い主さんに声をかけ

サビ姐さんとアッコさんの写真を撮ってもらわないか?とお誘いした。


なんなら一枚ずつ、その方にプレゼントすべく、撮影代は私持ちでいいくらいだと思っていた。

その方が雨の日も雪の日も、ここ何年も毎日2匹にご飯をあげてくれて今があることへの感謝の贈り物として…。(しかし、飼い主として全データ欲しいとなったので、その作戦は消えた…)。


1枚(印刷物とデータ)7,700円。

全データ買うなら30,000円。


人間は

サビ姐さんは一枚買いにしようと思っていた。あるいは、眉間に皺が寄ってそうな、お外自体のヤバイ人たちみたいな顔つきの姐さんと、捕獲直後から別猫のようになった、クリクリの目をした姐さんの一枚ずつを買い、ヤンキーみたいなのを元餌やりさんとしもべたち(インスタで繋がってる人がいるみたい)に捧げ、

クリクリな一枚を未来の里親さんにプレゼントする、そんな考えで。


10分の撮影時間に50枚以上シャッターを切ってくれる、撮影会。だとしたら、全データ買う方がコスパがいいのは間違いない。現に去年、2匹分全データ買いした。

2枚にして15000円をけちりたいから一枚買いにしたいと思ったわけではなく、

理由は他にあった。


しかし

結果的には、アッコさんも全データ、保護団体さんも…の流れでアッサリとコスパの魅力に屈して、姐さんも全データ買うことにした人間。



保護団体さんは、団体で基金を設立するきっかけになった、安楽死を勧められた大怪我から生還し、やたら強い怖い猫としてその家で君臨している黒猫を奇跡的に連れ出し、3人で3猫の歴史的な撮影に挑んだのだった。


歴史が動いた会場、

猫カフェ 猫の屋おでん の入り口。



黒猫こそ、カッコよく撮ってもらえる、

それがドイ・ブラック。

そして、

大暴れして撮影どころじゃないんじゃない?と思うような猫でも、「連れて来さえできたら、あとは何とかできます」という、頼もしいカメラマンさんと助手の方。

きっと、連れて行っても…と、諦めてる人多いと思う。この猫が連れてこれたなら、大半の猫は大丈夫だろう。そして,無理だと思っていたような猫の、見事に目を輝かせて生き生きとした写真を撮ってもらうと、本当に感動するのだ。おねがいひらめき電球乙女のトキメキ



アッコさんなんて、洗濯ネットに包まれてのご来訪だった笑い泣き。しかし撮影になると落ち着きすぎて動きがなさすぎるという、肝のすわりようで、皆を戸惑わせ、遂にはサビ姐さんを囮にして、姐さんを目の前でちらつかせて牙を剥かせるという荒療治で撮影終了笑い泣き(やはりすごい攻撃的だった…えーんえーんえーん



そしてそして

サビ姐さんは


とても可愛く写っていたのだった。


アッコさんの飼い主さんが、早速スマホの待ち受けにしていたので、みんなで揃えて写真を撮った。


(この写真をきっかけに、私はスマホの防水ケースを買い替えようと決心し、アマゾンでポチった。汚すぎる…拭いてこれだから真顔



私は今も

スマホを持つ度にこの画面を見ている。

ちょっとまずいな,と思うけども

とてもいい写真なので、変えがたい。



もし、あまり親近感が持てないペットを飼ってるとかなんかそういう人がもしいたら、待ち受けをその子の可愛い写真にするとか、形から入るのは有効だと思うのでやってみて欲しい。

姐さんに親近感がないならまだしも、別にそんなことない預かりの人間は、預かる猫を待ち受けにし、大量の素敵な写真データを保有することになって、もう自分の飼い猫のような愛着が増してしまうという、モヤモヤに包まれ始めている。

毎回スマホが灯る度に「あら。可愛いわ。」と思う事の影響を侮ってはいけない。行動から気持ちが動く事ってあるのだ。全データを買うという行動を避けようと思っていたのは、そこだった。


逆に愛着が湧いてない人はとびきりの写真を待ち受けにしてみて欲しい。ホントに。真顔



ムネは相変わらず、通りすがりの姐さんに頭を叩かれながら過ごしている。しかし、それでメゲることなく、人間が帰宅してからの食後、わざと姐さんをけしかけて追いかけっこに持ち込んだりしており、彼の中ではまだ、関係作りは現在進行形で、決して姐さんをネガティブに捉えてはいないような様子に、感心する日々である。

姐さんがくしゃみをすれば心配そうに見上げるのは彼。


足はすごい格好だけど笑い泣き笑い泣き


鼻水の苦労は,彼がよく知っている。



ラナも、叩き合いになると負け気味でストレスを溜めてやしないかハラハラしながら見ている人間だが…



ソファ下にいる姐さんに、

そっとアプローチしたりしていて、こちらも人間が思うよりずっと、前向きな関係作りにチャレンジしてるのかな?人間はちょっと心配しすぎなのかな?と思ったり…


2匹は本当に良い子だなあと感心しきり…。

(飼い主バカ炸裂中)


おりしも

トライアルに行っていた保護団体さんの猫たちが、立て続けに戻ってくるという情報が目に入り、その中には「先住猫に受け入れてもらえず先住が体調を崩した」という理由の子もいて


そして預かりをやってる人のインスタを垣間見る限り


ムネとラナは、まだ姐さんと仲良くやれてる方なんじゃないか?そうしようと2匹は努力してくれてるんではないか?それってすごくない?


それに報いる最良の方法とはなんなのか

姐さんは良縁を引き寄せられるのだろうか

それまで人間は

あくまで預かってる猫,というスタンスでいられるのかいるべきなのかその罪悪感をどうしたらいいのか


すごくモヤモヤしながら

きれいな目で可愛くこちらを見る写真を

今日もまた

見つめているのである。



とにかく

写真が良すぎるのだ。

ただ事ではない思いをわき起こさせる

素晴らしい映像。

決して高い買い物ではない、

連れて行ける圏内でもし開催されたなら

是非連れて行ってみて欲しい、

ドイ・ブラック。


ドイ・ブラック