ペンと紙を用意してしっかり学習なされている皆さんはプロになれます。とりあえずつるかめ算だけですが(笑)
 
これまでは2量のつるかめ算を扱ってきましたが、3量のつるかめ算もあります。
 
パターン別に見ていきます。
 
「1本の値段が40円、70円、90円の3種類の鉛筆を合わせて27本買って1800円支払いました。40円の鉛筆と70円の鉛筆を同じ本数ずつ買ったとき、90円のえんぴつは何本買いましたか。」
 
問題のパターンをわかりやすくするために方程式で見てみましょう。
 
40円、70円、90円の鉛筆の本数をx、y、zとすると
 
x+y+z=27
40x+70y+90z=1800
x=y
 
未知数が3つ、方程式が3つあるので、これは連立方程式で普通に解けることがわかります。
普通にというのは前回あつかった不定方程式ではないということです。
 
つるかめ算で解くには「同じ本数ずつ買った」ことを利用します。
 
40円と70円の鉛筆は同じ本数ずつ買ったので、これを((40+70)÷2=)55円の鉛筆として考えます。
40円と70円の鉛筆を1本ずつ買うと110円、当然ですが55円の鉛筆を2本買うと110円で、同じ金額になります。
 
「40円、70円、90円の3種類の鉛筆を合わせて27本、合計1800円」
→「55円、90円の2種類の鉛筆を合わせて27本、合計1800円」
 
のように普通のつるかめ算にできます。
 
あとはだいじょうぶですね。
もしすべて55円なら(55×27=)1485円
でも本当は1800円で、その差は(1800-1485=)315円
この差は55円でなく90円であったことから90円の鉛筆は(315÷(90-55)=)9本買いました。
このような問題は次のように出題されることもあります。
 
「1本の値段が40円、70円、90円の3種類の鉛筆を合わせて27本買って1800円支払いました。90円の鉛筆の本数が70円の鉛筆の本数の3倍のとき、90円のえんぴつは何本買いましたか。」
 
3倍のところが「本数の比が3:1」などと比でかかれている問題もありますが同じです。
90円の鉛筆と70円の鉛筆の買った本数の比を③、①とします。
このとき、90円と70円の代金は(90×③+70×①=)○340です。
これを本数の合計(③+①=)④でわると、90円と70円をまとめた1本あたりの金額(340÷4=)85円が得られます。
 
あとは同じですね。
 
「1本の値段が40円、85円の2種類の鉛筆を合わせて27本買って1800円」となります。
(1800-40×27)÷(85-40)=16
となり、85円の鉛筆は16本買っています。
90円の鉛筆と70円の鉛筆を③本、①本買っていたので、90円の鉛筆は(16÷4×3=)12本です。
 
類題をもう1問
 
「1個の値段がりんごは180円、かきは120円、みかんは90円です。この3種類をあわせて30個、4200円ちょうどで買いました。かきの個数がみかんの個数より5個多くなるように買ったとき、りんごは何個買いましたか。」
 
かきの個数とみかんの個数が等しければ問題は易しくなります。
 
それでは同じ個数にすればよいと考えた皆さん、すばらしい。
 
かきが5個多いので、5個お店に返すことにします。
すると合計の個数は(30-5=)25個、合計金額は(4200-120×5=)3600円になります。
この問題は
「1個の値段がりんごは180円、かきは120円、みかんは90円です。この3種類をあわせて25個、3600円ちょうどで買いました。かきの個数とみかんの個数は等しくなるように買ったとき、りんごは何個買いましたか。」
に変わりました。
120円と90円→((120+90)÷2=)105円
すべて105円とすると(105×25=)2625円、でも本当は3600円。
(3600-2625)÷(180-105)=13
となり、りんごは13個です。
 
それでは復習テストをどうぞ。
 
「全部で302個の石けんで、8個入りの箱Aと、6個入りの箱Bと、3個入りの箱Cの3種類で合計50箱つくりました。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)BとCの箱の数が等しいとき、Aの箱は何箱ありますか。

(2)AとBの箱の数の比が2:3であるとき、Cの箱は何箱ありますか。

(3)Aの箱の数がCの箱の数より4箱多いとき、Bの箱は何箱ありますか。」
 
(1)BとCの1箱に入っている石けんの数をまとめとると(6+3=9、9÷2=)4.5個です。
もしすべて4.5個であるとすると石けんの数は(4.5×50=)225個で、全体の差は(302-225=)77個です。
1箱あたりの差は(8-4.5=)3.5個なので、Aの箱の数は(77÷3.5=)22箱です。
 
