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二「いつ行く事になったの?」


智「二ヶ月後。松兄は来週から行くけど」


潤「なんで一緒に行かないんだ?」


智「どうしても最後まで診たい患者さんがいて。

向こうの病院が欲しいのは松兄で、僕は別にそうでもないんだ(笑)」


潤「そんなはずないだろうよ。ウチの院長、智が渡米するの猛反対してるって話だぜ?」


二「そりゃ、心臓外科のツートップが居なくなるのはかなりの痛手だよ」


智「僕はそんな大層な事ないよ。次の医師もちゃんと目処がついてるみたいだし。

良い機会だから色々と経験を積んでくるよ」


潤「寂しくなるけど...、でもまぁ、智が幸せそうだから良しとする!」


智「ふふ...そ?僕、幸せそう?」


二「おうおう、幸せボケ太郎だ(笑)」





松兄は、ずっとアメリカの病院から呼ばれていて。ああ見えて、腕は超一流で。

こっちの院長はずっと渋ってしたんだけど、今の日本よりアメリカの方がもっと色んな症例に立ち合えるから、長い目でみて松兄を修行に出す事にした、って言ってた。

5年で帰って来れるか...分からないけど、僕も一度、外の世界を見てみたくて一緒について行く事にした。


アメリカに行ったら、仕事も...医者に拘らず

何か...別の仕事でも出来れば面白いかも。


二「馬鹿な事、考えてないで、お前も腕磨いてきな。で、帰って来たら沢山の命、助けなさい」


智「...ふふ...そうだね」



...と、お見通しのニノには言ったけど



僕はもう...医者は辞めようと思ってる


全く別の...人生を歩いてみたい



この仕事を続けていると


どうしたって...思い出してしまう




僕は今...最高のパートナーがいて

不安も心配も何もないのに...

白衣を着れば、どこからか『似合ってる』って声が



まだ...聞こえるんだ…