理論的には、NOAさんの記事(「潰す」とは?
)にあるとおり、
「「潰す」という概念に本来終わりはない」。
これ、ニーチェの“永劫回帰”っぽくてカッコうぃー!
しかし、現実の受験生が、終わりがないものを心が折れずに続けることは、なかなか難しいと思う。
過去問フェチの私は、芸術作品として鑑賞しながら、いくらでも過去問をくり返せたけれども(本試験合格という主目的の以外の目的もあると、くり返しても飽きにくいような気がする)。
で、たとえば、受験生に、
「短答式過去問を何回くり返し解くべきか?」
と聞かれたら、私は、
「個人差がある。でも、目安は5回。」
と答える。
この“5回”というのは、
まず1科目の全過去問を1回解いて、
1回目に正解した問題以外のみを2回目に解いて、
1・2回目に正解した問題以外のみを3回目に解いて、
1~3回目に正解した問題以外のみを4回目に解いて、
1~4回目に正解した問題以外のみを5回目に解けば、
ほぼ全問正解状態に到達できるんじゃないかなあ…という感覚で言っている。
(もちろん、たとえば1回目解いてから2回目解くまでの間に長期間空いたりすると実現困難なので、“深く遅く”より“浅く速く”、とにかくスピードが大事!)
最大の目的は、過去問を「潰し切った」というゴールに到達した“実感”を得ること。
この“実感”があれば、「過去問を何回くり返し解くべきか?」という疑問や不安は出てこないと思うのだ。もうゴールに到達した“実感”があるのだから、他の科目でも、同じ“実感”を目指すだけ。
そして、その“実感”は達成感に満ちあふれていて結構気持ちいいので、モチベーションも上がるはず。
とすると、「潰し切った」という“実感”が得られればいいのだから、最初は、自分にとって「潰し」やすい、得意科目とか問題数の少ない科目とかを選ぶべき。
逆に、「潰し切った」という実感が得られるなら、必ずしも全過去問じゃなくてもいいんだけど、全過去問を潰さないと、ゴールに到達した“実感”が湧かない受験生が多いような気がする。
結論。
「潰す」とは、実践的には、主観的に「潰し切った」実感を得ること。
短答式試験対策、がんばってください!
p.s.
理論的には、その先が無限にあるのですよ…
1.1問単位ではなく、全ての肢・穴埋め等を正解する
2.適切な思考ルートを辿る
3.最短の思考ルートを辿る
4.制限時間を短くする
etc.
ちなみに私は、旧司平成17年度の短答式試験の直前期に4.まで到達し、2年分の過去問を1年分の制限時間でやって、全問正解まではできなかった(2005.5.3の記事
以降を参照)。
この状態で、本試験では53/60点(103位)だったので、さすがに現在の短答式試験の比重を考えると、ここまでやる必要はないだろうね。