(2)AとBの箱の数の比が2:3なので、Aが②箱、Bが③箱とすると、
石けんの数は(8×②+6×③=)○34個で、B、Cの1箱に入っている石けんの数をまとめると(○34÷⑤=)6.8個です。
すべて6.8個であるとすると石けんの数は(6.8×50=)340個、
全体の差は(340-302=)38個です。
よって1箱あたりの差(6.8-3=)3.8個なので、Cの箱の数は(38÷3.8=)10箱です。
 
(3)Aの箱の数がCの箱の数より4箱多いので、Aの4箱分を全体からひくと、
全部で(50-4=)46箱、(302-8×4=)270個です。
このとき、AとCの箱の数は等しくなるので、AとCをあわせて((8+3)÷2=)5.5個とします。
すべて5.5個のとき、石けんの数は(5.5×46=)253個なので、
全体の差は(270-253=)17個、1箱あたりの差(6-5.5=)0.5個となり、
Bの箱の数は(17÷0.5=)34箱です。
 
まだ続きます。
俗名「いもづる算」というものもあります。前回の「弁償算」というのも俗名と書きましたがこれは記憶にある限りもともとある名前ではなく「予習シリーズ」で広められたものかと思います。いもづる算も弁償算もつるかめ算の応用、または派生問題です。
 
さていもづる算の問題です。
 
「1個40円のあめと1個70円のチョコレートを何個かずつまぜて買うと420円でした。このとき、あめは何個買いましたか。」
 
例によって方程式で見ると、あめの個数をx個、チョコレートの個数をy個とすると、
 
40×x+70×y=420
 
今度は和の関係がひとつしかありません。
未知数が2つで、方程式は1つなのでふつうは解けませんが、x、yのどちらも(0以上の)整数なので、x、yを求めることができます。このような方程式を数学では不定方程式といいます。簡単なものは中学で、やや難解なものは高校で習います。
 
さて「いもづる算」では、どう解くのでしょう。
 
基本的には上記の式を作り、その式で成り立つ数を探していきます。
この問題の場合なら、
チョコレートだけならぴったり(420÷70=)6個買えます。
あめ7個とチョコレート4個の値段は等しいので、チョコレート7個のうち4個をあめ7個と交換して、チョコレート2個、あめ7個とわかります。
 
倍数に注目して考えるのもよい方法です。
 
ある数の倍数に、その倍数をたした数はやはりある数の倍数になります。
具体的には3の倍数に3の倍数をたすとやはり3の倍数になります。
 
m、nを整数として2つの3の倍数を3×m、3×nとすると、3×m+3×n=3×(m+n)です。
 
40×x+70×y=420で、70×yと420は7でわりきれます(7の倍数です)から、40×xは7の倍数となり、40は7の倍数でないのでxは7の倍数です。この式にあてはまるxは7しかありません。
 
もう1問。
 
「1個40円のアメと1個50円のチョコを買ったら310円でした。アメは何個買いましたか。」
 
アメの個数をx、チョコの個数をyとすると、
 
40×x+50×y=310
 
です。
 
この問題では310が40でも50でもわれませんから、前の問題のようには解けません。
基本的には成り立つ数を探すのでした。
 
y=1のとき、40×x=260で成り立ちません。
y=2のとき、40×x=210で成り立ちません。
y=3のとき、40×x=160で、xは4です。
このとき、アメは4個、チョコは3個です。
 
アメ5個とチョコ4個は金額が等しく取りかえることができますが、アメは4個しかないので取りかえることはできず、答えはこのときだけです。
 
40×x+50×y=310を10でわって簡単にすることができます。
 
4×x+5×y=31
 
4×xは偶数で、31は奇数なので5×yは奇数となり、yも奇数です。
よってyには1、3、5と奇数だけ考えます。
 
簡単にしたあと1の位で考えるのもよい方法です。
 
5×yを計算すると1の位は5です。(0は上記の奇数、偶数のことからありません)
すると4×xの1の位は6です。(31-□5=△6)
31より小さい数で4×x=□6となるのは16しかありません。
よって、4×x=16からxは4です。
 
さらに1問。
 
「1本80円のえんぴつAと、1本120円のえんぴつBがあります。AとBをとりまぜてちょうど1600円分買います。このような買い方は何通りありますか。」
 
80×x+120×y=1600
 
より、この式を40でわり
 
2×x+3×y=40
 
y=0のとき、x=20が成り立ちます。
2×x=3×yならば、x:y=3:2なので、x3本とy2本は取りかえ可能です。
x=20、y=0のときから、xは3減らし、yは2増やしても成り立ちます。
 
