術後8日めに退院、トータルで10日間の入院だった。
術後5日め~退院日までは、もう、なんともないのに入院して大事にされてるという貴重な数日間だった。そんな数日間の過ごし方・・・

キノコ日の出、日の入りをチェック
yahooの天気予報サイトを見て、その日の日の出時刻、日の入り時刻に、太陽の見
える廊下の大きな窓のところへ行って、携帯を構えて日の出日の入りを撮影するのが日課だった。毎日1分ずつきっかり日の出、日の入り予定時刻が変わることに、(小学校の時に習った気もするが)改めて感動してみたり、予定時刻頃にやっぱりちゃんと太陽が昇ってくることにも感動したりした。

キノコ食事
毎回けっこう楽しみにしていた。はじめ食べたとき、あまりのアッサリ味に衝撃をうけたが、4日めくらいになると、このくらいで良いんじゃないか、普段いかに不必要に濃い味のものを食べていたことか・・・と思うようになった。そして、入院している人にとってご飯が数少ない「楽しみにすること」だというのを実感した。仕事に戻ったら患者さんの、食事を心待ちにする気持ちをもっと大事に考えなくちゃと思った。

キノコ医者
この病院には3人の婦人科常勤医がいる。研修医は居なかった。(あんまり居なさそうだというのも、この病院にした理由だった。)そんなに入れ替わるほどメンバーがいないので、外来での主治医がそのまま入院でも担当医で執刀医でもあった。
しかし、入院中は主治医と同じかそれ以上の回数、ほかの2人の先生もベッドサイドに来てくれて、体調を確認したり、何か聞きたいことはないですか?と声をかけてくれた。それも毎日。毎日必ず3人ともが一回は訪問してくれるのは、少なくとも自分の勤務地では見かけなかったがどうなんだろう。すごく有難いと思った。3人がまた、それぞれ個性の違い際立つ先生方で、聞きたいことの内容によって人を選んで質問させてもらっていた。主治医ではない、科のトップの先生には、お腹が傷口から下の部分だけ凹んで、うえがこんもりした、あの「なめこ」みたいなラインになってしまったと話して、大笑いされたこともあった。下の先生には「それは自分でなんとかしてもらわないと!」と笑いながら言われた。

日中の時間のほとんどを、持ち込んだ書類仕事をして過ごした。

この数日間に、患者心理みたいなものを体験することができた。入院するまで、これほどまでに自分の身体のことしか考えず、周囲にも私の身体のことだけを考える立場の人達に囲まれて過ごすことなんて無かった。元気で順調であるだけでほめられるなんて事があろうとは。

あと、この頃に、入院1,2日前に慌てて書類を提出した、「健康保険限度額適用認定証」が届いたので母に持ってきて貰った。これがあれば、収入に応じて退院時に支払う金額の上限が抑えられる。


 日の出の頃の窓からの眺め。



 朝ご飯は大体こんな感じ。

ついてくるマーガリンとかジャムを、どっちのパンにどのくらいつけるか、などもだんだん決まってきた。貧血のためか、鉄分の多いミルク。


 デザートがアイスだった日もあった。
たぶん医療食品の展示ブースでみたことのある、「溶けにくいアイス」かな?なんかすごく嬉しかった覚えがある。味はすこし練乳っぽい。そして実際、なかなか溶けてドロドロにならず形をキープしていた。


 ある日の夕食
これまでの人生で食べた中でもっとも辛みのない麻婆豆腐だった。