智のバイクにはGPSが仕込んである。

高性能のそれは『だいたいの場所』なんかではなくピンポイントで位置を特定出来る。


明らかにおかしな走り方をしている

人通りのない道ばかり...


何者かを自分のテリトリーに連れ込むように



耳に付けた機械から着信を知らせる音。

岡田君だ...



岡「今、どこだ」


二「△山のウチの管理倉庫に向かっているようです」


岡「分かった。直ぐ向かう。俺が行くまで...智を抑えろ」


二「はい...ですが...振り切った智を止められる自信はないです...」


岡「それでも、止めるんだ。智を犯罪者にしたくないだろう?」



...自分が盾になってでも

相手を守れ、と言っているんだろう


智は俺に手を出さないだろうから...



智のバイクが止まった


予想通り...ウチの資材倉庫


スピードを上げる




相手が一人とは限らない

幾ら智でも大人数には勝てないだろう?

俺が行くまで...待て...



子供の頃...智とイタズラをしては近所の親父に追いかけられた思い出の道を更にスピードを上げて走る...今じゃ誰も歩いていない


そう...ここは俺達の庭


好きなようにさせるわけにはいかない




・・・・・



俺が呑気に...



雅紀の部屋で昼寝していた頃


とんでもないことが起きていたなんて...






あの...笑顔を





二度と見る事が出来なくなるなんて...





















さて...どっちの笑顔?

ふにゃん?ニカッ?