昭和6年6月25日
1931年
87歳
生きていたら親父の誕生日。
亡くなってもう4年になる。
子供の時から苦労して育ち晩年は病気で悩み苦しんだ。
死んでからは年が経つのは早い。
よその子が大きくなるのが早く感じるのと似ている。
この病気で体力が落ち最後の方は病院のベットの上での
生活が続いた。母はずっと付きっ切りだった。
口から物が食べれなくなり先生は胃ろうを勧めてくれた。
点滴だけでは体力は戻らないからと。
おやじは絶対に胃ろうはいやだと言っていたが
私は、少しでも体力が回復したら体が楽になるからと
おやじを何とか説得して胃ろうをした。
が、人間やはり口から食べないと胃が膨らんでも
食べた気がしないらしい。
胃に入れる物を食べてみたけどまずい。
胃ろうは延命措置で体力の回復とまでは言い難いと思う。
おやじは頭の良い人だったからすべてわかってたんだろうと思う。
この病気、体は言うこと利かないが頭は冴えている。
死ぬ間際まで見舞いに誰が来てくれたのか知っていた。
あの時、胃ろうを勧めなければ良かったと何年過ぎても思う。
だって私自身が今胃ろうは絶対するなと家族に言っている。
点滴(一般)ぐらいにしてそれで命が終わるのだったら其れで良いと。
(胃ろうという医療措置に反対しているのではありません。
あくまでも本人の意思を尊重すべきと思ってるのです。)
おやじの冥福を祈って週に1回は墓参りをしている。