もう、二度と僕の顔なんて見たくなくなるくらいに酷い男にならなくちゃ…






智「…しょうくん…ほんとうに ごめんね

あんなふうに でていって…ちゃんと おれいも

いわないで…。

ぼくね、しょうくんじゃない ひとを すきに なったの…。

しょうくんも ほんとうは おんなのひとが よかったんでしょう? おたがいさま だよね?

あ、カイは そのひととの こどもだから

しょうくんの こどもじゃ ない…んだ…よ…」


自分で言ってて泣きそうになる…

ちゃんと聞き取れたかな…
翔君は、僕にいつも口パクじゃなくて "智君の声が聞きたい" そう言ってくれていたね。
この声はカイにしか聞かせていない。
でも、僕の声がカイの言葉の発達をもしも邪魔しているのなら…翔君が聞き取れないならもうカイに話しかけるのもやめたほうがいいかな…

翔君からの返答を待ちながら、そんな事を考えていた…

聞き取れなかったのかな…

そぉっと、翔君を腕の中から解放する。

…と

今度は僕がガシっと翔君の両手でほっぺを包み込まれた


翔「…うそつき…」

智「…うそじゃ ない…ほんとう…」

翔「…じゃあ…どうして ないてるの ? 」


泣いてる?

僕が?


翔君の親指が僕の目の下をなぞる

そして…


そのまま


触れるだけのキス



閉じた目から

ちゃんと自覚ある涙が溢れ落ちた…