あ〜あ...


そんなに、嫌なら断ればいいのに。


わざわざ同僚を連れて来なくても

言ってくれれば俺だって

しつこく誘ったりしないのに。


ひでぇよ...そりゃないぜ。





二「...若」


智「外で、そう呼ぶなっ!

てか、お前ぇ〜、あれほど付いてくんなって言っただろっ!!」


二「付いて来たのではないですよ。

見守っていたんです」


智「そーゆーの屁理屈っていうんだ!」


二「はいはい」


智「返事は“ハイ“ だろ!」



二「.....若、

お誕生日おめでとうございます」



智「...うっせ...」


二「帰りましょう。松本がケーキを作って待っていますよ」


智「...今年は何ケーキかな...」


二「若の好きなモンブランです。

...私からは、これを...」


智「何?チケット?」


二「はい。よろしければ今から私に付き合ってもらえますか?今日までの絵画展」


智「お!これ...行きたかったやつ!」



・・・・・



元気なフリをしていても

メンタルは繊細な若ですから...


かれこれ1時間

ただ空に浮かぶ雲の油絵の前から動かない


頼りなく丸く肩を落とした背中を

視線で支えるつもりで

少し後ろで控えている



産まれた瞬間...決められた未来


こんな世界にも関わらず

素直で優しい男に育ってくれた

その優しさが将来 邪魔になる事もあるだろう

虫1匹殺せない性分で

取った取られたの侠い道を

血の定めで歩くこの人を


私は命を懸けて守る覚悟



あの...無礼な輩に制裁を加えるのは容易いが

若がそれを望まないだろう

あの絵が、哀しみを昇華させ

いつもの柔らかい

綿菓子のような笑顔が戻ったら...



私の、この怒りも鎮めましょう...。
























突然始まったコリウス。

花言葉が「叶わぬ恋」だとか。

ハッピーエンドがお約束のはずが

なんとまぁこのオチのない終わりかた←

また行き詰まったら、いつか続きを。

因みに。

常に黒スーツのニノは10歳は上。

若は23歳くらいかな。