「2017目標受講生」さんから、このような質問・相談をいただきました。

「お世話になっております。
私は、昨年から本講座で学んでおりますロースクール未修1年の者です。
ロースクールの定期試験に悩んでおります。
というのもなかなか、成績が良くないです。
理由としては授業の予習復習を放置して、定期試験対策もしてないからにつきるのですが、テストでロースクールの友人が判例の規範を正確に暗記して答案に書いていたり、私が解けなかった問題を簡単に解いたりするのを見ると不安ですし、落ち込みます。

特に私のロースクールは合格率も低いので、このロースクールで順位が低いとどうなんだろうなとも思います。
一応数日漬けでテスト該当箇所の教科書やレジュメは見ますが、そういった状況で、やはり普段から予習復習をすべきかなとか、教科書を読んでおくべきかなとか考えます。

何かアドバイスして頂ければ嬉しいです。」

 

これまでにも、同様の質問・相談をポツポツといただいていたので、記事にしようと思いました。

 

まずは、神戸大ロー既修出身の塩見先生(cf.動画『H28司法試験上位合格者が語る!「司法試験合格に本当に必要なモノ」』)のブログ記事「TAC4Aとロースクール」を熟読してください。

そして、2017(~2018)年合格目標の講座・講義等を受講されているなら、少なくとも今は、塩見先生に質問メールを送ることができます(大事務所に内定されているので、修習が終わると多忙で無理になるかも…)。

ローに通ったことのない私なんかより、ローと試験対策を見事に両立させていた塩見先生に、ブログのコメント等や質問メールを使って、具体的に質問・相談されるのがベストではないかと思うのです。

 

ただ、

「特に私のロースクールは合格率も低いので、このロースクールで順位が低いとどうなんだろうなとも思います。」

については、私も自信を持って断言できます。

あなたのロー出身受験生全体の司法試験合格率が低いことや、あなたのローの内輪で順位が低い・成績が悪いことは、あなた個人が、あなたのローの外部の司法試験に合格できるかどうかとは、全く関係ない!…と。

(逆に、自分のロー出身受験生全体の司法試験合格率が高いことや、自分の通っているローの内輪で順位が高い・成績が良いことも、自分個人が、自分のローの外部の司法試験に合格できる保証にはなりません。)

あなた個人が司法試験に合格できるかどうかは、あなた個人が、司法試験合格に有効な対策を、受験生全体平均よりちょっと上回る以上にできたかどうかだけで決まるのです。

(cf)H28司法試験:合格点880点、平均点829.52点(pdfファイル)

 

あと、「一応数日漬けでテスト該当箇所の教科書やレジュメは見ます」とのことですが、もし私がロー内の定期試験対策をするなら、まずその定期試験の過去問関係の情報(問題文はもちろん、正解・答案・解説・元ネタ等もできる限り)を集めてから、それをくり返し解く等の対策を考えます。

どんな試験でも、まず過去問からです!…が、そのような情報入手は難しい感じでしょうか?

 

最後に、平成28年(2016年)度合格者座談会の、「ロースクール(法科大学院)での学習にも4Aは役に立った!」というテーマの部分に、参考になりそうな発言があるので引用します。

慶大ロー既修出身の藤川さん(cf.動画「H28司法試験合格者が語る!”落ちない答案”で確実に合格する秘訣とは?」)「初年度については、ロースクールでどの程度予習・復習が必要か分からず苦労していたので、司法試験対策は夏休みくらいから(旧)司論文過去問を解く程度でした。秋学期が始まったら比較的余裕もできてきたので、(新)司論文過去問の答案構成を始めました。最終学年に上がるとかなり余裕ができ、ロースクールの講義がある時にも(新)司論文過去問の答案をフルで書いたりしていました。」
司会(中村)「なるほど。入学当初では試験対策をせず、ロースクールと試験勉強のバランスを見極めたのが大きかったということですね。」

(中略)

塩見先生「私は、ロースクールに入学した当初、予備試験が目前に迫っており、予備試験合格のためまず短答過去問をひたすら解き続けることが最優先でしたので、あまりロースクールの予習に充てる時間がありませんでした。そこで、10人程の予習チームを作り、最大限まで細分化した分担することで自分の予習分を減らすという作戦を採りました。予備短答に合格した後、論文に向けて勉強していた時期は、ひたすら『4A論文解法パターンテキスト』をくり返し、その時期のロースクールでの課題などは友人を頼っていました。ロースクールの定期試験でも、4Aで問題を最後まで処理するだけで比較的良い順位をとれたので、その後はほぼ司法試験系の対策に集中できました。」

 

もう1つ、中大ロー未修出身の守屋さん(cf.動画「H28司法試験合格者が語る!私が下位2%の成績から1年で司法試験に合格できた秘訣!」)は、2018年合格目標の司法試験系講座パンフP08のインタビューで、

中村「昨年(※2015年)残念な結果になってしまった原因について教えてもらえますか?」

守屋さん「ロースクールでの成績がとても悪く、卒業できるかどうかもはっきり分からなかったことから司法試験の勉強を始めるのが遅くなってしまったことが大きな要因かと思います。さらに、それまでのロースクールでの勉強でも司法試験対策的なことは一切できていなかったので、初めての受験では実質3、4ヶ月の勉強で受験したことになりますね。」

と語ってくれています。

これによると、ローを「卒業できるかどうかもはっきり分からな」いほどの悪い成績しかとれていない状況なら、まずその対策をしっかりして土台を固めた方が、急がば回れになるかもしれませんね。