智「...お前の頭ん中...お見通しだぜ...?

...ふ...ケナゲだな...、思い通りになんかさせてやんないよ?...他人の手ぇ借りずに、貫いてみろよ...」


まるで以前の自分を見ているようだ。

どうせ叶わない恋ならば自分にも相手にも

何か一つでいいから

消えない痕を残したい

稚拙な考え...


相「...分かったふうに言ってんじゃねぇ...ヤれよ...一思いに」


智「.あ?..誰に指図してんだ?...黙ってろよ」




・・・・・



嫌な音がした...


雅紀が小さく呻いて動かなくなった



顔を上げ俺を見据える智君を


怖いと思った...



雅紀の横に膝を落とし息があるかを確認...

智君の手にはまだ刃物があるが

それで刺されたのではないようだ...



智「殺しはしない...アンタの事もどうこうしようとは思っていない。

だが...ウチは二人も手を出された

何もしないわけには...いかないんでね...」


翔「...俺には何が何だか分からないんだ...一体...どうなってる...?どうして智君がここにいるの?」


智「...さあな...今日のところは失礼する」


翔「待って!!」



・・・・・



智の怒りは天辺を超えていたが

相葉に刃を立てる事はしないで

先に折れていた骨を完全に肺に押し込んだのだろう...まぁ...死にはしない



二「...知りたいなら...自分の親に聞くんだな...。

この落とし前は...きっちり取らせてもらう」


翔「............」



前を歩く智の後に続く


途中、手に持っていた汚れた刃物を投げ捨てた


証拠になり得る物を置いていくなんて

バカだなぁ...と、思いながら

どーにでもなるか、と思い直す


たかが雑魚の一人や二人...


ボスの泰然たる背中も


そう語っていた