3月24日の深夜、香港文化中心でのコンサートの帰りのこと。宿泊先のホテルは目と鼻の先なのですが、大きな信号のある交差点まで戻って横断歩道を渡り、角にあるペニンシュラホテルの大噴水を横目に見ながら前方に見える青信号のところまで歩いて行き、車の来ないことを確認して道路を横断したら横断した先で歩道に入れずに車道の端で立ち往生することに。車道と歩道との境には柵が張り巡らされており数メートル先の柵の切れ目からやっと歩道に入り事なきを得ました。すると今しがた渡った道路の角の建物にYMCAと大きな文字で書いてあるではありませんか。ホテルはペニンシュラホテルのすぐ隣、車の往来の少ない通りを挟んだところにあったのですが、行きと帰りでは距離感が違うので通り過ぎてしまったのですね。香港の道路事情はよくわかりませんが、歩行者が侵入してはいけない交差点を横断しようとしたみたいです。前日タクシーから降りる際、運転手が遠回りしたのも近くに歩行者用の横断歩道がなかったからかもしれません。


3月25日。前の晩が遅かったのでゆっくり起床し、まず朝食の買い出しに前日チェックイン前に立ち寄ったスーパーに向かいました。今回の宿も朝食付きで予約すると+4,000円なので朝食無しです。立派で瑞々しそうなドラゴンフルーツ(2個でHK$28)が前日から気になっていて、食べきれるか心配でしたが水分補給に良いと思い籠の中へ。それと2個入りHK$36のスコーン。スーパーには寿司などの日本食も売っていましたが、2,3日の旅行でわざわざ高い日本食を食べる必要はないと思いました。その他、ヨーグルトなども日本より高いので買い控えました。スコーンは純正バターを使って風味よく焼き上げてあり、食べ応えもあり1個で十分なボリュームでした。ドラゴンフルーツは、タイで食べたのも日本で買ったのも白い果肉の中に黒い粒々の種が入っていてゴージャスな外見に比して淡白で甘みがないという印象の果物ですが、ナイフで切ってみると果肉が赤紫色でびっくり(ホテルの部屋にお皿とナイフとフォークが備わっていて助かりました)。そして食べてみると予想に反して甘くて美味しかったです。店頭にはもう一つ、形がドラゴンフルーツに似ているけれど色がグリーンで小振りのトロピカルフルーツがあり興味をそそられたのですが、どんな味かわからない上お値段少し高め(2個でHK$43だったと思います)、それに一人であれもこれも食べきる自信がなかったので断念。果物は大好物ですがお腹を壊してしまったら旅行が台無しです。

 

(写真を編集して保存してもどうしても縦になりません)

 

以前Yomii-mania Organizing Teamから 3/25 Taiko Playing @Arcade Center in Yau Ma Tei とよみぃさんの予定をメールで知らせてきていましたが、コンサート終了後に日本人の方が「太鼓は3時からですよね」というのを聞き特に予定もなかったので行ってみることに。@Arcade Center in Yau Ma Teiをgoogleで検索してみると何か所か出てきました。昼下がり、ここではないかと思われるゲームセンター目指して油麻地までネイザンロードを数分バスに乗り5つか6つ目の停留所で下車。通りを行きつ戻りつ迷いながらそれらしい場所に辿り着きますが、そこは間口の狭い地下に続く薄暗い階段を降りて行かねばならぬところ。「本当にここなの?」という疑念も沸き中の様子が全然わからないところへBBAが一人で足を踏み入れる勇気はありません。後でSNSにアップされた写真を見ると日本人の女性らしい方も写りこんでいましたが帰国後よみぃさんが出した動画では狭いアンダーグラウンドワールド(?)に圧倒的数の男子。それに私が探し当てたと思った場所は別のゲームセンターだったかもしれません。予定の3時も過ぎていたので太鼓は諦めました。結局無駄足になってしまい、こんなことならホテルから徒歩10分圏内のところにある香港歴史博物館に行けばよかったかなと思いました。

 

気を取り直して、大通りに戻ってお昼を食べることに。高級ではないけれど雰囲気のよさそうな食堂に入りHK$80のタイカレーを注文。「ランチとセットだとお飲み物がお安くなります」と勧められましたが現金があまりないので「結構です」というとそのまま下がってお水を持ってきてくれました。お冷ではなくぬるま湯です(前回ホテルで食事をした時もお水はぬるま湯でした。香港の水は水質は日本と同じ軟水ですが水道管が古く衛生上問題があるらしく、ホテルのお部屋にも水道水は必ず沸かして飲むように注意書きがあります。ペットボトルの水が置いてあるので私はそれでお湯を沸かしてお茶を入れました)。ご飯は口に合わなかったけれどカレーはまあまあでした。店を出て途中総菜屋さんで中華まんじゅうと春巻き等HK$20程の買い物をして埠頭に向かうバスに乗ります。

 