(x,y)=(20,0)、(17,2)、(14,4)、(11,6)、(8,8)、(5,10)、(2,12)
 
混ぜて買うので(20,0)はありません。よって、残りの6通りです。
このように1つ求めて次々に残りを求めていくことから「いもづる算」というのですね。
 
つるかめ算は応用範囲が広い解法のひとつです。
 
次の問題は数学の連立方程式でもよくでる問題です。よって消去算でも解けますが、つるかめ算を応用して解くこともできます。
 
「ある中学校の生徒数は、昨年は男女あわせて1000人でしたが、今年は男子が10%減り、女子が20%増えて、全体では20人増えました。
昨年の男子は何人ですか。
また、今年の女子の人数は何人ですか。」
 
もし、男女ともに10%減だとしたら今年の合計の人数は(1000×0.9=)900人です。
でも本当は(1000+20=)1020人で、実際との人数の差は(1020-900=)120人です。
この120人は女子が10%減ではなく、20%増加だったためです。
よって、昨年の女子の人数は(120÷(0.1+0.2)=)400より400人です。
昨年の男子の人数は(1000-400=)600人とわかります。
以上から、今年の女子は(400×(1+0.2)=)480人です。
 
練習してみましょう。
 
「品物AとBを買うとき、いつもはあわせて6000円支払いますが、今日はAが15%値上がりし、Bは20%値引きしてくれたので、360円安くすみました。
いつものBと、今日のAは何円ですか。」
 
もしAとBのすべてが15%値上がりしたとすると(6000×1.15=)6900円です。
でも本当は(6000-360=)5640円支払いました。
この差の(6900-5640=)1260円はBの値段が15%値上がりではなく、20%引きだったからです。
よって、いつものBは(1260÷(0.15+0.2)=)3600円です。

いつものAは(6000-3600=)2400円なので、今日は(2400×1.15=)2760円でした。
 
その他、いろいろなつるかめ算を見ていきましょう。
 
つるかめ算の一種で俗名「弁償算」というものがあります。
 
たとえば次のような問題です。
 
「1題できると10点もらえ、まちがえると逆に8点ひかれるという10題のテストがあります。このテストで得点が46点であったとき、何題間違えましたか。」
 
方程式で見ると、x問正解して、y問まちがえたとして、
 
x+y=10
10×x-8×y=46
 
となります。
 
これは「和・差」になっていますね。
 
弁償算で解いてみましょう。
 
「もしも全部正解だったら」(10×10=)100点です。
ところが「本当は」46点です。
(100-46=)54点減っているのは、10点もらえないで8点引かれたからです。
つまり、1問まちがえると正解したときと比べて(10+8=)18点損をするわけです。
全部で54点損をしているので(54÷18=)3問まちがえたことがわかりました。
 
式上での「差」をうまく「和」に変換しています。
 
これを面積図で解く方法もありますがいささか強引な気がします。理屈がわかれば難しくありませんので無理に使う必要はないでしょう。
つるかめ算の面積図もそうですが、その意味を考えずに、または意味を忘れて使用しているとその問題が解けても他で応用が利かなくなります。
 
よくある問題をもう1問。
 
「コップを運ぶのに1個運べば3円もらえますが、こわしてしまったらこわした分の運賃はもらえず逆に100円はらいます。
Aさんは500個運びましたが5個こわしました。Aさんの運賃は何円ですか。
また、Bさんは1000個運んで2382円もらえました。Bさんがこわしたコップは何個ですか。」
 
Aさんの方はふつうに求めてもよいでしょう。
500個のうち5個こわしたので495個で(3×495=)1485円もらえます。
5個こわした分は(5×100=)500円支払わなければなりません。
差し引き運賃は(1485-500=)985円です。
 
つるかめ算的には、500個すべて運ぶと(3×500=)1500円もらえます。
1個こわすとこわさなかった場合と比べて(3+100=)103円損します。
5個こわした分で(103×5=)515円損するので、運賃は(1500-515=)985円です。
 
Bさんの方が弁償算の問題です。
すべて運ぶと(3×1000=)3000円もらえます。
でも本当は2382円なので(3000-2382=)618円損しています。
1個こわすと103円損するのでした。
よって(618÷103=)6個こわしました。

つるかめ算の基本問題を復習しましょう。

 

「ボール100個を、1箱6個入りの小箱と1箱8個入りの大箱につめると大小合わせて14箱できてボールが4個余りました。大箱は何箱できましたか。」

 

