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相「美味しかった?」
智「お、い、し、か、っ、た」
相「良かった良かった!!さて、行く?」
智「う、ん。ご、め、ん、ね」
相「ごめんは✖️」
智「…(笑)…あ、り、が、と」
相「そう!◎!まる!」
今、助手席にちんまり座ってるのはサトちゃん。去年、ウチの店の前で倒れていたのを母ちゃんが見つけた子。どこの誰かも分かんないけど凄く綺麗な顔してて母ちゃんが一目惚れしたんだ。
店の二階が父ちゃんが大家のハイツになってて管理人室に寝かせて様子見てたんだけど目を覚ましてビックリ!男の子だった!
てっきり女の子かと思ってたんだよね。
それで、耳が不自由で倒れていたのはお腹が減ってたみたいで(笑)
三日も何も食べてないって言うからさ、父ちゃん張り切ってラーメン食わしてた。
そしたら、紙にずっと食欲が無かったけど美味しかったって書いてくれて。
そんで、住む所も決まってないっていうからさ、もうこのまま空いてる部屋に住んじゃえば?ってなってね。
んで、今は俺の隣の部屋に住んでる。
そ、カイと二人で。
カイはね…さとちゃんの子供。
海斗って言う名前。
男なんだけどお母さんのサトちゃん。
難しい事は気にしない。
そういう難しい事は松潤が担当。
俺は単純だからさ。
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サトちゃんが俺の隣に住んで1カ月が過ぎた頃どんどん痩せてって…
何かの病気かもしれないって父ちゃんが俺の幼馴染の松潤の所に連れて行ったんだ…
松潤は直ぐに実家の産婦人科医院に連れて行った
そしたら…サトちゃんのお腹にはカイが宿っていたんだ…
サトちゃん…泣いてた…
嬉しくて…オエオエ言いながらお腹に愛おしそうに手を置いて泣いてた…
サトちゃんの身体では妊娠も出産もかなり危険で母子共が無事に、は難しいって松潤父ちゃんが言って…それでもサトちゃんは産むって譲らなかったんだ…
いくら反対してもサトちゃんは産むって言うし、これ以上、みんなが反対してたんじゃきっと、何処かに消えちゃいそうだからってウチの母ちゃんが…言ってさ。
この街に来たのもきっと…何かからサヨナラしてきたんだと思うんだよ…また、一人で寂しい思いしないようにみんなで見守って行こうって決めた!
今日も今からサトちゃんの定期検診に行くんだ。
カイはウチの母ちゃんの背中で寝てる。
起きたらサトちゃん居ないから泣くかもしれないけど…こうやって、みんなでカイを育てていくんだ。