翔「…ぅッグ…さ、としくん…」


智「…翔くん…泣かないで?…しょおっく…ん、翔ゥっく…ん…ッ…」


翔「智君…聞こえ…るんだね?」


智「…うん…少し…ばわんとしてるけど…聞こえる…聞こえるよ、翔ぉ…く…ぐすっ…グスッ…」


翔「良かった…聞こえる事もだけど…目が覚めて…起きてくれて…良かったよ…」



海「ぁーーちゃん‼︎‼︎ぶぅーーーー‼︎」

智君の胸元で不思議そうに俺達の様子を見ていた海斗が、自分に気付け!とばかりにほっぺを膨らませる。

松潤は智君に繋がれた機器の数値を確認してくれたり医師らしく動いてくれていた。



   トントントン



相「先生、連れてきた!」


茂「目ぇ覚めたってぇ??」

いつも通り落ち着いた様子の先生。


翔「はい!」


先生は俺の肩をポンと一つ叩いて智君のベッドに乗ったままの海斗を抱き上げると

茂「カイちゃん、良かったなぁ〜。やっと、さとちゃん起っきしたなぁ〜。ちょっとだけ父ちゃんとこ行っとこか?」

海「ぶぅーーぅ‼︎‼︎」


手足をバタバタさせる海斗を回収し、城島先生の診察を見守る


茂「どうや?気分悪いとかないか?」

智「はい…」

茂「耳は…聞こえてるな…。明日まで絶対安静や。詳しい検査はそれからな。
傷口も最小限で済んだからな安心しぃ。
いっぺんに音が溢れると脳が疲れるから、また眠ろう。次、スッキリ目覚める為に…」

そう言いながら先生はお母さんへ目配せした。

茂「今回も…お母さんに助けてもろたんよ」

智「え…?母さん…?
誰の…??
僕には…もう母さんは…いない…よ…」

茂「おるよ。ちゃんと、ここに」

先生が隅で小さくなっているお義母さんをベットサイドに連れて来た


母「……さとし…、ごめんなさい…今更、のこのこと…出てきて…本当に…ごめんなさい…」