【私のリアルストーリー】⑮永遠に続く坂道~血の海の中で | 40歳から2人産む!!~高齢ハイリスク出産ママの妊娠・出産&育児記~

40歳から2人産む!!~高齢ハイリスク出産ママの妊娠・出産&育児記~

お医者さまに自然妊娠は無理といわれた私が40歳で初産!
そして2016年5月、41歳で第2子出産予定。
高齢ハイリスク出産ママ、ずんたんのドタバタ妊娠・出産&育児記。

こちらは、重度の卵管両閉塞、複数の巨大子宮筋腫。
お医者様に「自然妊娠は無理です」と言われた私が、第一子を妊娠するまでのリアルストーリーです。

以前、アメブロに記載していたものを一部修正して転記します。

今、必要な方に届きますように・・・。


私のリアルストーリー              



~永遠に続く坂道~


「とにかく早く帰らなきゃ」

慌ててバスを降り、早足で20歩ほど歩いたその時!!
「ボコっっっん」
人生で初めての感覚…

明らかに卵の様な「何か」が自分の胎内から飛び出しました!!

そして、同時に大量の血がいっきに溢れ出た事もわかりました。

予想もしていなかった事態にパニックになった私は、手がブルブルと震え、足がすくみ
その場で動けなくなりました。


「家へ。家へ…」

坂道を上がれば自宅。

とにかく帰らなくては…
足を踏み出そうとした瞬間

「どぅるどぅるどぅるどぅるどぅる」
さっきとは違う「ゼリー状の物」が大量に出たのがわかりました。

まさか、今朝家を出る時はこんな事態になるとは思ってもみなかった私は、買ったばかりの真っ白なマタニティパンツを履いていたのでした。

数日前『これからどんどんお腹が大きくなるから』と主人と2人で選んだマタニティパンツが、
流産の鮮血でみるみるうちに真っ赤に染まっていく・・・


震える指で仕事中の主人にメッセージを送りました。

「帰り道の途中で出血が始まって、赤ちゃんが出てきた」

主人からすぐに返信があり、彼も電話の向こうで慌てているようでした。

しばらくお互いやり取りをして、少し冷静になれた私は、最後の力を振り絞り自宅を目指しました。


ガードレールをつかみ、ズルズルと足を引きずり

ただうつむきながら、一歩一歩・・・

毎日通いなれた坂道が、この時ばかりは永遠に続くかの様に長い道のりに感じられたのでした。



~血の海の中で~


なんとか自宅にたどり着き、バスルームへかけこむ頃には、出血は足首まで達していました。

オムツの様と思ったナプキンは、大量の血でとっくに溢れ、お茶碗に山盛りのレバーをひっくり返したように血の塊でいっぱいになっていました。

そして、その中に見つけた丸い胎嚢らしきもの・・・。

薄い膜に覆われた、3cmほどの巨峰の様な塊で、中は見えませんでしたが白っぽい紐の様なものが繋がっていました。


「私の赤ちゃん・・・」


私は何も考えられず、胎嚢をそっとナプキンに包みビニール袋に入れると、頭からシャワーをあびました。

自分の身体の中からボトリボトリと次々レバーの様な塊が落ち、流れ出る鮮血でバスルームの床一面が真っ赤に染まりました。

私は、血の海の中でボーっと立ちつくし、シャワーで流れていく鮮血をひとごとの様にただ眺めていました。


・・・どのくらい時間がたったのか

我にかえった私は、バスルームを出て着替えると、ぐったりとベッドに横たわりました。

目をとじると、今まで見たことのない大量の血と、出てきてしまった胎嚢が、映像となって頭から離れず、それらは私に単純で原始的な「恐怖感」を与えました。


しかし、私の心は停止し、人間らしい感情は一切浮かんできませんでした。

「悲しい」も「つらい」も「痛い」も
なにもなく

ただ寝室の天井を見つめたまま、主人が帰ってくるまでの時が過ぎていったのでした。


つづく

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