指原はこの時、かなり気が動転していた。
高城は目の前で男と愛し合い、
峯岸は気を失ったまま。
そして、さっき指原が倒した男は、いつまた目覚めるか分からない。
それだけの恐怖に襲われている中、
指原の携帯に1通のメールが届いた。
携帯の着信音だけでもびくびくする指原だったが、
すぐに携帯を開き送り主をみると、今日一番指原は驚いた。
それは、 河西智美だったからである。
指原と河西は特別深いかかわりはなかった。
ただ同じチームYJであったこと。
そこから仲良くなった、それだけだった。
そして頻繁に話すわけでもないし、
ましてやメールはしない。
そんな河西からのメールに指原は何か脅迫ではないのか、
そう一瞬考えてしまったが、
この事態に、そんなことはありえない。きっと寂しがりやな河西は1人で怯えているのではないか。
そう思う事にした。
そしてついに内容をみる。
短いものだったが、
指原はさっき以上に驚いた、というよりも
疑問形にちかかった。
だってその内容は
指原に謝る言葉だったから。
(え・・?指原、ともーみちゃんに何かされましたっけ・・・!??)
ふつふつとふくれあがる疑問の嵐。
それと一緒に何か気配も感じる。
しゃがみこんでいた指原に見えたのは、
少し前まではずっとといってもいいほど見て来ていた
男性の靴。
(もう起きちゃったか~。)
指原はふと思うと
またすぐに、男性をおしたおそうと頑張る限りだった。
けれど、さっきまでの余裕なんて指原にはなかったのだ。
男性は、無理矢理顔をつかみ、
目と目を合わさせようとしてくるのだ。
「ふっ・・ぐぐぐぐぐぅ」
指原は絶対にみまいと目を逸らす。
けれど男性の力は強かった。
あごがおれてしまうのではないか、
おでこの骨がまがるのではないか、そんな疑問が生まれるほどだった。
指原の手にあった携帯電話が地面へと落ちる。
パリンと耳をふさぎたくなるような音と共に。
顔をつかまれて、苦しいがままの指原は携帯画面を見た。
指原にとっては
あまりにも見たくない光景であった。
「き・・・・きゃぁあああああああああああぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」
指原は叫んだ。
その声はあまりにも反響するものだった。
峯岸は耳をふさぎ小さく唸りながら起きだし、
男性はまた大きな声で唸ってから倒れた。
一体指原は何で叫んだのだろうか。
この叫び声を聞いて
心がゆらいだ河西智美には、
どんな理由だったのか、知る由もなかった。
キラキラのイルミネーションと人込みの中
宮澤佐江は1人歩いていた。
(さっきのって・・智だよね。)
宮澤は、さっき黒ずくめであまりにも
普段とは対照的な河西の姿を見ていたのだ。
宮澤が考え事をしている途中。
前から凶器のように狂った
男性が走ってきた。それも露出狂。←
宮澤めがけて走ってきた。
宮澤は思わず目をぎゅっとつむる。
すると男は宮澤の前で
ぴたりと止まり、
宮澤をじっと見てから、ふっと鼻でけなしてから、
また走っていった。
何が何だか分からなかった宮澤は、
さっきの露出狂をまた見た。
するとその露出狂は、
宮澤とは対照的ないかにも女の子らしい姿の
女性を襲おうとしていた。
当然宮澤は助けようとした。
けれど宮澤の前には、愛し合う女子大生と老人が道をふさぐ。
(は!?)
宮澤は、その時に気付いた。
周りを見渡すと
そんな不自然なカップルで出来あがっている。
何故かこの時異常に気付けなかった宮澤は
自分だけが浮いていると思い走って逃げだした。
この30分後には、
大切な人が同じ場所へやってくるなんてこともしらずに。