blog no.404

 

 

タイトル : エスター

 

観た日 : 220111 火

媒体 : レンタルDVD(ぽすれん)


その他の情報 : 米, 2009, カラー, 監督 : ジャウマ・コレット=セラ, 原案 : アレックス・メイス, 脚本 : デヴィッド・レスリー・ジョンソン, 出演 : イザベル・ファーマン, ヴェラ・ファーミガ, ピーター・サースガード 他, 上映時分123分

 

評価 : ★★☆☆




ある夫婦が養子として引き取った少女が、やがて思いも寄らぬ恐怖をもたらす戦慄のホラー・サスペンス。なのだが、私には「スリラー」と映った。無残な殺人を「ホラー」ともみられるし、複雑な環境と境涯を背負った人間の「悲しいスリラー」とも映る。本作は、その評価が意見の分かれるところなのではなかろうか。

 

主演は「ディパーテッド」のヴェラ・ファーミガと、「フライトプラン」のピーター・サースガード。タイトルロールの少女エスター役にイザベル・ファーマンを充てている。

 

その夫婦には、既に2人の男女児を得ていた(但し、下の娘は残念ながら先天性聾唖者である)。そこへめでたく3人目の赤ちゃんを身ごもった妻・ケイト・コールマン(ヴェラ・ファーミガ)だったが、運悪く流産という悲劇に見舞われてしまう。それは、ケイトの精神に耐え難い苦痛をもたらし、コールマン家の安定をも脅かしかねないものであった。そこで夫婦は養子を迎えることを決意する。地元の孤児院を訪れ、ケイトは聡明で大人びた一人の少女エスター(ファーマン)に目を付け気に入る。彼女を養子として引き取ることにしたケイト夫婦だったが、やがてエスターは恐るべき言動・奇行・本性をむき出すようになってくる・・・。

 

エスターとは一体何者なのか!?ロシアの孤児院からの転院者だという記録も虚偽であることがわかり、夫婦は愕然とする。

 

この類の映画は「ネタバレ」は禁物であるのが、私の持論である。ハッピーエンドなのか、後味の悪いものなのかすら明かしてはならない。そんな中でも、冒頭で書いた「意見の分かれる映画」であることは、再び記しておかねばなるまい。若干長い映画だが、その長さを感じさせない内容になっていることも付しておかねばならないだろう。観ていてこれ程色々なことを考えさせられる作品だとは思っていなかったことも付しておこう。


また、特筆すべきは画面の色目で、ふと気づくといつの間にか画面がモノクロに近くなっており、それに気づいた自分に驚かされる。その手法はかなり巧みである。逆に、残念なのは「音」で驚かせる幼稚な面が耳につく場面が少なくないことである。

 

そもそも、本作を観る気になったのは、とあるSNSにある。そこで紹介されていて、「えぐい、えぐい、とは聞いていたが、これほど、えぐいとは思いもしなかった」とあったからだ。しかし、私の感想は違う。人間の「悲哀」と「闇」、この2点が頭を巡って離れない。

因みに、原題の邦訳は「孤児」である。

【えぐい:表現や描写がどぎつい・むごい・非常に甚だしいさまなどを形容する表現(Weblio辞書より)】

 

「エスターは何故エスターたる人格を得たのか・・・」。

 

一見の価値はあると思う。おすすめの一本である。



さて、今回の、この鑑賞で、2022年の私の映画鑑賞は、3本目となりました。


最後まで読んでくださって、誠にありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。