ホテルに着いたのは夕方5時近かったと思います。その日も晴れて蒸し暑かったので、まずお風呂に入ることに。それから冷蔵庫で冷やしておいたドラゴンフルーツをスプーンですくって食べ一息ついてから、20:00から15分間ビクトリアハーバーで繰り広げられるという光のショー"Symphony of Lights"の開始まで時間があるのでひと休みしようと寝室のカーテンを閉めベッドに横になります。どれくらい経ったか、眠り込んでいたという実感がないのですがスマフォで時刻を見たら20:45びっくり カーテンを開けると港の夜景が見えますがショーは終わったっぽい。このまま翌日の出発の日を迎えるのは心残りがするので、夜景の絶景スポット Waterfront Promenade へ行ってみることに。香港文化中心の裏側にフェリー乗り場があり、ライトショーは終わったもののまだ観光客がそぞろ歩きをしていて賑わっていました。海面に映し出された対岸の光がゆらゆら揺れて幻想的でした。

 

 

帰りがけ閉店間際のスーパーで台湾ビール(330ml HK$15)とお土産用にWhite Peach Black Teaのティーバッグ(10個入×2 HK$57)を買い、ホテルの部屋に戻り昼間買った総菜をつまみながらビールを飲んだのですが、パリッと揚がって美味しそうに見えた春巻きが、時間が経ってもふにゃっとするどころか歯が立たないほど固く、また中味の具材も得たいが知れないものなので珍しく食べ残してしまいました。肉まんは冷めても美味しかったけど、口の中に残るものがあるので何かと思ったら底に敷いてあった紙がふやけて皮に引っ付いているのを一緒に食べてしまったようです。とにかく歩き過ぎで疲れて食欲もなかったです。この日歩いたのが14,179歩で、前日が11,796歩。10年前、最後に海外旅行をした時のこと。前半アルプスの山々をハイキングし、残りの3日間パリの街中や近郊を散々歩き回って帰国前日の夜に膝を痛め、その後何年もの間苦しむ羽目になるという苦い経験をしたので自重しなければなりません。

 

3月26日。帰国の日。飛行機が香港国際空港13:00発なので9時にはホテルをチェックアウトするつもりでした。朝8:00、スマフォの充電も100%になっていたのでバッグの中に仕舞まえばよかったのですが、寝室のコンセントからプラグごと引き抜いてリビングのライティングデスクの目につくところに移動し直前まで充電しておこうと思ったのです。ところが引き抜いた瞬間ヒューズが飛んだみたいでバッテリー残量が20%になってしまいましたガーン 慌ててフロントに電話をして代わりのプラグを持ってきてもらい充電を開始すると数値が僅かですが増えてきたのでスマフォ本体は無事だったことがわかりホッとすると同時に充電速度があまりに遅く、1時間で充電完了するか心配でした。9時過ぎなんとか80%になったのでもうここまでと諦めて部屋を出ることにします。ちゃんとスマフォの充電器なりスマフォ本体を外してからプラグを抜き差しすべきだっだし、出かけるギリギリまで充電しておこうなんて思わない方がいいですね。挙句の果てに忘れてしまっては洒落にもならないし今回のように土壇場で何が起きるかわかりません。

 

フロントでのチェックアウトの際、お部屋のアップグレードの礼を言いMall Cafe-Snack での食事の清算をしました。チェックイン時クレジットでHK$100のデポジットを預けていたので残りのHK$59.60を、ちょうど財布に残っていた現金HK$60で払えばよいと思ったのですが、デポジットは別途清算され新たにHK$100をクレジットで払うことになりました。これで香港ドルの現金はほとんど使い尽くしたことになります。エアポートバスは現金がないと乗れませんよと忠告されましたが「オクトパスがあるから大丈夫です」と言ってホテルを出たのが9:20頃。尖紗咀駅の近くのバス停まで徒歩で5分。運行間隔は15-20分で空港まで1時間程です。エアポートエキスプレスより時間はかかりますが、香港駅まで地下鉄を乗り継いで行くより便利で安いです。空港までの片道料金HK$34.60がシニアだとHK$17.30(バスは現金の場合おつりが出ないので小銭の用意が必要)。オクトパスの残高は十分あるはずでしたが、万が一ということもあるので小銭は残しておいてもよかったかなと思いました。

 

バスは、乗車したときはガラガラでしたが、前日バスで通ったネイザンロードを走っていくにつれだんだん混んできて、荷物置き場にスーツケースを置いて2階のデッキに上がっていく人が増えました。油尖旺区の昔ながらの香港の下町情緒あふれる風景を車窓から眺めていくうちに「これより先、洋上のドライブをお楽しみください」という車内アナウンスがあり、いつしかバスは海の上を空港に向かってまっしぐら。こんな時津波に襲われたらと思うとちょっと怖かったですね。バスは渋滞に巻き込まれることもなく程なく機場(空港)に到着。


