令和6年2月23日。冷たい雨が降りしきるこの日、木村容堂氏(贔屓)×佐々木一郎デスク(贔屓)のトークショーなるものが開催された。
<相撲の魅力を伝えるウェブマガジン おすもうさん> 主催のこのイベント。
初めてその一報を耳にしたのは1月。控えめに言ってパニック。
こんな神イベントあります?
いくら冷静に考えてみようとしても、溢れ出る素朴な疑問。止まらない素朴な疑問。
え?本気?
チロデスと容堂先生が?
っていうか、『トークショー』とは何事ぞ…?
そもそも、容堂先生ってそんなに喋ってくれるの???
▼こんな夢みたいなイベント、あります?
それでも、準備の段階から主催者様の楽しげなツイートが流れてきて、ほっこり。手をかけ、時間をかけ、丁寧に準備を進めて下さってるんだなぁ。
追われてばかりの「ど平日」に、容堂先生とチロデスを思い出して癒されるという時間を提供して下さいました。
そして、みるみるうちに日が過ぎる。
信じられないなー。ほんとに当日が来るのかなー。
なんてぽかーんとしてる間に、2/23(金・祝)当日。
こんなにも寒くなりますかい? というほど冷え込む1日となりました。
「容堂先生も、こんな寒い日に両国まで来て下さるんだから…」 と数十回言い聞かせてようやく起きたかと思えば、息を吸うようにキンキンの【焼酎ソーダ上々】を流し込む、爽やかなくそ寒い雨の朝。
こんな神イベントにはお洒落もしていきたいところではあるが、今日はまじでさみぃーので選択肢はない。【初場所、『外で数時間入り待ちしても全然寒くなかったよコーデ』】一択であります。 ※重夫さんに声をかけたくて、珍しく入り待ちしてみたという経緯。
「さて、そろそろ行くかー…」
酒気帯びで家を出る(バカめ)。
今日、容堂先生に会えるだなんて到底信じらんない。信じられなさすぎて、逆に冷静。リラックスしすぎて、電車でガン寝。お陰様で、両国に着いたときには寝起きというのも相まって、この世の終わりかってほど寒かった。
両国の駅のホームでは、「自宅」「職場最寄り」に次いで耳馴染みのある、あの駅のメロディーが、今日も元気に流れている。いつもなら場所中で賑やかな国技館も、今日はクールに佇んでいる。脳内で、本場所の土俵に注がれるあの凄まじい歓声がリプレイされては、スッと消えてゆく。『ついこの間』だったはずの初場所の思い出、懐かしさに胸がくっと痛む。
しかしね。
今日は贅沢な時間が待っているのだ。
何度信じようとしても信じられない、畏れ多いほどの空間が待っているのだ。
本日の会場となる回向院は、JR両国駅を出て、国技館とは反対の方向へ進むとほんの数分で着く、相撲とも縁の深いお寺。
傘さえ無けりゃね…。 回向院の写真も撮ってこようかと思ったんだけど、なんせ雨降ってるしさみぃもんでね! 無理だったわ! 諦めは早いタイプ。
回向院正門前。
私の前に、数人の集団が回向院の境内に入っていく。わたくし得意のビビりがここへ来て大発動。
あれ!今日ってそんな大イベントだった?????? 汗汗汗汗汗
キラッキラのスー女とかいたらどうしよう…… 容堂先生、たしか初場所行ったとき声援すごかったや… とか色々思ったけど、大丈夫でした。ホッ…
やがて開場の時刻となり、整理番号順(要は、チケット購入の先着順)に中に入る。私は15番以内だったんで、すぐ中に入れました。※発売とほぼ同時にチケット入手したヤツ ('ω')ノハイッ
会場は… うーんと、
国技館に例えますとぉ…
向正面に容堂先生、チロデス。
東に巨大スクリーン。
正面溜まり席、そのすぐ後ろにイス席
西にパイプイス席。
といった配置で、お席の数が少ないという訳ではない(結構ギチギチに座布団散りばめられてた) のに、想像よりもかなり小さなスペースだったんですよ。
ということは!! ですよ!!!
近っ!!!!!!!!
容堂先生とチロデスがお掛けになるであろうお席、ちっか!!!!!!!!!!
こっ、こんな距離で1時間半も過ごしてよいんですか本日!?!?!?!?!?!?!?!
