河西は今走っていた。
後ろから、大切な友人 板野の声が聞こえてくるにも関わらず
それに目もくれず駅の階段を駆け上がる。
今日だけで、沢山の事を体験しすぎて
河西は石田同様、疲労感に溢れていた。
そのため普段ならば簡単に登り切るであろう階段も苦戦なものだった。
やっとの思い出階段をかければそこは改札口。
もちろんのことPASUMOはもっている。
腰にあるはずのウエストポーチに手をやる。
けれど手につく感触はザラザラとした安っぽいウエストポーチのイメージとは対照的に
自分の服をかすめるばかりだった。
ふと河西派気付く。
さっき板野に会ったときに
河西は1人ぼっとしていた。
のんびりするのには腰をしめつけるウエストポーチなど慣れていないものは
とてもというほど苦痛なもので、
ウエストポーチは外したままおいてきていたのだ。
河西は焦って仕方なかった。
けれどここにもう正気は居ない
ならばいいだろう。
河西は正義感よりも誰かを優先したのだ。
後で後悔につながることを知るのはただ1人。
「智ってば・・あたしたちのこと監視してる人、いるんだよ?」
板野友美は、
初め、河西を監視員に見つかったらいけないと思いよびとめたが、
その行為を繰り返すと自分にも害が加わるのではないか
そう考え、河西をとめるのはやめた。
指原だって分かる叫び声は確かに板野の心も動かしていた。
けれど、板野には河西しかいなかった。
けれどその河西までもが
本当の正気をいうものを失っている。
いいや、その正気を失くしたのはあたしなのかな。
ふと、空を見上げれば
思いだすのは1期生、一緒に頑張ってきたメンバー達。
ついさっき、とも達が何をやってるかも知らないたかみなからメールがきた。
内容はどんなんだっけ覚えてない
んーん思いだした。
確かね、同じオリメン、1期生なの。
そのオリメンのメンバーは人数が足りなくなった3期生チームBにいって・・・
渡り廊下走り隊の・・・
そうだ、思いだした。
なっちゃん
平嶋夏海ちゃん。
もう1人は
同じチームのよねちゃんってよばれてるこ。
米沢瑠美・・だった気がする。
その2人が禁止条例を破ったとかなんとか。
ひどいなんて思わないでね?
ともはいまそんな場合じゃないんだよ。
まず、
え?
なんでその2人だけ
今はみんな狂ってるんだからその2人がそうなるのも・・
あ、そういえばAKB内でこんなうわさ、前あったっけ
”なっちゃんとよねちゃんは今フリー、2週間前までは彼氏がいた”とかなんとか
もちろん信じてなかったけど、
それが本当なら狂ってる他のメンバーよりは罪が重い。
空を見ながら想ってれば
涙が頬をつたう。
本音はいつも心の中で。
(・・なっちゃーん・・・・・・)