僕は...戸籍上、翔君の妻で海斗の母。

だけど...いくら髪を伸ばしても
骨張った腕を隠す服を着ても


お父さんにしか見えない...んだ


今までは...小さなコミュニティだったから誤魔化せた事が...
これからは、同じようにはいかないだろう

翔君はいつも隠す事はないと言ってくれるけれど、敢えて公表して僕に危険が及ばないようにと、万全を期してTVの仕事を全て辞めた...

今の時代、性別の区別には寛容。
僕は体も心も男性だ...けれど、体は半分女性でもあった...
正確には今も、男性にはない臓器がある

こんな、不思議な『お母さん』を、これから出会う人達は受け入れてくれるのだろうか...

待って...

カイは...?

そもそもカイは..この先、デリケートな思春期を迎える頃、僕を受け入れてくれるの...?
僕だけじゃない...僕を選んでくれた翔君を軽蔑したりしないかな...


それは...いやだ

僕の事も翔君の事も...カイだけには理解して欲しい...

これって...ワガママかな...

カイに酷な事を望んでいるのかな...

僕は...ダメなお母さんかな...