帰り道とか、わたし何かバチ当たる感じです????(ビビり)
まだ入場者数の少ない段階で、なんの争奪戦も無く西のパイプイス席最前列を確保。振り向いたら、目の前に展示品として置かれている軍配や筆が。早くも、熱心に写真撮影(これは撮影OKだった)しているお兄さんが。私も後で撮ろっと。
イベント自体も定刻通りにスタート。
去年の10月、巡業以来の間近での容堂先生、チロデスがあっさり登場。
わーわーわー… 本物? (;゚Д゚)
そっから1時間半、
こんなに全身で、神経注いで、夢中で人の話聴いたことあったっけ??? っていうくらい、のめりこんで聴いてました。
【貴重なお話の具体的な内容はアメンバー限定記事に記載しております】
何でも知ってます。知り尽くしてます。なんて、まさか言えないんだけども、行司さんについて、ある程度調べて知識がついてきた時点で、いっときパタリと「新しい情報になかなか回り逢えなくなる」という時期が不思議とあったんだよね。
何かの折に、誰かが行司さんについて説明、言及してくれる場面があっても、とうに知ってる情報しか流れて来ないみたいな。
でも今回は、本物の現役行司さんのナマのお声、お話を拝聴できる。
しかもそれが、ガチ贔屓、且つ今までお声をほぼ聴いたことがない、巡業にもいらっしゃらない<遠い存在>だった 容堂先生であるということ。
「すげぇ… 行司さんってすげぇ…」 と、言葉を失うほどに何度も見惚れた、まさにその容堂先生ですよ。こんなにも貴重な機会に恵まれるなんて、それはまさに夢うつつ…。
いくら本を読んでも中継を見ても、行司さんご本人の話を聴くに勝ることはない。ベテランの行司さんが実際のご経験として語られる内容というのは、その口調の穏やかさ、お茶目さ、心地よさとはきっとまるでかけ離れた、物凄い苦労と辛抱と鍛錬とを重ねた時代の、本物の記憶・実体験であるはずだ。
容堂先生のことは、この前のNHKのどす研での吉田親方然り「淡々としている方」と形容されることが多く、実際この日も、容堂先生は、例えば苦労したこと、大変だったことなど、特別感情を込めたり、大きく声のトーンを変えてお話をされたり… ということは無かった。でも、一つ一つの言葉に重みがあった。ご入門以降、きっと膨大な情報を目にし、叩き込まれ、戸惑い、気付き、考え、咀嚼し、試し、また教えを忠実に守りながら日々を重ねて来られたんだろうな。 こんな末端のファンにゃ分かんないけどね。
さて、話題は様々なお持物について、そして軍配にも及ぶ。「一本しか持っていないということはない。万が一損傷してしまったときに困りますからね」と容堂先生。「派手にコケてぱかーんといってしまったり(する危険もあるし)」と、初場所の転倒について、自ら遠回しに触れられる。笑 気付いたお客さんは笑ってたwww
同時に、『控えにいる時力士が落ちてきて、軍配がぱかーんと割れてしまったというのも聴いたことがある』とも仰っていたが、それ、たまじぃではなくて?? なんてふと思ったり。 キューーーーーン(´;ω;`)
また、行司さん必須のアイテムについて『骨董市で買った』と仰ってたものが何点かあった。
骨董市っていう言葉が出ると、最初は「ほぉ~~~」っていう声が挙がってたんだけど、徐々に会場がドッと沸いたりして。
「え? なんで今みんな笑った???」
前にこのブログでも書いたように、36代庄之助のトシちゃん親方や40代伊之助氏が、印籠は、自分で骨董市に出向いて探す。譲り受けるものもあるだろうけどね。と仰ってたから、骨董市って行司さんとの繋がりが深いものだと、ごく自然に思ってたけど…
しばし考えた……んだが、分かったぞ!
あの感じだと、たぶん「容堂先生が異様に骨董市が好きな人」みたいな感じになってたね!?
それはそれで成り立ちそうな気がする、品格すさまじぃ容堂先生です。ちなみに、本当のご趣味は落語を聴くこと とのこと。
今回のイベントでは、贅沢なことに相撲字実演もあって、目の前で実際に容堂先生が色紙に文字を認めてらっしゃるのを見ることができたのが、本当に感動モノでした。
その場で行った抽選に当たったお客さんのリクエストした文字を色紙に書いてくれるっていう感じだったんですが、何をリクエストされてもサラサラとお書きになる容堂先生に、チロデスが横から「薔薇とかもいけます?」「蜂窩織炎とか」 と、たいそう楽しそうに聞くwwwww
さすがですね、これぞチロデスのなせる業。やっぱインタビュアーってめっちゃ大事ですよね。チロデスじゃなかったら、絶対こんな和気藹々、楽しいイベントにはならなかった気がする。
ちなみに容堂先生のご回答は、「書けないですね。なったことないんで」
なんだこのお二人、まじ好きすぎるんだが。
容堂先生もさ、めっちゃクールなのに、装束脱いだらなんかもうほんと癒し系というか、かわいい風貌(それでいてお洒落)になっちゃうから、脳が混乱するんですよ。※怒られろ
でもね、容堂先生のあの声のトーンとか、お話の中で垣間見えた他人との距離の取り方とか、なんか個人的にすごくしっくりきて、とても心地よかった。時折ふと笑顔を見せて下さることもあり、お話の一つ一つを聴くたびにファン度が増すというか、敬意がまた一つ深くなってゆくというか、ほんとうに格好良い行司さんだなぁ… って心から思った。
ちなみ、当日チロデスが読み上げてくれた「巡業にご帯同されるようになっての感想はいかが?」「声掛けてもいいモノです?」ってのは、私が思い付きで書いた質問である。あれが採用されるとは思わんかったよありがとうwww
…で。
容堂先生…?
