僕はさとちゃんが具合が悪い時、分かるんだよ。
どうしてかは分かんないけど。
さとちゃんは自分が痛かったり、しんどい時は我慢ばかりしてしまうんだ。
さとちゃんの本当の声が僕に聞こえてくるのは
神様が僕に残してくれた不思議な贈り物じゃないのかな〜って。なんとなくだけど思ってるの。
僕が早く喋られるようになれば翔君に教えてあげられるのに、僕、まだ上手に喋れないからさ
神様が、僕を守ってくれたさとちゃんの事を今度は僕が "守る" お返しをしなさい!、ってことかな?って。
さとちゃんが具合悪いと、僕も心配で心配でたくさん眠れないし、ご飯も食べたくなくなるんだ。
悲しい気持ちになって直ぐに泣きたくなるし…
そんな時は、さとちゃんはどんなに忙しくても僕を病院に連れて行ってくれるから、その時にさとちゃんも診てもらってる。
さとちゃんは翔君にバレないように隠すんだ。
翔君は心配性だから、さとちゃんや僕が少しでもしんどいと大騒ぎしちゃう。
だから、さとちゃんは無理に平気なフリするんだ…だから、僕はさとちゃんの声を一生懸命に聞こうと毎日頑張ってるんだよ。
さとちゃんは僕を命懸けで産んでくれたから…
僕の為に耳の手術もしたし…
さとちゃんが具合悪いと翔君はとっても心配するんだ…いつも寝ないでずっとさとちゃんのそばにいる
翔君も思ってるのかな…
僕が…
僕がさとちゃんの
命を縮めたんじゃないか…って
神様なら教えてくれるかな…
僕は本当に産まれてよかったのかな…