翔「それで言うなら...どうして智君はあそこにいたの?人混み...しかもあんな身動き取れないような場所、苦手でしょ?」


智「あの頃...音は聞こえなかったけど...大きな花火って地面に響くでしょう?

だから...聞こえないはずなのに花火を見ながらだとね...音が聞こえるような気がして...」


翔「あの時...タチの悪い男達が智君の事、狙ってたんだよ?」


智「...また、馬鹿なことを...(笑)」


翔「その自覚ないの気を付けね。

今だって俺は智君が一人で出掛けるの心配してるんだからね」


智「それ、翔君よく言うけど...こんなオジサン、誰も相手にしないよ?もうカイもいるし」


翔「またそんな呑気な事を...海斗が一緒だと女性にも声かけられる事が増えたでしょ?

だから、フェスも気を付けてね?」


智「はいはい(笑)」


翔「楽しみだね...。

海斗と三人で見る花火...」


智「...うん...。美味しいの、いっぱい食べようね。あ!ござ、いるかな?」


翔「ふふ...最近はピクニックシート、って言うらしいよ(笑)」



智君は、遠足に行くみたいに準備を始めた

荷物はほぼ海斗のものばかりだけど

いつもは少な目の荷物も今回はそうはいかないみたいで。


子供の頃...遠足とかにあまり縁がなかった智君だから..海斗と二人、楽しそうに準備している様子を見ていると...



たまらなく



幸せだと思う...



この先


何が起きようと




絶対にこの二人を俺は


幸せにしようと思う...