海「…じゅんばん…じゅんばん…」
海「…じゅんばん…じゅんばん…じゅんばん…じゅん…ばん…」
☆*:.。. oo .。.:*☆
翔「…ねぇ、智君。
海斗はさっきから何してんの?」
智「ん?待ってるの」
翔「待ってる?自分の番がくるのを?」
智「そう。だいぶ…抜かされてるけどね」
翔「おかしくない?どうしてさ、ちゃんと待ってる海斗を抜かして行くのさ?!」
智「うん。そうだね。ちゃんとはみ出さず並べていたらカイにも順番はきっと回ってくるんだけどね。翔くん、よく見て?」
カイは少し前から幼児教育のDVDを暇さえあれば見てる。僕と同じでハマるとドンドン虜になっちゃう。それは悪い事じゃなくて。
そのDVDも、とても為になる事を子供にも分かるように映像化されていて。
その中で、順番を守らないお友達と喧嘩にならないようにするにはどうすればいいか…と言う内容があって主人公の動物君がとても楽しいリズムに合わせて
♪♪♪順番、順番、守りましょ〜♪♪♪歌って踊る
そして、みんな仲良く手を繋いで終わるんだ。
そして、今。
カイトにとって初めての大きな複合型の滑り台で、少しだけ怖気付いてるんだろう。
ほんの少し躊躇して進めなかった所に後ろからきた自分より大きなお友達にせっつかれ自然と列から外れてしまってる。
並んでないんだから、自分の番は来ないんだけど、滑らないのはちゃんと順番を守ってるだけで...
決して初めて見る大きな滑り台が
怖いんじゃない...!
" 僕は順番を守れるイケメン紳士 "
であって弱虫じゃないもん!...が、今のカイの心の中。
堪らずカイの所へ行こうとする翔君の腕を掴む。
智「もう少し、我慢して見てて」
翔「でも…」
滑っては登りまた滑る、を繰り返す子供達の列の中に、カイよりも大きなお姉ちゃんが、自分が滑る番が来た時に必ずカイに何かを話しかけてくれている。
これで、4度目。
そして…
そのお姉ちゃんに手を引かれ
足の間に挟んでもらいバックハグで無事に滑る事が出来たカイは初めて見る表情...。
嬉しい?恥ずかしい?
違う、照れてるんだ…
智「可愛い…♡。ね?」
隣の翔君は…
.........
智「…翔君…最近、涙脆いよね…」
翔「だってぇ〜、
海斗がぁ…女の子とぉ…グス」
なんか...翔君も、可愛いね。