私がこれから書こうとする、この奇怪だが何のうそもない物語は、おそらく読者には信じてもらえないかもしれない。じっさい、私自身でさえ、なかなか信じられないのだから、人に 信じてもらおうというのは、気ちがいざたなのだ。しかし、私は気ちがいでもなければ、夢をみているわけでもない。
私はあすは死ぬだろう。だから、せめてきょうのうちに、胸の重荷をおろしておきたいのだ。とにかく、起こった出来事をありのままに、何の説明もせず、世間の人びとにお話ししよう。その出来事は、私を恐怖のどん底につきおとし、私を死ぬほど苦しめた。でも私は、そのことをくどくどと説明するつもりはない。私にとって、その事件は、恐怖以外のものではなかった――― しかし、世間の人びとには、ばかばかしい話とうつるにちがいない。そして、 私の身に起こった悪夢のような事件を、ごくありふれた、つまらない出来事というかもしれない―― それでもいいのだ。私は、話すべきことを、物語ろう。
私は、ちいさいときから、おとなしくて、やさしい性質の子どもと思われていた。というより、あまり気がやさしすぎるというので、友だちにからかわれるぐらいだった。とくに動物が好きで、両親があまかったので、いろいろなペットを飼ってもらった。私は毎日ほんとうに、妻がそう思っていたかどうかはわからない。きっと、そうではなかったのだねこ猫の名は、プルートーといった。
すは、私の大のお気に入りで、遊びあいてだった。えさも、たいてい私がやったし、 私の行くところには、家じゅうどこへでもついてきた。外へでるときも、ついてこようとして、それをとめるのが一苦労だったぐらいなのだ。そうしているうちに、何年かがすぎさった。ところが、そのあいだに私は、いつからか大酒飲みになり、そのため、性質がすっかり変わってしまったのだ。私はおそろしく気むずかしく、そしておこりっぽくなり、他人の気持ちなど、まるでおかまいなしになっていった。妻にも、ひどい悪口をいうようになり、さいごには、暴力をふるうようにさえなった。かわいがっていたペットたちにたいしても、もちろん、ひどい仕打ちをするようになった。動物たちの世話をしなくなっただけではない――何かというと、けとばしたり、なぐったりして、虐待するようになったのだ。
けれども、プルートーにたいしてだけは、さすがの私も、まだそこまではしなかった。しかし、大酒飲みがいっそうはげしくなってくると、やがて私は、そのプルートーにさえ、つらくあたりはじめたのだ。 ある晩のことである。いつものように、町の酒場から、ひどく酔っぱらって帰ってきた私は、ブルートーが、私をさけているような気がした。じつはブルートーは、もうだいぶ年をとり、かなり気むずか
しくなっていたのだ。でも、酔っている私は、かっとした。「こいつめ、主人にむかって !」そういうと私は、いきなり猫のえりくびをひっつかんだ。猫は、びっくりしたとたんに私の手首にかみついた。たちまち、悪魔のようなすさまじい怒りがのりうつった。もう、自分がわからなかった。生まれつきのやさしい気持ちは、どこかへけし飛んでしまい、酒のために燃えあがったにくしみが、全身にみなぎった。
私は、チョッキのポケットからナイフを取りだすと、刃を立て、プルートーをおさえつけでおいて、片方の目を、えぐりだしてしまったのである。
その、おそろしい残虐行為のことを思いだすだけでも、私の顔はまっ赤になり、からだには熱と身ぶるいがでてくるのを、おさえることができない。 その夜は、そのまま、酔いつぶれて寝こんでしまったが、一晩あけて、正気をとりもどすと、私は、自分のおかしたおそろしい罪に、はげしい後悔と、恐怖心のいりまじった気持ちをおぼえた。しかし、それは、ごく気まぐれな、よわよわしい気持ちにすぎなかった。やがて私は、また酒におぼれて、そんな気持ちは、すぐに忘れ去ってしまった。そうこうするうちに、猫の傷は、だんだんなおっていった。目をえぐりだされたあとはぺこんとへこんで、見るもおそろしい顔つきになっていたが、痛みはすっかりなくなったようだった。猫はまえと同じように家のなかを歩きまわっていたが、さすがに、私が近づくと、 ひどくおびえて逃げて行ってしまった。 まえにはあれほどなついていた猫が、こんなにはっきり自分を嫌っているのを見ると、ちょっと悲しくなった。まえのやさしい気持ちが、まだこの頃には、少しは残っていたのだ。 しかしそれも、やがていらだたしさに変わった。いらたちは、さらに、意地の悪さ、強情さに変わっていった。この気持ちが私を、取りかえしのつかない破滅へと追いやったのだ。強情さ―― それは、人間の心の奥にひそむ原始的な衝動である。してはいけない、と思えば思うほど ―― いやむしろ、それだけいっそう、してはいけない愚かな行動をしている人間は、世間にどれほどたくさんいるかわからない。そしてじっさい、私が、罪もない動物をさらに虐待し、ついには殺してしまったのも、この、自分ではどうにもならない強情さのためだったのである。 そうだ。私は猫を殺した。私は、平気な顔で、猫の首になわをかけ、木の枝につるしてしばり首にしたのである!心のなかで、私は泣いていた―――胸のなかでは、「こんなことをしてはいけない、なぜ 9 罪もない動物を殺すのだ」とさけんでいた。それなのに私は、どうしても、やりかけたことをやめられなかった。たぶん私は、私に何ひとつ悪いことをしていないブルートーを、むごたらしい死刑にすることによって、慈悲ぶかい神のおゆるしさえもとどかないようなおそろしい罪のなかへ、自分自身をおとしたかったのだろうと思う。 この、世にもむごたらしい死刑をやってのけた日の夜のことである。ぐっすり寝こんでいた私は「火事だ!」というさけび声に、はっと目をさました。見ると、ベッドのカーテンが、火に包まれている。「たいへんだ!」私はとびおきた。家じゅうに火がまわっていた。