真っ先に香港エキスプレスのチェックインカウンターに行きますが、そこで衝撃的なことを告げられます。"I'm sorry, Ms.  We have a problem.  Your seat has been overbooked." 私が What? びっくりという顔をして"How does it happen?"と問い詰めると "We can offer you a seat of a plane which arrives an hour later.  Do you mind...?" と抜け抜け言うので "I do mind.  Does this kind of thing often occur to your company?  I have the e-ticket."と言って印刷しておいたチケットを見せました。そして "I want to go home early."と付け加えると相手は席を外してどこかへ行き、しばらくして戻ってくると「あなたの座席は確保されました 。機内持ち込みの荷物を計量するのでスーツケースを置いてください。」と言われました。6.9kgグッド! LCCでは受託荷物枠はなく機内持込手荷物は7kgまでということになっています。成田では実際には7.9kgまでOKだと言われましたが担当者によって異なるといけません。1kgでもオーバーすると追加料金1万円だそうです。日本から着てきた皮のハーフコートをスーツケースの中に仕舞って移動していたので、空港に着いてからそれを出して身に着けました。日本の空港で中国人らしい旅行者がチェックインカウンターの前でスーツケースの中の荷物をおっぴろげて必死になって入れ替えている異様な光景をあちらこちらで目にしました。私はスーツケースの他に身の回り品を入れたバッグと貴重品だけを入れた小さいポシェットを携行していたのですが、成田ではポシェットをバッグの中に仕舞うように言われましたが、香港ではスーツケースと身の回り品のバッグにステッカー(?)を張り付けただけで「ポシェットは?」と尋ねても荷物は2つまでだからというだけで身の回りのバッグを計量することもなくスルーおねがい なんとか無事チックインできましたが、こんなことがあるので事前に航空会社のホームページで予約を確認するかオンラインチェックインを早めにしておく方がよいのだと思いました。行きは座席指定をしたので問題なく済みましたが、その際も最初なかなかログインできなかったのです。帰りは、パスワードも忘れて面倒だったので早めに空港に行けば何とかなると思ったのです。

 

次にエスカレーターを降りてカスタマーセンターに行きオクトパスのリファンドをしてもらいます。また香港に来る機会があればそのまま持っていてもよかったのですが、老い先短い身なので一応デポジットと残高を合わせてHK$61.7返金してもらいました(短期滞在者なので手数料HK$11取られました)。ホテルで精算時に香港ドルを使い切っても意味がありませんね。ここで返金されたコインで空港内の土産物店で杏仁(アーモンド)入りクッキーを買い、不足分をクレジット払いにしてもらいました。

 

搭乗口までバスに乗らなければならないので早めに向かいます。12:30搭乗開始となりますが、私の座席は機内中程の通路側なので最後の方で乗り込みますが、座席の上のトランクスペースが大分埋まっています。自分で7キロのスーツケースを上に揚げるのは70代BBAにはちときついので近くにいた女性のフライトアテンダントに「これ上に揚げていただけますか?」と頼むと "Together"と言われ一緒に持ち上げることに。その方は私(最近縮んだので156cm)より見た目低いかと思われるマスコットガールのような可愛らしい女性でしたが、この航空会社の採用基準はどうなっているのだろうと思いました。以前利用したスカンジナビア航空のFAは女性でも巨体で頼もしかったのと対照的です。行きの飛行機では通路側に先に座っていた若い男性が席を立つと同時に「荷物揚げましょうか?」と言ってくれたので助かりました。LCCではこういうこともあるので腕力に自信のないお年寄りにはお勧めしません。

 

機内では飲食のサービスは有料です。私は中国茶(HK$20)だけ注文しました。先程のFAが小さな紙コップに tea bag を入れて持って来ました。気圧の関係で沸点が低くお湯がぬるかったせいか上手く抽出されず、おまけに袋の中の茶葉が飛び出している始末です。茶葉自体は私が土産に買った白桃紅茶(家で飲んだら美味しかったです)と同じくらいのグレードで悪くないと思いますが、茶葉が水分を吸収するので量は200ccもなく、これで400円はぼったくりじゃないかと思いました。18:05飛行機は定刻通り成田に到着。機内に immigration card の用意がないので空港に着いてから記入することになり最後にちょっとだけ手間がかかりました。

 

今回初めての3泊4日の香港一人旅、振り返ってみれば総じて大満足の旅行でした。一番の目的のよみぃさんの公演も日本のコンサートホールよりもステージに近い席で堪能できましたし、アフターステージにサプライズがあったり忘れられない思い出になりました。いろいろ失敗もして苦境にも立たされましたが、その都度まわりの人に助けられ無事に帰ってくることができました。そして何よりも、この年になってもこんなにexcitingな体験をする機会を与えられたことに感謝です。そして次があれば、今回の反省点を踏まえも少し賢く立ち回りたいと思います。

 

100年間のイギリスによる統治から中国に返還され数年前には民主化を規制する政府に対して大規模な抗議デモが起こり、結果、言論の自由が以前よりもより厳しく規制されている香港。歴史に翻弄された民の生活と心情に思いを馳せ、また機会があったら今度は是非香港歴史博物館を訪れてみたいと思います(政府によって都合の悪い部分は展示されていないかもしれませんが)。

 

最後に、もう一つ。一人旅ではかなわなかったけど美味しい本場の中華料理も次回のお楽しみに取っておきます。それと、受託手荷物用のスーツケース(20kgまでOK)を持って行きお土産もあれこれ買いたいですね。

 

それでは、前編に引き続き、単なる個人の旅の覚え書きとして長々としたためたものを最後までお読みくださりありがとうございました。