母「さっ!行くよ〜。今日はお祝いだ!父ちゃん、もう店閉めて宴会するよ!俊ちゃんも、ほんで、あんた?え〜っと…誰だっけか?」

相「カズだよ!和也!」

母「そうかい、そうかい。カズちゃんね!さ、行くよ」

母ちゃんは調子よくみんなを捲し立てて下へ降りて行った。
もう、泣いてなかった。母ちゃん、やっぱ最強だな。

サトちゃんが悪阻で辛い時も、切迫流産で絶対安静だった時も松潤は出産まで入院をすすめたけど、母ちゃんがウチで看るって譲らなかった。
そりゃあ絶対に自宅療養じダメな時は松潤だって入院させたけど。
母ちゃんはサトちゃんの "母さん" になるって決めてたんだと思う。
サトちゃんは男だけど、カイがお腹にいるサトちゃんを娘だと思ってたんじゃないかな…
安産祈願を兼ねてみんなで腹帯授かりに行ったり、体調が安定している時は2人で赤ちゃんの準備に買い物に出掛けたり…。

父ちゃんは、もし赤ちゃんがダメだった時に余計に辛くなるといけないからベビー用品を買うのを良く思っていなかった。
けど、母ちゃんは…サトちゃんでさえ、諦めた事もあったのに、
母ちゃんだけは、信じてた。
サトちゃんも赤ん坊も絶対に無事だって。
松潤や松兄よりも信じてた。

無事にカイが産まれてからも本当の孫みたいにカイを可愛がった。
成長が少しのんびりなカイをサトちゃんは自分のせいじゃないかと悩んでいる時も
「カイちゃんはカイちゃんのペースで大きくなるんだよ!赤ちゃんみんなが教科書通りに成長したら、そこらじゅう同じ子供であふれるじゃないか!ロボットやお人形じゃないんだよ!」

口ではそう言っていたけど、お客さんに保育士さんがいたらカイの事を聞いていたし、こっそりカイと同じ位の赤ちゃんが通う教室みたいな所を覗きに行ったりしてた。

やっとつかまり立ちと伝い歩きが出来るようになったけど…なかなか歩いてくれないカイにみんな心配してけどカイは大きな病気もなくサトちゃんが心配していた性も男の一方だった。
表情豊かで愛らしいカイだからそこまで心配していなかった。常に松潤や松兄がカイを診てくれていたし…

みんな、どちらかというとカイを心配するサトちゃんを心配してた。思い悩んでどんどん痩せてくサトちゃんに…

翔ちゃんが会いにきて

サトちゃんはカイが翔ちゃんとの子供だって認めないのに…

カイが…翔ちゃんの事を "父ちゃんだね!" そう言いながらサトちゃんに歩いて行ったように見えて、また泣けた…