私と、妻と召使いは、命からがら、燃える家のなかから逃げだした。ほんとうの丸焼けだった。私の財産は、すっかり灰になってしまったのだ。私は絶望した。けれども、この不幸な出来事と、あの猫のむごたらしい死刑とのあいだに、 何かの関係があったなどと思うほど、わたしは迷信ぶかくはない。だからこれから書くことは、まったくの事実で、けっしてつくり事でも何でもないのだ。 火事のあくる日、私は焼けあとに行ってみた。家の壁は、一か所だけをのこして、みんなくずれ落ちていた。焼けのこったのは、家のまんなかにある、あまりあつくもない仕切りの壁で、私のベッドの頭の部分があたっていたところだった。まったく、よくここが、あのものすごい火に耐えたものだ。たぶん最近ぬりなおしたばかりだろう。そう思って見ると、そこにはたくさんの人達が集まって、何やら口々にしゃべりながら、壁の一部を見ている様子だ。「不思議なことがあるものだな!」「いや、まったく、おかしな話だ。」人びとが、そんな事を言っているので、私は好奇心をかりたてられ、行って見ると………どうだろう!その白い壁にまるで浮彫りしたように、巨大な猫の姿が浮き出していたのだ。その姿は、驚くほど正確だった。そして、猫の首には、縄が巻き付いていたのである!はじめ、この幽霊を………そうとしか思えなかったのだ………見た時の、私の驚きと恐れとは、口でも文字でも言い表せない。しかし、やがて私は落ち着きを取り戻し、冷静に考えることができるようになった。ブルートを縛り首にした木は、家に続いた庭だった。火事だ、という声とともに、庭は野次馬でいっぱいになった。
おそらく、そのうちの一人が、猫の縄を切って、開いていた窓から、私の部屋へ投げ込んだに違いない。多分それは、私の目を覚まさせるためにやったことなのだろう。そしてそこへ、別の壁が崩れてきて、猫の死骸を、ぬったばかりの壁におしつけた。そのため、死骸からでたアンモニアと、ぬりたてのしっくいの石灰と、つよい火とが作用して、こんな浮きぼりをつくったにちがいない。こんなふうに考えて、いちおうなっとくしてはみたが、やはり良心のいたみをなおすことはできなかった。私はつよいショックを受け、それから何か月ものあいだ、猫のまぼろしに悩まされた。そして、そのうちに、私は、猫を殺したことを後悔するようになった。殺した猫のかわりがほしくなってきた。それで、よく行く酒場などで、ブルートーと毛並みの似た猫はいないかと、探したりするほどになったのだ。そんなある晩のこと、私はきたならしい酒場で、いつものように酔いつぶれていた。そしてふと、酒の大だるのうえに、何か黒いものがうずくまっているのに気がついた。私はそばに近寄って、さわってみた。 黒猫だった。それも、大きさといい、毛並みといい、ブルートーにそっくりなのだ。ただ一つちがうところは、ブルートーは全身に白いところは一か所もなかったが、この猫は胸のあたりに、ぼんやりした白い斑点のあったことだった。私が手でさわると、猫はすぐに起きあがり、ごろごろのどをならしながら、からだをこすりつけてきた。「これだ。この猫がいい。」私はそう思うと、さっそく、酒場の主人にその猫をゆずってくれ、と交渉した。 「いや、そいつはうちの猫じゃねえ。いままで、、見かけたこともねえですよ。」主人は、答えた。
私は、なおもしばらく、猫をなでてやってから、帰りかけた。すると猫は、ひらりと立ってついてくる。私は、ときどき立ちどまって、猫が追いつくのを待ってやった。そして家へついたのだが――― 猫はそのまま家にいついてしまった。 妻も、この猫が、すぐ気にいったようだった。だが・・・・・・やがて私は、心の奥底で、この猫をつれてきたことを、後悔するようになった。 なぜかはわからないが、猫が自分になついているということが、たまらなくいやになったのだ。この気持ちは、やがて、つよいにくしみに変わってきた。私は、猫をさけて歩いた。とくに私ががまんできなかったのは――この猫の目だ。それは、ブルートーと同じように、片目がつぶれていたのである。 けれども、妻は、そのためかえって、猫をかわいそうに思ったらしく、まえにもまして、 かわいがるようになった。それを見るにつけても私は、ますます、この猫がいやでたまらなったのだ。それでも、私は、猫に暴力をふるうことだけは、しなかった。ブルートーのことを思いだすと、それだけはとてもできなかったからだ。ところが、私が嫌えば嫌うほど―― さければさけるほど、猫はいっそうしつこく、なれなれしくしてくる。私がどこにすわっても、かならずやってきて、椅子のしたにうずくまるて、からだをこすりつけてくるのだ。 ひざのうえに飛びのってくる。そして、 立ちあがって、歩こうとすると、足のあいだにもぐりこむので、あぶなくころびそうになったこともあった。するどい爪で、服のうえによじのぼってくることなど、しょっちゅうだった。そんなときは、私は、なぐり殺してやりたい衝動にかられた。けれども、ようやくのことで思いとどまったのは、さっきもいったように、二度とプルートーのときのようなことをくりかえしたくないという気持ちがあったためだが、それに加えて、この猫が、だんだん恐ろしくなってきたからだった。どうして、猫がそんなにこわくなったのか――じつは、はっきりした理由がある。それは、人によっては、じつにくだらない妄想のように聞こえるだろう。じっさい、こう 3 して牢獄につながれているいまも、それを認めるのは、はずかしいのだ。しかし、いわないわけにはいかない。その猫と、殺したプルートーとの、ただ一つちがいが、のどのあたりの白いぼんやりした 斑点だということは、まえにも書いたはずだ。その斑点が、しだいしだいにはっきりしたかたちをとってきた――― そして、考えるだけでも恐ろしいある物のかたちになってきたのだ。
いまやその斑点は、絞首台そっくりのかたちに見えていたのである!
