「元4A生の中年受験生」さんから、次のようなコメントをいただきました。
「予備試験の実施時期の予想
 延期された予備試験について、8月初頭に短答・論文まとめて実施するという説や9月まで短答は無いという説など、各予備校の先生方から様々な予想が出ております。
 論文の採点に時間がかかることを考慮すれば、8月には実施しないと10月の口述実施は厳しいと思います。
 しかし、8月までにコロナが収まるとも思えないので、9月以降になる気もします。
 そこで質問なのですが中村先生はいつ頃、短答と論文が実施されそうだと予想されてますか?
 お忙しいと思いますが、ご検討をお願い致します。」
 
そうですよね、もうすぐ本来の司法試験・予備短答の実施時期なのに、延期の詳細が全く発表されない状況では、実施時期をある程度予想しないと、対策を立てにくいですよね。
しかし私は、皆さんと同程度の情報しか持っていませんから、ほとんど根拠がない「予想」しかできません。
それでも、『4S基礎講座』の個別カウンセリングで、この先の対策のご相談をいただいた際に、いくつか「予想」をしないと具体的な話ができなかったので、そのような「予想」を披露してみようかと思います。
もちろん、当たる保障は全くありません。
 
私はまず、予備口述の実施が最も難しいと考えています。
“三密”状態による試験官≒要人への感染リスクを避けられない…と法務省が判断しそうだからです。試験官と受験生との間をアクリル板等で仕切っても難しいんじゃないかなあ。
それに、予備口述ではほとんどの受験生が落とされませんから、人材選別という観点からは、もともとあまり必要性が大きくないような気がしますがいかがでしょう…司法試験の方に口述がないのに予備試験だけにあるのも疑問でしたし。
 
そこで、予備口述は実施されず、予備も司法も短答・論文だけ実施される前提で考えてみます。
そうすると、まず、司法試験は修習開始時期(例年は12月)をずらさない限り、遅くとも11月には合否が出ていなければならないというデッドラインがあります(司法修習も、開始時期を含めた在り方が大きく変わる可能性が充分あると思いますが、そこまで考えだすと何も「予想」できないので排除)。
そのため、もし司法試験の合否判定を1~2か月でなんとかした(採点者を大幅に増やさないと、採点者の方には“地獄”かも…)としても、9~10月には司法短答・論文を実施しないと間に合いません。
 
これを踏まえて、予備短答・論文の実施時期を考えてみます。
 
1.従来どおり、予備・司法短答の問題を一部同じにする場合
カンニング防止のため、予備・司法短答を同時に実施しなければなりませんから、上記のように司法短答が9~10月までには実施されると考えると、予備短答も9~10月までには実施されることになります。
他方、予備論文については、予備短答と同時かそれ以後ということ以外に、特に時期の制約はないのではないでしょうか。
 
2.従来とは異なり、予備・司法短答の問題を全く別にする場合
カンニング防止の必要がなくなるため、予備・司法短答を同時に実施しなくてもよくなります。そうすると、予備短答についても、特に時期の制約はなくなるのではないでしょうか。
他方、予備論文については、上記1と同様、予備短答と同時かそれ以後ということ以外に、特に時期の制約はないでしょう。
 
…と考えると、司法短答・論文に比べ、予備短答・論文の実施時期は自由すぎる状況です。
なので、本当に根拠がありませんが、
・新型コロナの感染リスクがあと数か月くらいで無視できるレベルになってほしいという希望的観測
・予備短答・論文の従来の実施時期
等から、私は、
A:7月に予備短答・論文同時実施
B:7月に予備短答→9~10月に予備論文(司法試験と同時?)
C:7月~に予備短答→11月~に予備論文(司法試験とずらす)
という3案を「予想」しています。
 
いずれにせよ、
・予備短答対策の目処が立っていない方は予備短答対策
・予備短答対策の目処が立っている方は予備論文対策
をするだけのことです。
 
 
…それでも、先が見えない中で司法試験系の対策を続けるのは、きついですよね。
ただ、どの試験も例年より実施時期が遅れることはほぼ確実です(※予備論文のみ、上記A案だと実施時期が変わりません)から、割とマイペースに進めてもいいんじゃないでしょうか。
今は、対策のスピードよりも持続化が大事だと思います。
 
例えば、司法試験系の対策を始めたころからの記録・答案(構成)等を見直してみましょう。
今のあなたから見て、どう感じますか?
たぶん、何がしかの成長を感じられると思います。
「私、がんばってきたんだなあ…よくやってるよ私」ってな感じで、自分をほめてあげることができると思います。
こういった積み重ねを実感することが大事だと思うのです。
 
イチロー選手曰く、「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行く、ただ一つの道」ですから。
 
…まあ、司法試験系合格は、「とんでもないところ」というほどではありませんし、そこまで敵を大きく見ない方が合格しやすいと思いますが。