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智「カイは?」

翔「大丈夫…今晩は相葉ちゃんちでお泊りさせてもらう事にしたんだ…」

智「…泣いてないかな…」

翔「どうしてもダメな時は迎えに行くって言ってある。海斗の事もだけど…智君の事を今日は一人にしたくなくてさ…松岡先生に無理言って泊り込むの許してもらった」

智「んふふ…だから個室じゃなくて良いって言ったのに。大部屋なら一人じゃないのに…」

翔「ダメだよ…他の男と同じ部屋なんて…何かあったらどうすんの…」

智「何があるんだよ…(笑)」


いつもと変わらずに落ち着いているように見えるけど…

俺には分かるんだよ…

何日か前から眠れていないよね

元々、食は細いけど…この所、殆ど食べていない

絵を描く事も出来ずに…

怖くないはずがない

自分を落ち着かせようと海斗をずっと抱きしめていたよね。
きっと…自分でも気付いていないんだろう…。

もっと弱い所も見せてくれたらいいのに…






消灯時間が来て、俺はソファーに横になった


ベットライトのオレンジ灯が
智君を照らしている

眠れないんだね…眠剤も飲んだのに。


俺はそっと智君の隣に潜り込んだ。


背中から抱きしめて…耳の生え際に唇を寄せた。


このまま抱きしめて寝るのもいいよね
明日から暫くは点滴やなんかの管で抱きしめるのも難しくなるだろう…

小さく震えているのは智君なのか…俺なのか…


少しずつ…高くなってきた体温…


このまま眠ってしまえばいい

何も心配なんて要らない

先生に任せておけばいい
俺に任せてくれればいい

ただ…もう、何も諦めないでさえいてくれれば
それで、いいんだ。


スースー…と、やっと静かな寝息が聞こえてきた


俺の


震えが伝わらないように…

起こさないように…


そっと

智君に回した腕を外して


自分の二の腕をきつく掴んだ…