私が、その猫をにくみ、恐れ、できることなら殺してしまいたいと思ったのも、当然ではないだろうか?私はみじめだった。とても、がまんができないほど、なさけなかった。たかが猫が、人間さまである私に、こんな苦しみを与えるとは! しかしその苦しみは、ほんものだった。私は、夜も昼も、ちっとも休めなかった。しかもその黒猫は、昼間のあいだ、私のそばにべったりとへばりついているのだ。そして夜は口に だしていえないような恐ろしい悪夢にうなされ、ほとんど一時間ごとに目がさめる。目をさますと、あのにくらしい猫の、いやらしいあつい息が私の顔にかかる――猫は、私の胸のうえで寝ていて、その重みが、ずっしりと私の心臓をおしつけているのである!こうした苦しみにおしつぶされて、私の心に残っていた、わずかな人間らしい気持ちも、 とうとうなくなってしまった。私は人をのろい、世の中をのろって毎日を暮すようになった。 いつもの気むずかしさは、いっそうはげしくなり、何かを見たり聞いたりしただけで、かっと腹を立てるようになった。そしてこの、おさえようもない怒りの発作の犠牲者になったのは………………ああ、何ということか、何の不平もいわずにがまんしてきた、私の妻だったのである。ある日のことだ。私たちはその頃、貧乏になったため、やむなくふるいきたない建物に住んでいたが、用があって、地下室まで、妻といっしょに階段をおりていった。 そのとき、あの猫が、私たちの後を追いかけて、急な階段をかけおりてきた。そのため、 私は足をとられて、あぶなく、まっさかさまに落ちそうになった。「こんちきしょう!」私は、怒りにまかせて、ちょうど持っていた斧を、力まかせに猫をめがけてふりおろした。 もし、思いどおりになっていたら、猫はその場で死んでいただろう。「あなた、やめて!」妻がさけんで、私の手をとめたため、猫はすっとんで逃げていってしまった。「よけいなことをするな、このばかが!」私はさけびざま、妻の手をふりはらうと、ものすごい、悪鬼のような怒りにかられて、妻の頭めがけて、斧をふるくったのだ。妻は、うめき声もたてず、即死した。もう、後悔しても、手おくれだった。私は、さっそく、死体をかくしにかかった。しかし、昼間でも、夜でも、死体を、人目につかないように家から運びだすことは、とてもできない。
私は、落ちついて、いろいろな方法を考えた。(死体を、こまかく切り刻んで、燃やしてしまおうか?それとも、地下室に穴を掘って埋めようか?) しかしそれは、うまくいきそうになかった。 (それでは、庭の井戸に投げこもうか? でなければ、ふつうの荷物にみせかけて箱につめ、 荷づくりして、人夫をやとい、家から運びださせようか?) いろいろと考えたすえ、私は、そのどの方法よりもすぐれた、すばらしい方法を思いついた。死体を、地下室の壁のなかに、ぬりこめてしまうという計画である。これに思いついたのは、読んだ本のなかに、むかしの中世の坊さんが、犠牲者を壁のなかにぬりこめた、ということが書いてあったからだ。 地下室は、その目的のためには、じつにぴったりの構造になっていた。おまけに一方の壁には、まえに煙突か暖炉だったところを埋めたでっぱりがあった。 (ここのレンガを一度とりはずして、なかの空洞に死体をおしこみ、またもとのとおりに壁をぬってしまえば、だれにもわからない。仕事だって、かんたんだ。) そう考えた私は、さっそく計画の実行にかかった。私の考えにくるいはなかった。レンガは、かなてこで、かんたんに取りはずすことができた。そこで、死体を、そっと空洞のなかへ入れ奥の壁にもたせかけると、またもとのようにレンガを積みかさねたが、ほとんど、大した苦労はしなかった。そのあと、モルタルと、砂と、つなぎの毛を手に入れて、しっくいをこね、レンガの上から、丁寧に塗った。すっかり仕上がったときには、
立派な彫刻でもほりあげたときのような、素晴らしい満足感を覚えた。壁は、少しもいじったようには見えなかった。私は、床に散らかったゴミを、注意深く拾い集めると、得意になって、独り言を言った。「どんなもんだい!これで、骨をおったかいはあったぞ。」次にやるべき事は決まっていた。この騒ぎを引き起こした、あのにくい黒猫を探すことだった。私は今や、あの猫を殺さなければならないと、かたく
決心していた。だから、見かけさえしたら、たちどころに息の根をとめていただろう。ところが、ずる賢い動物は、私の恐ろしい勢いに恐れたのだろう、どこにも
姿を見せなかった。猫は、その夜一晩中、チラとも姿を現わさなかった。けれども
私は、あまり腹は立たなかった………というよりも、心の底から安心した。私は、猫が家へ来てからはじめて、グッスリと、安らかに眠った。二日目が過ぎ、三日目が過ぎたが、猫はやはり現れなかった。私はほんとうに安心した。自由な人間にもどった気持ちがした。 (あいつは、こわくなって、この家から永久に逃げだしてしまったにちがいない私は、。ありがたい。もうあいつを、二度と見ないですむのだ!)
