基本書や判例集等を調べる受験生が結構いるような気がするけど、受験生ならまずは他の短答過去問集の解説を見る(可能・要節約なら立ち読みで済ませる)べきだと思う。

 

基本書や判例集等を調べるとなると、下記①②③のプロセスを経ることになろう。

まず、

①その短答過去問を解くために必要な知識は何か?を特定する必要がある。解説に書いてある知識が、その短答過去問を解くには的外れなこともあるから。

そして、

②その知識が基本書や判例集等のどこに載っているか、探す必要がある。参照すべき文献のページが解説に書いてあっても、それでは足りないこともあるし(私の受験生時代は、足りないことがほとんどだった→これも学者さんへのリスペクトが低下した一因)。

その際、その知識と(ほぼ)同じキーワードが索引にある場合でも、掲載ページが例えば「2,10,15,99,123,202,256,312,398,404」といった形でたくさん書いてあったりすると、その全てを見なければならないこともある。

その知識と(ほぼ)同じキーワードが索引にない場合は、目次から探索する等、手探りになる。

さらに、

③基本書や判例集等で、その短答過去問に関連する知識を見つけることができたら、その知識をその短答過去問を解くためにどのようにして使うのか、自力で考えなければならない。

 

他方、他の短答過去問集の解説を見る(可能・要節約なら立ち読みで済ませる)方法なら、

上記①は不要。

上記②は、その短答過去問の年度・番号を短答過去問集の巻末索引等から探すだけでよい。

上記③は、解説の内容次第だが、その短答過去問に対応した説明がされていない基本書や判例集等と比べたら、だいぶ負担が減るはず。

 

で、その解説が、今使っている短答過去問集の解説とは異なる角度から書かれていれば、それで疑問が解消されることもある。

ま、私個人の経験では、疑問が解消された確率は、基本書・判例集等を調べた場合と他の短答過去問集の解説を見た場合とで五分五分。

しかし、後者のプロセスにかかる時間・体力(脳力?)的負担の方が圧倒的に小さいので、受験生ならまずは他の短答過去問集の解説を見る(可能・要節約なら立ち読みで済ませる)べきだと思うのだ。

(予備校講師の仕事としてはもちろん、コンメンタールをはじめ、そこに載っている判例資料・基本書など様々な文献・資料を調べる…だからこそ、そういう作業は我々に任せてほしいとも思う。)

 

「いやいや、①②③のプロセスを経るから実力が伸びるのだ!」と言う人もひょっとしたらいるかもしれないが、ならば「①②③のプロセスを経る」中でどのような「実力が伸びる」のか、具体的・明確に説明すべきだ(cf.記事「基本書の必要性」)。

短答本試験現場では上記①②③のプロセスを辿らない・辿れない以上、短答本試験現場という“戦場”における実力は(少なくとも直接的・効率的には)伸びないと考える方が自然・合理的ではないだろうか。

“本試験と同じことをする”のが最も効果的な試験対策だという根本的コンセプトからすると、疑問解消など最小限かつ最速で終わらせ、それで浮いた時間を本試験過去問をくり返し解くことにぶち込むべきだ。

 

ちなみに4A受講生なら、他の短答過去問集の解説としては、WEB-SCHOOLの“Web学習”最下部“教材”コーナーにアップされている

・予備試験H23~H28(H29も年内アップ予定)

・司法試験サンプル問題、プレテスト、H25~28(H29も同上)

の年度別の短答過去問簡易解説をまず見るべし!

無料だし、かなり簡易なものだけど、不適切な内容はないと思うので。