そうだ…松潤…

いつものように診察が始まる前に松潤に診てもらっているだろうから…

もしかしたら...海斗の容態が悪くて電話に出れないだけかもしれない…

もうすぐ…東京駅に着く
新幹線を降りてから松潤に電話しようと席には戻らず扉の前でスピードが落ちていくのを待った。



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M


出ない…智への電話もそうだが
翔君の電話も繋がらない…

一体…どうなってるんだ…


俺は明け方に破水した妊婦さんの緊急帝王切開で診察時間ギリギリまでオペ室にいた。

やっと全てが落ち着いてスマホを確認したら
智から海斗が発熱で診て欲しいとLINEが来ていた。

折り返しても電話にも出ない。

受け付けで智が来ていないか聞くと対応したのは先週採用したばかりの看護師さんだという




…なんて事を…




ウチの病院のスタッフは親父の代からの長い付き合いだ。この新人看護師さん以外のスタッフは全員、智と海斗の事は知っていて産婦人科であるここが海斗のかかりつけなのも承知してくれている。

怒っても仕方がない…このスタッフは知らなかったのだから

仕方がない…と、分かっていても

繋がらない電話にイライラが増す

ガンッ!!!

思い切りゴミ箱に八つ当たりだ…

父「 潤 」

渋い顔をした親父に嗜められる。バツが悪い俺は素直に頭を下げられない…

父「松岡君の所へは連絡したのかい?此処がダメなら智君なら次、どうする?自分ならまだしも具合が悪いのが海斗君なら、そのまま家に戻ったりしないと思うが?」

その通りだ…

智は自分が体調が悪くても我慢するが海斗の事は、そうじゃない。

そして...ここと松岡先輩の所以外には絶対に行かないだろう...



俺は、直ぐに松岡先輩に電話した。