そう思うと、私は、幸福さえも感じた。良心は、すこしもいたまなかった。
警察がやってきて、私はいろいろ訳問された。しかし、ごくかんたんに、ごまかすことができた。警察は、家じゅうをしらべた。しかし、もちろん、何ひとつあやしいものを発見することはできなかった。(もうだいじょうぶだ。ぜったい見つかることはない。) 私はそう考えた。ところが、四日めになって、とつぜんまた警察がやってきた。そして、きびしい家宅捜索をした。しかし、ぜったい見つからないという自信があったから、私はすこしもおそれず、あわてもしなかった。私は、警官に命令されて、捜索に立ちあった。家のなかは、それこそすみずみまでさがされた。
地下室も、三度も、四度もしらべられた。しかし私は、顔色も変えなかった。
心臓も、ぐっすりと安らかに眠っているもののように、おだやかに打っていた。私は地下室を、はしからはしまで歩きまわった。腕ぐみをして、ゆったり、落ちついて、警察たちについて歩いたのだ。とうとう、警官たちも、なっとくして、帰りかけた。警官たちが、地下室の階段をあがりかけたとき、私はとうとう、がまんしきれなくなった。たとえひとことでもいいから、何かいってやって、私の勝利をいわいたかった。そして、私の無実を、いっそうはっきりさせてやりたかったのだ。
「みなさん。」と、私は、警官たちに声をかけた。「これで、疑いはすっかり晴れたでしょう? いや、こんなにうれしいことはありませんね。みなさんの健康をおいのりしますよ。しかし、これからは、もうすこし礼儀をわきまえて、こんなまちがいをしてほしくないものですね。」 私は、ただもう、何かをしゃべりたくてしかたがなかったのだ。「ところが、どうです、この家は、じつによくできた家だとは思いませんか。」 私は、自分で何をいってるかもわからずに、つづけた。
「たとえばこの璧ですよ。どうです、この壁の、しっかりできていること。おや、もうお帰りになるんですか。それは、ざんねんですな。」そういいながら、私は、妻の死体をぬりこめた部分のレンガのうえを、持っていたつえで、 どんどん、とつよくたたいたのだ。ああ、神よ! その瞬間 たたいたつえの反響が、消えたとたんに、その壁のなかの墓場から、何者かが答えたのだ。 それは、はじめは、子どものすすり泣きのように、押しころした、とぎれとぎれの声だった。何の声か、さっぱりわからなかった。 だがそれは、たちまち、何ともいいあらわしようのない、かん高い闇の叫び声になったのである。「にゃあ………あぅ!」 私の耳には、地獄でもだえくるしむ死人と、そのありさまを見て喜ぶ鬼たちとの声の合唱とも聞こえたいあ 私の気持ちは、もうこれ以上いう必要もないだろう。私はよろめき、なかば気が遠くなって、反対がわの壁へよろよろと倒れかかった。階段のうえの警官たちも、一瞬のああいだ、あまりの恐ろしさに、じっとその場に立ちすくんでいた。だが、つぎの瞬間、警官たちは階段をかけおりてきた。そして、数人がかりで、その壁をこわしにかかった。たちまち、壁にはぼっかりとあながあいた。 そこには、もうひどくくさった血まみれの妻の死体が、まっすぐにこっちをむいて立っていた。そして、その頭のうえには、まっかな口をくわっとあけ、らんらんと燃える片目を見ひらいたあの黒猫がすわっていた・・・・・・。 私はこの怪物を、死体といっしょに壁のなかにぬりこめていたのだった! 黒猫は、私を殺人に巻きこみ、そしていま、私を絞首台の番人に引きわたぞうとしていたのである。
언제나 그 동물들과 살았다. 동물들에게 먹이를 주거나, 머리를 쓰다듬거나'안아주거나 할 때처럼 즐거운 일은 없었다.
이런 성질은 성장함에 따라 점점 강해져、어른이 되었을 때는 동물이 제일의 즐거움이 되어 있었다.충실하고 영리한 개를 기 른 적이 있는 사람이라면'이런 기분은 반드시 알아 줄 것이다. 개에게는 거짓도 없고 욕심도 없다. 그저 한결같이 주인을 섬기 는 감정이 있을 뿐이다. 금방 이해관계에 좌우되는 인간 따위보 다 훨씬 낫다고 해도 좋을 것이다.
나는 젊었을 때 결혼했는데, 다행히 아내도 나와 비슷한 성질 의 소유자였다. 내가 동물을 좋아한다는 것을 알자'아내는 재빨리 온갖 종류의 귀여운 애완동물을 사 왔다. 그래서 우리 집에는 새니 금붕어니、개랑'토끼랑、원숭이랑.....그리고 한 마리의 고양이가 살게 되었다.
이 고양이가 무서울이만큼 크고 훌륭한 온몸이 새까만 검은 고양이로서, 놀랄만큼 영리했다. 너무 영리했기 때문에' 본래 미신을 믿기 좋아하는 아내는.........
「검은 고양이는 마녀의 화신이니까 영리한 것도 당연해요。」
하고 곧잘 말했던 것이다.
정말로 아내가 그렇게 생각하고 있었는지 어떤지는 모른다. 결코 그렇지는 않았을 것이다.
고양이의 이름은 플루토라고 했다.