大箱の数を求めるので、もしすべて小箱につめたとしたらと考えます。

すべて小箱のとき、ボールの個数は(6×14=)84個
でも本当は100個のうち4個余ったので(100-4=)96個
この差の(96-84=)12個は、小箱ではなく大箱につめたので(8-6=)2個ずつ多くつめたから。
よって大箱は(12÷2=)6箱です。

 

これを式でかくと

 

(96-6×14)÷(8-6)=6

 

です。

 

つるかめ算は他の単元でも活躍します。

 

例えばよくある速さの問題

 

「1kmの道のりを歩くのに、はじめは毎分60mの速さで歩いていましたが、と中から速さを毎分80mに変えたので、全部で14分かかりました。
毎分60mの速さで歩いたのは何分間ですか。
また、速さを変えたのは、出発地から何mのところですか。」

 

毎分60mと毎分80mで合わせて14分、合わせて1km(1000m)進んでいます。

 

合わせて~、合わせて~、つるかめ算ですね。

 

もし、すべて毎分80mで進んだとすれば(80×14=)1120m進みます。

この差の(1120-1000=)120mは毎分80mでなく、毎分60mで進んだからです。

つまり毎分60mで進んだのは(120÷(80-60)=)6分間です。

また、はじめ毎分60mで6分進んだので、速さを変えたのは(60×6=)360mのところです。

 

もう1問見ましょう。

 

よろしければ先に解いてみてください。

 

「家から10km離れた公園に行くのに、9時ちょうどに出発して、家からバス停までは時速3kmで歩き、バスを6分待ったあと、時速36kmのバスに乗っていくと公園には9時30分に着きました。
歩いたのは何分間ですか。
また、家からバス停まで何km離れていますか。」

 

時速3kmと時速36kmで合わせて(9:30-9:00-0:06=)24分、合わせて10km進みました。

本来は時速のまま計算しますが、ブログでは分数の表記が難しいため、ここでは分速に直して解きます。

 

時速3kmは分速50m、時速36kmは分速600mです。

もしすべて分速600mで行くと(600×24=)14400m進みます。

道のりの差の(14400-10000=)4400mは分速600mでなく、分速50mで進んだからです。

よって、歩いたのは(4400÷(600-50)=)8分間で、家からバス停までは(50×8=)400m、つまり0.4kmです。

 

次のような問題も同じです。

 

「たて40cm、横50cm、高さ60cmの直方体の空の水そうがあります。この水そうに毎分3Lで水を入れ、途中から毎分5Lで水を入れたところ32分で満水になりました。毎分3Lでは何分間入れましたか。」

 

この水そうの容積は(40×50×60=)120000より120Lです。

毎分3Lと毎分5Lで合わせて32分、合わせて120Lです。

すべて毎分5Lで入れると(5×32=)160L、(160-120=)40Lの差は毎分5Lではなく毎分3Lで入れたからです。

よって毎分3Lで(40÷(5-3)=)20分入れました。

 

また、

水そうの底面積は(40×50=)2000平方cmです。
これに毎分3Lの水を入れると、水の高さは毎分(3000÷2000=)1.5cmずつ増えます。
同じように毎分5Lでは(5000÷2000=)2.5cmです。

毎分1.5cmと毎分2.5cmで、合わせて32分、合わせて高さ60cmなので

(2.5×32-60)÷(2.5-1.5)=20

とするのもよいでしょう。

 

他にはのべ、仕事算でも使うことがあります。

 

「9人でやると12日間で終わる仕事があります。この仕事をはじめ8人でやりましたが、途中から2人が休んだので全部で15日かかりました。2人が休んだのは何日間ですか。」

 

9人で12日かかるのでこの仕事は全部で(9×12=)108です。

これを8人と(8-2=)6人で合わせて15日、合わせて108やりました。

休まなかったとすると(8×15=)120終わったはずです。

この差の(120-108=)12が休んでしまった分なので(12÷2=)6日休んでいます。

算数といえば「つるかめ算」というくらい有名です。
内容はともかく名前は何度も聞いたことがありますね。
 
もともと、和算のそのまた昔は鶴と亀ではなく、キジとウサギだったようですが。
 
今回はつるかめ算についてお話しします。
 
これまで見てきた問題とは違い、算数独特の解法の代表と言ってよいでしょう。それと愛嬌のある名前でここまで有名になったのかも知れません。
 
まずはつるかめ算の基本問題とその解法を見ていきます。
 
「つるとかめがあわせて10匹いて、この足の本数をすべて数えたら全部で28本でした。つるは何匹いますか。」
 
つるかめ算となる問題の構造(というほどのものではありませんが)は、単位あたりが違う2つのものの個数の和と全体の数の和がわかっているとき、それぞれの個数を求めるものです。
 
