blog no.285  20200710 金

 

 

タイトル : 化身

 

 

観た日 : 200702 木

 

放映日 : 150515(BSフジ)


その他の情報 : 1986, カラー, 監督: 東陽一, 原作: 渡辺淳一, 出演: 黒木瞳, 藤竜也, 阿木燿子, 梅宮辰夫, 三田佳子, 淡島千景 他 105

 

評価 : ★☆☆☆

 

 

 

 

 

 

文芸評論家の秋葉大三郎(藤)は小田原に別荘を持ち、京都の大学では教鞭もとっている売れっ子である。愛人田部史子(阿木)がいるが、どうも美人に目が無く女癖が良くない。そのせいで、長く連れ添った妻多恵(三田)とも離婚して気ままな日々を過ごしている。そこへ友人能村(梅宮)の紹介で、クラブのホステス八島霧子(黒木)と出会う。いっぺんに気に入った大三郎は、カネに糸目をつけずに霧子に入れあげてゆく。始めは田舎臭さもあった霧子だが、大三郎の腕で一流の「女」に磨き上げられてゆく。そして、やがて霧子は「自分」を主張し始め・・・。

 

黒木は映画初主演で、全裸を遺憾無く披露し話題を呼んだ作品。阿木もヌードを披露している。そのため「R-15」指定の映画となっている。

 

映画のキャッチコピーの通り、始めは藤のリードで華麗に変身していく黒木だが、彼女が高見を望み始めていくにつれ、リードするのは黒木の側となり、立場が逆転するところが面白い。

 

「哀れな好色中年」というフレーズが頭を過る。

 

それにしても、私は渡辺淳一が嫌いだ。嫌いだ嫌いだと言いながら、観てしまうのはスケベ心の現われか。何故嫌いかと言えば、エロスな作品が多いからである。元々は医大を出ている医学博士だ。初期の作品には、歴史伝記・医療ものが多いが、徐々にエロティシズム作品が増えてくる「エロ作家」だからでもある。しかし、ただの「エロ作家」でない証左として、「化身」(本作)「失楽園」(黒木主演)「愛の流刑地」と3作が、かの「日本経済新聞」に連載され、どれも朝のサラリーマンの通勤電車の「隠れた楽しみ」として大ヒットし、何れも映画化・ドラマ化までされていることである。また、1997年の「新語・流行語大賞」には「失楽園」が選出されている。

 

渡辺淳一が嫌いな本当の理由を話そう。あるコラムで読んだ文章。「ケチな車掌」(だったと思う)のタイトルで、山陽新幹線に乗っているとき、小倉・福岡間で「空いているので」、無賃でグリーン車に座ったところ車掌に注意され料金を払わされた、というくだり。「空いていて短距離の乗車なのだから、ケチなことを言わないで座らせてよ車掌さん」で締めくくられている。確かに乗車距離は短いものだが、その「思考回路」が私には分からない。押しも押されもしない大作家が、たった小倉・福岡間のグリーン券代をケチるとは!どこまでケチで強欲なスケベジジイなのか!この顛末こそ、嫌いな理由の最大の点である。(もう鬼籍に入ったので、このようなエピソードを披歴してもよいだろう)

 

思い出したら腹が立ってきたので、ここでコメントを終わりにします。

 

映画の内容は「そこそこ」。黒木のヌードで★1つといった程度である。黒木瞳がお好きな方には必見の作品である。因みに、黒木はこの作品で、日本アカデミー賞新人賞に輝いている。

 

 

 

さて、今回の、
この鑑賞で、2020年の私の映画鑑賞は41本目(うち劇場1本)となりました。
 

 


最後まで読んでくださって、誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。