도였다. 플루토는 내 마음에 꼭 들어서 놀이친구였다. 먹이도 대개 내 가 주었고, 내가 가는 곳에는 온 집안 어디로든지 따라 왔다. 밖에 나갈 때도 따라 오려고 하여、그것을 막는 데 애를 먹어야 할 정
그러는 동안에 몇 년인가 지나갔다. 그런데, 그 동안에 나는 언제부터인지 술고래가 되고, 그 때문 에 성질이 아주 변해 버린 것이다.나는 무섭게 괴팍하고, 그리 고 화를 잘 내며'남의 기분 따위는 전혀 무관심해져 갔다. 아내에게도 심한 욕설을 하게 되고、끝내는 폭력을 휘두르게까
지 되었다. 귀여워하던 동물들에게 대해서도 물론 심한 행패를 부 리게 되었다. 동물들의 뒷바라지를 안 하게 된 것만은 아니다. 걸핏하면 걷어차기도 하고 때리기도 하여、학대하게 되었던 것이 다.
그러나 플루토에 대해서만은'그러한 나도 아직 거기까지는 하 지 않았다.
그러나 술고래가 더욱 심해지자, 이윽고 나는 그 플루토에게 조차 심하게 굴기 시작한 것이다. 어느날 밤의 일이다.
여느 때처럼 거리의 술집에서 몹시 취해서 돌아온 나는'플루토 가 나 를 피하고 있는 것 같은 생각이 들었다. 실은'플루토는 이 제 상당히 나이를 먹어 꽤 까다로와져 있었던 것이다. 그렇지 만취해 있는 나는 불끈했다.「이 놈의 자식'주인을 향해 !」그렇게 말하자'나는 대뜸 고양이의 목덜미를 잡았다. 고양이는 깜짝 놀란 순간에 내 손목을 물었다.
나에게 당장 악마와 같은 처참한 분노가 휩쌌다. 이젠 제정신 이 아니었다. 타고 난 상냥한 마음씨는 어디론지 사라져 버리고' 술 때문에 불타오른 증오가 온몸에 넘쳤다.
나는 조끼 주머니에서 나이프를 꺼내자, 날을 세워서 플루토를 억눌러 놓고 한쪽 눈을 후벼 파버린 것이다.
그 무서운 잔학행위를 생각하기만 해도 나의 얼굴은 새빨개지 고、몸에는 열과 몸서리가 나는 것을 억누를 수가 없다. 그 밤은 그대로 곤드레만드레가 되어 자버리고 말았으나'하룻 밤이 지나 제정신이 돌아오자'나는 자기가 저지른 무서운 죄에
격심한 후회와 공포심이 뒤섞인 감정을 느꼈다.
다. 그러나, 그것은 극히 변덕스럽고 연약한 감정에 지나지 않았다. 얼마 있다가 나는 또 술에 빠져' 그런 감정은 곧 잊어버리고 말았
망쳐버렸다. 그럭저럭하는 동안에 고양이의 상처는 점점 나아져 갔다. 눈을 후벼 판 자리는 움푹 패어 보기에도 무서운 모습이 되어 있었으나. 통증은 완전히 없어진 것 같았다. 고양이는 이전과 마찬가지로 집 안을 쏘다니고 있었으나' 역시 내가 다가가면 몹시 겁을 내고 도
전에는 그처럼 따르던 고양이가 이렇게 뚜렷이 나를 싫어하는 것을 보자'좀 슬퍼졌다. 전의 상냥한 마음이 아직 이 즈음에는 조금은 남아 있었던 것이다. 그러나 그것도 얼마 후 초조감으로 변했다. 초조함은 다시 심술궂고 고집덩이로 바뀌어 갔다. 이런 감정이 나를 돌이킬 수 없는 파멸로 들아 넣은 것이다.고집 - 그것은 인간의 마음 밑바닥에 잠재하는 원시적인 충 동이다. 해서는 안된다'하고 생각하면 생각할수록 | 아니 오 히려 그만큼 더욱'해서는 안되는 어리석은 행동을 하고 있는 인 간은 세간에 얼마나 많이 있는지 모른다.그리고 실제로、내가 죄 도 없는 동물을 더욱 학대하고 마침내는 죽여버린 것도' 이런 자 신으로서는 어쩔 수 없는 고집때문이었던 것이다.
그렇다. 나는 고양이를 죽였다. 나는 태연한 얼굴로 고양이 목 에다 밧줄을 걸고 나뭇가지에 매어달아 목졸라 죽인 것이다! 마음 속으로 나는 울고 있었다 가슴 속에서는 「이런 짓을
해서는 안돼 왜 죄도 없는 동물을 죽이는 거야」하고 외치고 있 었다. 그런데도 나는'아무리 해도 하던 일을 그만둘 수 없었다. 아마 나는'나에게 무엇 하나 나쁜 짓을 하지 않은 플루토를 참 혹한 사형에 처함으로써, 자비로운 신의 용서조차도 닿지 않는 무 서운 죄악 속으로 자기 자신을 떨어뜨리고 싶었던 것이라고 생각 한다.
이런' 세상에도 처참한 사형을 감행한 날 밤의 일이다. 푹 잠들 어 있던 나는'「불이야!」
하고 외치는 소리에 문득 눈을 떴다.
보니까'침대의 커튼이 불에 휩싸여 있다.
「큰일 났다!」
나는 벌떡 일어났다.
벌써 온 집안에 불이 퍼져 있었다. 나와 아내와 하인은 겨우 목 숨만 살아 불타는 집 속에서 도망쳐 나왔다.