この問題の場合は1匹あたりの足の本数が2本と4本で、その匹数の和が10匹、足の本数全体の和が28本とわかっています。このとき、つる、またはかめの匹数を求めるわけです。
 
よって、この問題はたとえば「2円切手と4円切手があわせて10枚あり、金額全体の和は28円、2円切手は何枚あるか」と同じです。
 
単位あたりの量がわかっていて「あわせて~、あわせて~」の関係になっていればつるかめ算なのです。「和・和」はつるかめ算ともいえます。
 
方程式の形で見てみると、つるはx匹、かめはy匹いるとして、
 
 x+y=10
 2x+4y=28
 
となり、和の関係が2つあることがわかります。
 
さて、つるかめ算の解法の基本は、算数(数学でも?)で大事な考え方である
 
「極端な場合で考える」
「~であると仮定して考える」
 
です。
 
つるとかめの2種類がいるからわからないわけで、もしこれが「つるが何匹かいて足の本数は12本です」なら、「つるは(12÷2=)6匹」と即答できます。
 
「もしもすべて~だったら」
 
これがつるかめ算のキーワードです。
 
「もしもすべてつるだったら」全部で足は(2×10=)20本です。
 
「でも本当は」(これが第二のキーワードです)28本です。
 
すべて2本足のつるのはずでしたが、足を2本ひっこめていたかめがいたことがわかります。
ひっこめた足は(28-20=)8本なので、ひっこめていた足を2本ずつだしてもらいます。
すると(8÷2=)4匹のかめがいたことがわかりました。
よって、本当のつるは(10-4=)6匹です。
 
もしもすべてかめだったら、でも同じです。
 
2本足のつるが、にせの足を2本ずつつけてかめに化けているわけです。
もしもすべてかめだったら、足は全部で(4×10=)40本あります。
でも本当は28本なので(40-28=)12本多いことがわかります。
そこで化けているつるのにせの足を2本ずつ取っていくと、つるは(12÷2=)6匹いたことがわかります。
 
以上の式をまとめてかくと
 
すべてつるのとき、
 
(28-2×10)÷(4-2)=4(かめの数)
 
すべてかめのとき、
 
(4×10-28)÷(4-2)=6(つるの数)
 
となります。
 
つるかめ算の解法では昔から「面積図」の解法が有名です。もっとも理解していれば無理に使う必要はないのですが。
 
高さの違う長方形を2つ並べて上記の解き方を視覚化します。
「1匹あたりの足の本数×匹数=足の本数」を「たて×横=面積」に置き換えて考えます。
「もしも~だったら」の部分はどちらかの長方形のたての長さに両方そろえて考えます。
「でも本当は」との差の部分が面積の差に出てきます。
「和・和」の関係を、横の長さの和、長方形の面積の和で表しています。「和」の関係なので、横に並べてくっつけます。
 
面積図をブログ上でかくのはたいへんなので、少し違いますが簡易的な図を考えてみます。
 
「つる(足2本)とかめ(足4本)あわせて10匹、足の総数は28本」でした。
 
2・2・…・2|4・4・…・4(合わせて10個の2と4、総数28)
 
もしもすべて2(つる)だとすると
 
2・2・…・2|2・2・…・2(合わせて10個の2、総数2×10=20)
2・2・…・2|4・4・…・4(合わせて10個の2と4、総数28)
 
総数の違いの(28-20=)8は「本当は」2が4だったためで、1匹あたり2ずつ多いためです。
よって、もともと4だった(かめだった)のは(8÷2=)4匹です。
 
もう1問見ましょう。
 
「50円切手と80円切手をあわせて12枚買うと代金の合計は750円でした。50円切手の枚数を求めなさい。」
 
50円切手の枚数を出すので、すべて80円とします。
かかる代金は(80×12=)960円
全体の差は(960-750=)210円
1枚が80円でなく50円になると(80-50=)30円安くなるので、
50円は(210÷30=)7枚です。
 
これを式でかくと
 
(80×12-750)÷(80-50)=7
 
です。
 
簡易的な図であると
50・50・…・50|80・80・…・80(あわせて12枚、合計750円)
80・80・…・80|80・80・…・80(あわせて12枚、合計960円)
---------------
30・30・…・30  → これが210円の差
 
つるかめ算は、単位あたりの量の関係があり、上記のように「和・和」の関係になっているものについて解く特殊な解法です。