~手記①~子宮筋腫と帝王切開はコチラ
~手記②~子宮筋腫と帝王切開はコチラ
~手記③~子宮筋腫と帝王切開はコチラ
無事娘を出産し、ホッとした私はすっかり恐怖心もなくなり、全身麻酔の効き目ですぐに眠りについた。
どのくらい時間がたったのか・・・
「○時○分、筋腫摘出」
ベテラン医師の声がかすかに聞こえる。
2度聞こえた。
どうやら子宮筋腫を2個切除したようだった。
もともと、帝王切開の手術時に筋腫の切除をすると大量出血をする恐れがあるので基本的には行わない。
しかし、どうしても産道上にあって切除が必要な場合は行う可能性があると説明されていた。
そして、私の場合は血液検査の際Dダイマーの値が高く血栓が出来やすい状態だった為、血液が固まりにくくなる薬を飲んでいるので、できるだけ筋腫はとりたくないとも。
『大丈夫かな・・・』
と一瞬不安がよぎったが、またいつの間にか意識を失っていった。
そして次に目が覚めると、私はまだ手術台の上だった。
「出血は?」
「まだ止まりません」
「ご家族に説明を」
・・・出血。止まらないんだ。
今何時?・・・。
私の赤ちゃんは?・・・。
頭がボーっとして思考がまとまらない。
すぐに眠りに引き戻される。
うつろな意識の中、同じやりとりの会話を3回ほど聞いた。
でも無事に出産を終えた私にはもう「死」に対する恐怖感は沸いてこなかった。
そして、ようやく私は病室で目覚めた。
本来戻ってくる病室ではなく、ナースセンター脇の部屋に移されていた。
腕には沢山の管、顔には酸素マスクがついていた。
主人とお義母さんが心配そうに私の顔を見つめていた。
パンパンにむくんだ私の顔を見て、お義母さんは驚いていた。
11時には病室に戻ってこれると伝えていたが、結局私が手術室から戻ったのは14時すぎ。
子宮筋腫を切除したせいで大量出血を起こし、なかなか出血が収まらず、念のためにと取っておいた自己血をすべて使い切ったという事だった。
12時になっても13時になっても手術室から出てこない私に、お義母さんは心配で泣き続けていたらしい。
主人の元には「どうなっているのか?」と姉からも母からも連絡が何度もはいり、皆私に何かあったら・・・と本気で心配したそうだ。
主人がどれほど不安で心配をしていたかは、緊張しすぎて表情がなくなってしまった顔を見れば痛いほど理解できた。
生きていて良かったと改めて実感した。
その後、看護師さんが病室に我が子を連れてきてくれた。
身体を拭いてもらったのか、とてもきれいな赤ちゃんだった。
「かわいい。かわいい」
色んな感情があふれて、それしか言葉が出てこない。
そして私たち3人はようやく落ち着いて出産の喜びをかみしめることができたのでした。
普通の手術の5倍の時間がかかり、4倍の出血をした。
これが私の出産記。
まさかこんな手術になるとは思いもよらなかったが、術後は順調で次の日から歩いて赤ちゃんのお世話もすることができた。
妊娠、出産は何が起こるかは誰にもわからない。
新しい命が無事に産まれてくるというのは奇跡の連続なんだと思った。
家族で過ごせる何気ない日常は当たり前なんかじゃないって事を忘れずに
日々に感謝しながら、思いっきり育児を楽しんでいきたい。
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