정말로 전소(全燒)였다. 나의 재산은 완전히 재가 되고 만 것
이다.
나는 절망했다. 그러나 이 불행한 사건과 저 고양이의 처참한 사형과의 사이에 어떤 관련이 있느니 하고 생각할 만큼'나는 미 신에 빠져 있지는 않다. 그러니까, 이제부터 쓰는 것은 온전한 사실이며, 결코 날조된 것도 아무것도 아닌 것이다.
화재의 이튿날'나는 불탄 자리에 가 보았다.
집의 벽은 한군데만을 남기고 모두 허물어져 있었다. 타다 남은 것은 집 한복판에 있는 그다지 두껍지도 않은 간막이 벽으로서、내 침대의 머리 부분이 닿아 있던 곳이었다. 정말로 용하게 여기가 그 사나운 불에 견뎌낸 것이다. 아마 최근에
다시 발랐기 때문일 것이다.─—— 그렇게 생각하고 보니까'거기에 는 많은 사람들이 모여 무엇인지 제각기 떠들면서 벽의 일부를 보 고 있는 모양이다.
「이상한 일이 있군그래!」
「아니 참、괴이한 얘기군。」
사람들이 그런 말을 하고 있으므로、나는 호기심에 끌려 가 보 니까……………………. 어쩐 일일까!
그 흰 벽에, 마치 돋을새김을 한 듯이 거대한 고양이의 모습이 부각돼 있었던 것이다.그 모습은 놀랄만큼 정확했다.그리고'고 양이의 목에는 밧줄이 감겨 있었던 것이다.
처음에'이 유령을 그렇게 밖에 생각되지 않았던 것이다. | 봤을 때의 나의 놀라움과 두려움은 입으로도 글자로도 표현할 수 없다. 그러나 얼마 있다가 나는 침착성을 되찾고,냉정하게 생 각할 수가 있게 되었다.
플루토를 목졸라 맨 나무는' 집에 잇닿은 뜰이었다. 불이야'하는 소리와 함께 들은 군중들로 가득 찼다. 아마 그 중의 한 사람이 고양이의 줄을 끊고' 열려 있던 창으로 내 방에다 던진 것이 틀림 없다.
아마 그것은 나를 잠에서 깨우기 위해 한 짓일 것이다. 그리고 거기에 다른 벽이무너져 내려' 고양이의 시체를 갓바른 벽에다 짓눌렀다. 그 때문에 시체에서 나온 암모니아와'갓바른 벽의 석회와'강한 불이 작용 해서 이런 돋을무늬를 만든 것이 틀림없다.
이다. 이런 식으로 생각해서 일단 납득해 보기는 했으나、역시 양심의 고통을 치유할 수는 없었다. 나는 강한 쇼크를 받고, 그로부터 여 러 달 동안 고양이의 환영(幻影)에 번민해야 했다. 그리고、그러는 중에 나는 고양이를 죽인 일을 후회하게 되었다. 죽인 고양이에 대신할 것이 갖고 싶어졌다.그래서 자주 가는 술집 등에서、플루 토와 털이 비슷한 고양이는 없을까 하고 찾기도 할 정도가 된 것
이었다. 그러던 어느날 밤'나는 누추한 술집에서 여느때처럼 고주망태 가 되어 있었다. 그리고 문득、큰 술통 위에 무엇인지 까만 것이 쪼그리고 있는 것을 보았다.나는 옆으로 다가가서 건드려 보았다. 검은 고양이었다. 크기로 말하나、털로 말하나、플루토와 똑 같 다. 다만 하나 틀리는 점은'플루토는 온몸에 흰 곳은 한 군데도 없었으나 이 고양이는 가슴 언저리에 희미한 하얀 반점이 있던 것
내가 손으로 건드리자' 고양이는 곧 일어나 그르렁그르렁 목을 울리면서 몸을비비며 기대왔다.
「이거다'이 고양이가 좋군」
나는 그렇게 생각하자'당장 술집 주인에게 그 고양이를 팔라 고 교섭했다.
걸요。」 「아니오'그 놈은 우리 고양이가 아니오.이제까지 본 적도 없는
주인은 대답했다.
나는 아직도 얼마 동안 고양이를 쓰다듬어 주고서 돌아가려고 했 다. 그러자 고양이는 훌쩍 일어나 따라 온다. 나는 때때로 멈춰 서 서 고양이가 따라오기를 기다려 주었다.그래서 집에 닿았는데 -—고양이는 그대로 집에 머무르고 말았다.
아내도 이 고양이가 곧 마음에 든 모양이었다.
그러나………………얼마 후 나는 마음 밑바닥에서'이 고양이를 데리 고 온 것을 후회하게 되었다. 왜 그런지는 모르지만'고양이가 나 를 따르고 있다는 것이 참을 수 없게 싫어진 것이다.
이다. 이런 감정은'이윽고 강한 증오로 바뀌어 갔다.나는 고양이를 피해서 걸었다. 특히 내가 견딜 수 없었던 것은 - 이 고양이 의 눈이다. 그것은 플루토와 마찬가지로 한쪽 눈이 망가져 있던 것
그래도 아내는、그 때문에 오히려 고양이를 불쌍히 생각한 듯、 전보다도 더욱 귀여워하게 되었다.그것을 보게 되어도'나는 점 점 이 고양이가 싫어서 못견디게 되었던 것이다.
그래도 나는 고양이에게 폭력을 휘두르는 일만은 하지 않았다. 플루토를 상기하면, 그것만은 도저히 할 수 없었기 때문이다.
