魔法48学園、ここには沢山の見習い魔法使いが通う
一人前の魔法使いになる為に修行するのだ
ずっと昔にあったこの世界、
あなたは信じますか・・?
「Msオーシマ!!また貴方ですか!?」
理科室のフラスコからはもくもくと黒い煙がたちあがる
煙はやがて消えるとそこからは汚れた顔で苦笑いをする見習い魔法使いが顔を覗かせた。
「・・ごめんなさ~いっ!ケフッゴホッ・・・・ゴホゴホッ」
彼女がおおきな咳をすると口からも黒い小さな煙がもくもくと。
その光景を見て見習い魔法使いたちは一同笑い始めた。
「ユーコってばまたぁ?」
大きな声でのんきに髪をくるくるといじりながら尋ねるのはコジマハルナ。
彼女の仲の良い友人の1人だ
どうやら彼女の名前はオオシマユーコ
好奇心おおせいで皆を笑わせるのが何より好きな見習い魔法使いだった。
「ユーコのミスはいつも通りだよね~!にしても優子髪の毛がこげてるよ。」
ユーコの隣で笑うボーイッシュだけど誰より眩しい笑顔で笑うのはミヤザワサエ
サエもまた、ユーコの大切な友人の1人だった。いや、彼女は心友とよんでもいいだろう
それほどユーコの信頼できて大切な仲間だった
「Msオーシマ!!!今日も居残りですよ!それでは授業を終わります。きょうつけ、礼。」
先生がおじぎをすると皆もいそいでお辞儀をする。
そして先生が居なくなってからのユーコの嘆くような声。
「ううぅぅううぅ~そぉおおおぉぉだ~ろぉおおおぉ・・・」
ユーコは机に顔をふせる
周りにはたくさんの友人が集った
「ユーコ!元気だしなよ!!いつもの事だろー?」
「・・いかつい声。サヤカだなー」
ユーコは顔を伏せたままぽつりとつぶやいた
そしてみるみる呆れた顔に変わるアキモトサヤカ
人間界の生物で表すとゴリラ、そう先生に言われてからゴリラとはやしたてられる彼女
ゴリラがどんな生物か知らないサヤカはますます熱血にゴリラについて調べていた。
未だに魔法48学園の生徒はゴリラがどんな生物か知らないのは事実だ。
「おいユーコ!!!誰がいかついだよっ!―――」
「サヤカも一緒にいのこりしてくれるならゴリラなんて言わないけど?」
まだ顔を伏せたままのユーコに比べて
しまった とでも言いたそうに顔をゆがめるサヤカ
サヤカはしばらくの沈黙をおいてから仕方ないと溜息をついて
ユーコの頭をぽんとたたいた。
「ったく・・今回だけだぞ!・・って昨日も言ったような・・・・――」
「やーったぁ!!!!サヤカさんきゅ!」
サヤカの危ういながらもの返事を聞くと
さっきの1つトーンが下がった声とは対照的に
いつものトーンの上がった声に戻るユーコ
そしてすぐに顔をあげ
勝利の微笑みとガッツポーズ
その憎めない笑顔と明るさで彼女の周りには
人が多かった。
「ユーコ・・!あんた実験失敗しすぎ!」
呆れながら黒い髪をほどくのはユーコの居残りに
強制的に付き合わされたサヤカ
「いやぁ~・・さすがに時間かかりすぎだよねーっ・・」
さすがにユーコも焦りの笑みを浮かべながら
大通りの時計台を見る。
時刻はすでに6時を廻っていた。
それもそうだろう、空はすでに暗くなりカラスの声も聞こえなくなっていた。
「ユーコってば本当に一人前の魔法使いになる気あんのかよ~ このままじゃ皆とどんどん差つくよ?」
サヤカはさっきとは違う呆れた苦笑いをし
”もう6時だ”と呟いた。
「う゛・・・分かってるけどさ~やっぱりあたしは人間界に行きたーい!」
大声でそう叫ぶユーコにサヤカは慌てて
自分の唇に人差し指をあてて目をぎろりと見開かせた
「しーしーっ! ユーコ!!人間界に行きたいなんて国王さまに聞かれたらどうするんだよ!」
慌ててユーコも自分の口を手で押さえる
国王さまとはここ、魔法界の天皇の様な者だ。
誰よりも市民をよく考えるが
誰よりも人間界を心の底から避けていた
なので人間界の話、ましてや人間界に行きたいなどの発言は
国で罰しられていたのだ。
「もー最近失敗ばかり・・だけど・・・やっぱり魔法界で魔法使いになる修行なんてしたくないよ・・・」
ユーコはいつものように本音と弱音をサヤカに吐いた
そして深いため息をつき肩をがっくし落とす
そんな時サヤカは自分が何も案をだせない事を情けなく思って
何も言わずユーコの背中をぽんっぽん、と優しくなでる
ユーコはそんなサヤカのありがたみをこの時感じるのだった。
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家に帰ってくると、ユーコは魔法携帯でよくメールをする。
今日の帰り道、感じたことを相談しようとしていたのだ。
迷いに迷った結果・・
(よし、トモなら相談にのってくれるよね!)
”トモ、あたしね人間界に行きたいの・・・”
思い切ってメールを送信する
不安に思いつつも携帯を握りしめる。
返信が哀しいものだったらどうしようと不安におちいるのだ
だけどユーコが信じた相談者カサイトモミ
返事はあっさりと返ってきた
”ユーちゃんがそうしたいならそうすればいいよ♪トモは応援してるょ?”
(だからトモはすきなんだ)
ユーコは友情という名の絆に心をふるわせた
こんなにも快く自分の勝手な思いを許してくれる仲間がいる
ユーコはいつものカバンを肩にかけ
外へ飛び出した。
(・・人間界へ、人間界へ行くんだ!!認めてくれてる人がいるならば、人間界なんてちっとも怖くない!国王さまのお忍びだ!!)
そう心の中で叫びながら走るユーコだったが
ずっと走り続けてある事に気づいてしまったのだ。
「あれ、・・人間界って・・・・どうやって行くのかな・・・・・・・・。」
つづく