しばらく、時間が空いてしまいましたが、完結編を書きます。

よろしければ、おつき合いをください。

 

息子と旅行に行く予定が前日で決裂。

だけど、その後冷静になって、お互いに歩みよることができた私たち。

 

代わりに、彼が大好きな「蟹」を食べにいくことにしました。

今回は、その話です。

 

 

仲直りをして、自分の態度を反省をした息子が

「浅草で、水上バスに乗らない」

と浅草観光を考えてきてくれました。

 

浅草は小さい頃から親に連れられて出かけていたり、

親戚も近くにいるので、私は息子よりは詳しいです。

 

でも、子どもは親には興味が無いもの。

彼は私が浅草に詳しいなどと少しも思っていないようでした。

 

 

「浅草は、よく知ってるけど、水上バスは(息子には)つまらないよ」と言うと、

いいアイデアだと思っていた彼はしょんぼりとしてしまいました。

 

私も高校生ぐらいの時、息子と同じようにワクワクして

友達と出かけたものの、楽しみ方がわからなかったのです。

 

「水上バスは、移動するだけで、向こうにもとくに何もないけどいいの?

景色に興味ないでしょ」と伝えると、ようやく合点がいったようでした。

 

今は、松本零士デザインの人気の水上バスもあり、

風景を楽しみたい方にはとてもいいようですが、

座席に座れない時もあって、評価は人それぞれです。

 

 

浅草では迷わないので、

「お店の予約だけできてれば、大丈夫だよ」と伝え、

当日は昼も過ぎてから、のんびり繰り出しました。

 

 

うちの子ども達が小さい頃は花やしきには数度連れて行ったこともあります。

とはいえ、小さな子どもはゆっくりお店を見ながら歩くことはないので、

記憶にないらしく、息子は雷門から仲見世を通って、

浅草寺に向かう間も珍しそうにしていました。

 

特に今は、外国の方が非常に多いんですよね。

動画を撮影している人もいました。

 

彼らの表情が驚きと喜びに満ちていて

そちらの方が興味深かったです。

 

 

浅草寺の境内の敷地内には的屋の屋台も出ていました。

屋台好に心を奪われていると、

「これから、抹茶アイスを食べに行くよ」と

息子にたしなめられてしまいました。

 

浅草は抹茶推しなのか、あちこちで「抹茶」を掲げています。

花やしきの前にある口コミで評判のお店へ連れて行ってもらいました。

 

こんな場所で!と思うような細い路地の隙間そのお店はありました。

そして、長い列!並んでいるのは、日本人ばかりです。

日本人は美味しいものは平気で並びますよね。

 

こだわりの抹茶を使用した甘さを抑えた美味しいアイスでした。

 

少し先にも抹茶アイスのお店がありましたが、そこは一人もお客がおらず、

そんなに味の違いがわかるのかとつい思ってしまいます。

 

人は実際のところ、何に惹かれているのかを考えると

面白いなと思います。

 

 

「蟹」の予約時間までもう少し時間があったので、

浅草の町を少し歩いてみました。

 

蟹が食べられない家族へのお土産を人形焼焼きと揚げまんじゅうに

しましたが、、これはどちらも残念でした。

 

もみじ饅頭と人形焼は同じ素材で作られますが、広島人のいる我が家は

もみじ饅頭派だなぁと食べるたびに思ってしまいます。

揚げ饅頭は、その場で食べればいいのかもしれませんが、

土産袋に入ったものを買ったせいか、べちゃべちゃで食べれませんでした。

お土産って難しいですね。

 

 

路上に着物の古着を吊るしているお店がありました。

 

私は、スチームパンクに興味があって、

着物を洋服とあわせている画像をよく目にします。

 

現代風にアレンジしたり、センス良く着こなしていてとても素敵です。

藍染の反物は数万円するのに、古着は500円~と安く、

つい眺めていると、品のよい店員さんが出てきてくれました。

 

さすが、浅草で長年、お店を構えているお姉さまです。接客が上手で、

やり取りを楽しませてもらうことにしました。

 

店員さんは、まず、息子のマスクを上手に外させ、

息子の顔をイケメンだと褒めてくれました。

 

そして、とても嬉しそうに息子に似合いそうな着物を

選んでくれたのです。

 

安い中でも良いもので、似合う色のものを着せてくれると、

サイズもあつらえたようにピッタリで、なかなか良い感じでした。

 

新しい帯と合わせても、それほどしなかったので

購入してしまいました。

 

私も息子に着物を着せてみたかったので嬉しかったです。

 

息子からは、ああやって息子を褒められて嬉しくない親はいないだろうと、

上手な接客サービスだと言いいますが、店員さんも似合う人に着てもらうのは

嬉しいんじゃないかなとよい方に解釈することにしました。

 

 

そんな楽しいひと時をすごして、お店へ向かったのですが、

息子が指す場所にお店がありません。

その日、初めてのハプニングです。

 

とはいえ、スマホもあるし、探せばいいよーと確認をすると、

ブロックが1つずれていました。

 

「近くてよかったね」

何か起きても、余裕があれば、揉めることなんてないのに、

いつも揉めてしまうのは、心に余裕がないのかもしれません。

 

 

「蟹」のお店につくと、ドアは閉まっていて、

開店しているのか少し悩みました。

 

ズワイガニの食べ放題を頼んだのですが、

このお店は、ズワイガニの肩付きを

最初に6肩提供してくれて、食べたら追加で

4肩ずつ持ってきてくれるサービスでした。

 

私たちが、よほど慣れてないと思ったのか、

店員さんが不思議そうに眺めてきて

食べ方を教えてくれました。

 

 

ラスト30分前が最後のオーダーで、

追加を持ってきてくれそうになかったのですが、うちの息子は

ちゃっかりと交渉して、「時間内に食べきれます」と

しっかりもう1皿もらっていました(笑)。

 

ネットで見た食べ放題のお店は、バイキング形式で、

最初からお店に並べてあるところや、足だけ切ってくれてるお店や

鍋や焼いたりできる所もあるんですね。

 

結局、色々ある方が単価もあげられて、調理の時間分、

お店的にはお得なのかもしれません。

 

 

私たちが行ったお店は、冷たい蟹が出てくるだけだったので、

「おいしいけど、あったかい方がもっとおいしいよね」という

息子の感想になりました。

 

今回はごちそうしてくれました。

 

 

お正月には通販で買った3キロの蟹を焼いたり、鍋にしたりして

いただきましたが、やっぱり、あたたかい方がおいしいですね。

金額的にも自宅で食べた方がお得かもしれません(笑)

 

 

その後も彼は良い息子でいてくれますが、

学生の居候の立場の息子にとっては、

追い出されないための処世術の一つかもしれません。

 

 

作ったご飯を「おいしい」と感想をいってくれるだけで、

作り甲斐はあります。

 

 

ほんの少しの心の余裕を持てずに、

息子との関係が大きく変わるところでしたが、

今回は、結果的に楽しい思い出にできました。

 

 

私は私の親との関係がよくなかったので

家族というのは、私には難しい問題で

日々、考える大きなテーマなのです。

 

 

今回のような経験は、私の中の思い込みを壊し、

希望を抱くきっかけになりました。

 

人は変われると信じて、

少しずつ、良い形にしていきたいものです。