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茂「ほな、ここにサイン頼むわ」

翔「…はい…、
...あの、もう一度だけ...確認ですが…本当に大丈夫なんですよね?」

茂「絶対はあらへんから…そやから同意書にサインしてもろてるんやんか」

翔「……だったら…やっぱり…」

松「…(笑)…安心していい。絶対大丈夫と確信はあっても執刀医としては『任せて下さい』とは言えても『絶対大丈夫』とはなかなか言えないもんでね…。が、一般論なんだが...。
言うんだよ、この人は。『大丈夫、問題ない、ワシに任せときぃ〜』って(笑)
このオジサン、こんなだけど腕はかなりのもんだよ。俺が押すよ…太鼓判」

翔「…はい…あの…俺、本当は智君の耳が聞こえない事よりも智君を失う事の方が耐えられない…もし、もし万が一の時は…絶対に智君の命を優先してください」

茂「分かっとるよ。でもなぁ〜そんな深い所の手術じゃないから...安心して任せときぃ」

松「…ははは…だってよ。
君が患者みたいな顔してるぜ?智は相変わらず穏やかなのに。
勿論、今からでも止める事は出来るぞ?」



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あの日…智君に結婚しようと言った俺に応えてくれた智君。

直ぐにでも東京に二人を連れて帰りたかったけど、相葉ちゃんのお母さんから海斗の事を考えたら、ちゃんと環境を整えてからじゃないとダメ…と言われ、それから俺は芸能界を綺麗に引退し個人事業主として生活の基盤を作り上げた。

そして…東京ではなく、智君と海斗を見守ってくれたこの地で生きていこうと決めたんだ。

ネット環境があれば何処ででも出来る仕事だ。
海斗を育てていくのに山も海も直ぐそこにあり、人が温かい。何より…俺がとても気に入っている。

東京で二宮君は独立しデザイン事務所を立ち上げた。
もちろん、相葉君と一緒に。
その事務所の所属アーティストは大野智。
彼はかなりのやり手で業界では若いのに有名人。
智君が海斗を妊娠出産する為に仕事をしなくても生活出来るだけの収入を得ていたのは彼のおかげでもある。

二宮君達が軌道に乗った頃、俺はこの地に引っ越し、三人で穏やかな静かな毎日を楽しんでいた。

そこに現れたのが…


城島先生だった