知念✴︎




別れたからといって

二人きりの夜に

何も起こらないはずがない...


片方が既婚者だろうが...

今だけは...倫理なんて関係ない...




【今、電話していいか?】

届いたメッセージに躊躇する...

昨日から櫻井さんに、なんて説明しようか考えていた...。

兄さんの腰の傷を気付かないはずがない


嘘はつきたくない


僕が本当の事を櫻井さんに伝える事を兄さんは...怒るかもしれない


でも...知ってほしい


櫻井さんは...知らなきゃいけない


..10年以上付き合って...この先も一緒にいようと二人で決めた関係なのに


どうして...櫻井さんに

あれほどまでに結婚を強要したのか




・・・・・



翔✴︎



どうしても


あの傷が気になって仕方ない


一度、はぐらかされた事を

何度も問いただしても...絶対に答えてはくれない


知念なら...知っているはず


智君が話さない事を知念が簡単に口を割るとは思ってない...でも、あの子はきっと話してくれる


“智君が言わない“ のは、恐らくは俺に関係しているからだ


そして...もし、そうなら


知念は俺に、きっと真相を話す




デビューの話もあったのに

表舞台を断って裏方へと回った時

『本当にそれでいいのか』と問いただした。

あの子は言ったんだ


『デビューするよりも大野さんの側で働きたい』


ジュニアのレッスンを大学と両立し...結果、今…公私共に智君の一番の理解者だ

業界にも精通し、今後の智君の活動も支えてくれるだろう...


...あの傷が少しでも俺に関係しているなら

彼は...俺に本当の事を話してくれる

そうじゃなきゃ...昨夜、俺達を二人きりにしなかったはずだ...