그런데, 내가 싫어하면 싫어할수록 피하면 피할수록 고양 이는 더욱 끈질기게 따라붙는다. 내가 어디에 앉든'반드시 다가 와서 의자 밑에 쪼그리든가 무릎 위로 뛰어 오른다. 그리고 몸을 비비고 기대는 것이다.
일어나서 걸으려고 하면 발 사이로 끼어들어서'하마터면 넘어 질 뻔한 적도 있었다.. 날카로운 발톱으로 양복 위로 기어 오르는 것 쯤은 예사였다.
그런 때는'나는 때려죽이고 싶은 충동에 끌렸다. 그러나 간신히 그만둔 것은'아까도 말한 바와 같이 두번 다시 플루토 때와 같은 짓을 되풀이하고 싶지 않다고 하는 감정이 있었기 때문이지만' 게 다가 또 이 고양이가 점점 무서워졌기 때문이었다.
있다. 어째서 고양이가 그렇게 무서워졌는지 — 실은 뚜렷한 이유가
그것은' 사람에 따라서는 실로 하찮은 망상처럼 들릴 것이다. 사 실'이렇게 감옥에 매어져 있는 지금도 그것을 인정하는 것은 부 끄러운 것이다. 그러나 말을 하지 않을 수는 없다.
그 고양이와 죽인 플루토와의 단 하나 틀린 점이 목 언저리의 희고 희미한 반점이라는 것은 앞에서도 썼을 것이다. 그 반점이 점 점 뚜렷한 형태를 취해 왔다――그리고'생각만 해도 무서운 어 떤 물체의 형태가 되어 온 것이다.바야흐로 그 반점은 교수대와 똑같은 형태로 보였던 것이다!
내가 그 고양이를 미워하고 두려워하고、될 수 있으면 죽여버 리고 싶다고 생각한 것도 당연하지는 않을까?
나는 비참했다.도저히 참을 수 없을 만큼 한심했다.
그까짓 고양이가 인간님이신 나에게 이런 괴로움을 주다니?
그러나 그 괴로움은 진짜였다. 나는 밤이나 낮이나 조금도 쉴 수 없었다. 더우기, 그 검은 고양이는 낮 동안 내 곁에 딱 들러붙 어 있는 것이다. 그리고, 밤에는 입으로 말할 수 없을 만한 무서 운 악몽에 시달려、거의 한 시간마다 잠이 깬다. 잠이깨면 저 밉살스런 고양이의 블패한 뜨거운 입김이 내 얼굴에 써 인다 - 고양이는 내 가슴 위에서 자고 있기 때문에' 그 무게가 묵직하게 내 심장을 짓누르고 있는 것이다!
였던 것이다. 이러한 괴로움에 짓눌려'내 마음에 남아 있던 가냘픈 인간다 운 감정도 마침내 없어지고 말았다.나는 사람을 저주하고 세상 을 저주하며 나날을 살게 되었다. 평소의 괴팍함은 더욱 심해져 서,무엇을 보거나 듣거나 하기만 해도 불끈 화를 내게 되었다. 그리고'이 억누를 수 없는 분노의 발작의 희생자가 된 것은....... 아아'이 무슨 일인가, 아무 불평도 하지 않고 참아 온 나의 아내
어느 날의 일이다.우리들은 그 즈음'가난했기 때문에 어쩔 수 없이 낡고 더러운 건물에 살고 있었는데, 볼일이 있어서 지하실 까지 아내와 함께 계단을 내려갔다.
그때, 고양이가 우리들의 뒤를 쫓아서 계단을 뛰어내려 왔다. 그 때문에 나는 발을 헛디뎌、하마터면 곤두박질로 떨어질 뻔했다. 「이 놈의 자식!」
나는 분노한 끝에, 마침 가지고 있던 도끼를 힘껏 고양이를 향해 내리쳤다. 만일 생각대로 됐다면,고양이는 그 자리에서 죽었을 것이다.
「여보'아서요!」
아내가 외치고'내 손을 막았기 때문에' 고양이는 날쌔게 도망 치고 말았다.
「쓸데 없는 짓 말아' 이 바보가!」
나는 외치면서 아내의 손을 뿌리치자' 무서운 악귀와 같은 분노 에 충동되어 아내의 머리를 향해 도끼를 내려친 것이다.
아내는 신음소리도 내지 않고 즉사했다.
이젠 후회해도 늦고 말았다. 나는 재빨리 시체를 감추기 시작했다.
그러나 낮이든 밤이든, 시체를 남의 눈에 띄지 않게 집에서 운 반해 내는 일은 도저히 되지 않는다.
나는 진정하고서 여러가지 방법을 궁리했다.
파고 묻을까?) (시체를 잘게 잘라서 태워버릴까? 아니면, 지하실에 구덩이를
그러나 그것은 잘 될 것 같지 않았다.
(그러면,뜰의 우물에다 던져 넣을까? 아니면 보통 하물로 가 장해서 궤짝에 넣고 묶어서 인부를 고용해 집에서 운반해 내도록 할까?)
여러가지로 궁리한 끝에’나는 그 어느 방법보다도 뛰어난、굉 장한 방법을 생각해 냈다.
있었다. 시체를 지하실의 벽 속에 발라 넣어 버린다는 계획이다. 여기에 착상한 것은、읽은 책 속에 옛날 중세의 스님이 희생자 를 벽 속에 넣고 발라버렸다는 얘기가 씌어 있었기 때문이다. 지하실은 그런 목적을 위해서는 실로 딱 들어맞는 구조로 되어
벽은 조잡하게 만들어져 있으니까'문외한이 손질을 해도 우선 눈에 띄지 않는다.게다가 최근에 횟벽을 바른지 얼마 안 되어' 축 축한 공기 때문에 아직 마르지 않았었다. 뿐만 아니라'한쪽 벽 에는 전에 연통이나 난로였던 곳을 메꾼 불거진 데가 있었다.