いま、『構わないよ』と仰いましたね?
た・し・か・に、仰いましたね? フッフッフッ…
いや…勿論、追っかけにはなるつもりなんかありませんけども…笑
声をかけられるのがあまりお好きでない方もいらっしゃるだろうなと思っての質問だったが、容堂先生はおっけーとのことです。
\\ 誰か、勇気ある人ー! //(他力本願)
裏方ファンだっているのですよ。
巡業=裏方さんのご活躍を、何にも遮られずに堪能できる機会。
私はわりと巡業行くけど、声を掛けに行くのはもっぱら裏方さんのところ。気さくな力士さんが折角声掛けてくれたのに、ビクゥゥッってなって、愛想笑いして逃げるように去る… そしてまた片隅から、せっせと動かれる裏方さんを目で追う…。ごく少数派かもしれんが、そういう人だっているのです。
巡業でお見掛けする他の行司さん方は、お仲間とすっごい笑顔で談笑してたり、サインお願いしたらニッコニコで対応してくださったりと、「え?こんなに優しいんだ!」って思う(知る)機会があるものの、容堂先生におかれては全くのヒント無し。表情変わらず、声のトーン変わらず…な容堂先生。どうお考えなんだろう… って思ってた。
だから、声掛けてくれて構わないよ。って言ってくれたことは、ほんとうれしかったな。実現するかは別として(私の勇気の問題)。いやー…でもあと2年ちょい以内に、何とか勇気を出さないとなぁ。
それにしても、容堂先生から「それもファンサービスですから」と、とんでもなく有難い一言をお聴きできるなんて。すぐに「まぁ、そんなこと言っても誰も来ないですけど」って笑ってらっしゃったが何を仰る!ご油断では詰め寄られますぞぇwwwww
私にとっちゃこれ以上ない幸せな情報が舞い込んできた、素敵な1日になりました(*´ω`*)
というわけで。
終始惹き込まれっぱなしで、本当にあっという間の1時間半でした。
こんなに素敵なイベントを企画・準備してくれた皆様に、そして容堂先生に心から感謝申し上げる。
容堂先生とご一緒したい!とは、チロデスのリクエストだったそう。チロデス、本当に本当にありがとうございます。
ってかさ。
容堂先生が番付書きを要之助さんにお譲りになって以降、容堂先生へのインタビュー記事が立て続けに出てない? どす研だってそう。みんな容堂先生にお話聴きたかったんじゃん! ね!?
ってなわけで。
大盛況のうちに終了したトークイベントについて、ちょろっと書いてみました。
こうして、容堂先生のお話を聴ける機会が、これまでよりもちょっぴり増えているのが嬉しい限り。本当、幸せです。この上ない誕生日プレゼントになりましたわ、感謝だ。
場所中でなくたって、今日も番付発表。いつ休まれてるのか不思議でしょうがない行司さんですが、どうか来場所も元気いっぱい、ぶっちぎりカッコいいお姿を魅せ付けていただきたい!応援しまくりますよ。
最後に。
「土俵上、動揺することはないんですか?」というチロデスの質問に対し、
「無いです。自分が一番落ち着いていなきゃいけないので」と、即言い切っていた容堂先生がとても印象的で、本物の行司さんの物凄い覚悟が風となってふと舞ったような感覚に、ちょっと泣きそうになった。
【容堂先生ってどんな方なんだろう】
やたら面白おかしく語ろうとするのではなく。
声のトーンや表情をあまり変えずに、大切なことは大切だとブレずに言い切り、でも所々で面白いことも言ってくれる…。 この人のお話、もっとずっと聴いていたい。と自然と思ってしまうような、とても素敵なお方でした。容堂先生のファンでいれば、大切なことはそのお姿やお言葉から学べる。みたいなさ笑
ちきしょう!カッコ良すぎんだよ!!!
ちきしょう!!
次回は、ほんの少しだけど写真も載せられたらな。
と思ってます。
以上!!!!!