壊れたドアから部屋の前に立つ人物。
仁藤は誰か分からないこの人物に絶対目を会わせるものか
そう思った。
けれど、それは驚きの方向へと向かう事になる
「・・萌乃・・・・・ちゃん・・・・・!?」
1人の男はそう言った。
荒荒しいけど大きな声、すぐに仁藤は誰か分かった
”この人はいつも劇場にきている”
握手会にも何度もきていて
DDと名乗るのだ。
だからいつでもコールはこの男の声が目立っていた
「っ・・私は貴方を見れません・・・・・だって・・貴方も・・」
仁藤は正直応援してくれるファンを裏切るのが怖かった
あんなに勢いよく扉を壊すのだ
それもそのはずだった
男は隅で気絶している状態に近い石田に気づいていない。
もしこれで石田が起きてしまったらどうしよう
さっきまであんなに自信があった仁藤だったが
石田は強かった
きっと時期に目を覚ますだろう
そう感じていたのだ
ならば男が石田に気づく前に
自分が犠牲になればいいのでは?
仁藤は仲間をかばった
研究生を見捨てた石田とはいとも対照的に。
「僕はまだ狂ってません。けど・・仁藤さん、きっとあなたと目があったら終わりなんです。今すぐ仁藤さんを逃がしたい、けど体がどうも言う事をきかなくて・・」
仁藤はこんな言い訳するような男の気持ちを十分と分かっていた。
なぜならさっきから仁藤もこの男と同じで、ずっと異性と同じ部屋にいるせいか
もう逃げたいとも思わなくなっていた
むしろ体が逃がしてくれないだろう。
仁藤は自分に負けたのだ
最後まで仲間に犠牲を払い続け。
まっすぐと男の瞳を見る
次の瞬間、仁藤は男の瞳にやられたのだ。
けれどまだ意識が少しでも残っていた仁藤は
石田が起きた時混乱させてはいけない
そう思い壊れたドアの部屋から出た。
正気が無くなる前に
一瞬分かった事は
部屋の向こうには愛し合うチームKのメンバーと男達。
それと同時に目立たない場所でうずくまる小さな背中が見えた。
そこで仁藤は自分を失った。
日本ではテレビすら映せない状態となっていた
アナウンサーとカメラマンが目を合わせてしまいそこからはもう正気を失う。
だけど1局だけ少し流すことができたのだ
それは銀座駅の狂った人々が愛し合う姿
この姿を見ているものはきっともうほとんどいない
なぜなら日本中はみな、愛し合い狂っているのだから。
そして 指原莉乃 峯岸みなみ 高城亜樹。
皆さんは覚えているだろうか
このメンバー達が見た光景、そしてどこへ向かったかという事を。