(여기의 벽돌을 한번 허물고서 안의 공동에다 시체를 집어넣고 다시 본디대로 벽을 발라버리면 아무도 모른다.일도 간단하다.) 그렇게 생각한 나는'당장 계획을 실행하기 시작했다.
내 생각에 착오는 없었다. 벽돌은 쇠지레로 간단히 떼어 낼 수 가 있었다. 그래서 시체를 가만히 공동 속에 넣어 구석 벽에 기 대게 하고 다시 본디처럼 벽돌을 쌓아 올렸지만'거의 별로 수고 는 하지 않았다.
이틀째가 지나고 사흘째가 지났으나、고양이는 역시 나타나지
(그놈은 무서워져서 이 집에서 영구히 도망쳐버린 것이 틀림없
않았다.
다. 나는 정말로 안심했다. 자유로운 인간으로 되돌아 온 기분이 났
다. 고맙다.이젠 그놈을 두번 다시 안 보아도 된다!) 그렇게 생각하자'나는 행복조차도 느꼈다.양심은 조금도 아프
지 않았다.
경찰이 찾아 와서、나는 여러가지 심문을 받았다.그러나 극히 간단히 속일 수가 있었다. 경찰은 온 집안을 조사했다.그러나 물 론 무엇 하나 의심스런 것을 발견할 수는 없었다.
(이젠 문제 없다. 절대로 발견되지는 않는다.)
나는 그렇게 생각했다.
그런데, 나흘째가 되어 갑자기 또 경찰이 찾아 왔다. 그리고 엄 한 가택수색을 했다.
그러나 절대로 발각되지 않는다는 자신이 있었으므로'나는 조 금도 두려워하지 않고 당황하지도 않았다.나는 경관의 명령을 받 고 수색에 입회했다. 집안은 그야말로 구석구석까지 수색되었다.
지하실도 세번、네번이나 조사받았다. 그러나 나는 안색도 변하지 않았다.
심장도 푹 편안하게 잠들고 있는 것처럼 온화하게 뛰고 있었다. 나는 지하실을 끝에서 끝까지 거닐었다. 팔짱을 끼고 천천히 침 착하게 경관들을 따라 걸은 것이다.
드디어 경관들도 납득하고 돌아가려고 했다.
경관들이 지하실의 계단을 올라가려고 할 때'나는 마침내 참
던 것이다. 을 수가 없게 되었다. 설사 한마디라도 좋으니까'뭐라고 말을 해서 나의 승리를 축 하하고 싶었다. 그리고' 나의 무죄를 더욱 뚜렷하게 해 두고 싶었
「여러분。」
하고'나는 경찰관들에게 말을 걸었다.
「이것으로 의혹은 완전히 풀렸죠? 아니、이처럼 기쁜 일은 없 읍니다그려。여러분의 건강을 축하합니다요.그러나 앞으로는 좀 더 예의를 지켜 이런 잘못을 저지르지 말아 줬으면 합니다.」
나는 그저 빚이든 말하고 싶어서 견딜 수 없었던 것이다.
「그런데'어때요'이 집은 실로 잘 지은 집이라고는 생각지 않 습니까?」
나는 자기가 무엇을 말하고 있는지도 모르면서 계속했다. 「이를테면 이 벽이죠。어때요'이 벽이 튼튼하게 되어 있다는 것으아니 벌써 돌아가십니까.그건 유감인데요。」
그렇게 말하면서 나는'아내의 시체를 넣고 발라버린 부분의 벽 돌 위를、가지고 있던 단장으로 톡톡 세게 두드린 것이다. 아아, 신이여!
그 순간 | 두드린 단장의 울림이 사라진 순간에'그 벽 속 의 무덤에서 누군가가 대답한 것이다.
그것은 처음에는 어린애가 흐느껴 우는 듯이 억누른、띄엄띄엄 나는 목소리였다.
무슨 소린지 통 알 수가 없었다.
그러나 그것은'갑자기 뭐라고 말로 표현할 수 없는 날카로운 고양이의 외치는 소리가 된 것이다.
「야~옹!」
내 귀에는, 지옥에서 신음하는 사자(死者)와 그 모습을 보고 기뻐하는 귀신들과의 목소리가 합창하는 것처럼 들렸다.
내 기분은 이제 이 이상 말할 필요도 없을 것이 나는 비틀거리며, 반은 정신이 나간 째' 반대쪽 벽으로 휘청휘
청 쓰러지려고 했다. 계단 위의 경관들도 잠시 동안 너무나 무서워 가만히 그 자리
에서 있었다. 그러나, 다음 순간 경관들은 계단을 뛰어 내려왔다. 그리고 몇 빚이서 그 벽을 허물기 시작했다. 금방 벽에는 친한 구멍이 뚫
었다. 거기에는, 벌써 심하게 썩은 피투성이의 아내의 시체가 똑바로 이쪽을 보고 서 있었다. 그리고 그 머리 위에는 새빨간 입을 막 벌리고 번역번쩍 불타는 외눈을 뜬 채 저 검은 고양이가 앉아 있
다. 나는 이 괴물을 시제와 함께 벽 속에다 넣고 발라버렸던 것이
렸다.
검은 고양이는 나를 살인으로 몰아 넣고, 그리고 지금 나를 교 수녀의 집행인에게 넘기려 하고 있는 것이다.