.

一方、第二体育館では、14時50分頃に、演劇部による容疑者Xの献身が終わり、15時になろうかと言う頃に、violet butterfly の演奏が始まった。

「軽音部の violet butterfly です。宜しくお願いします❗️」

幕が開き、矢釜がそう言うと、早速、演奏が始まった。

NECESSARY、純情、true blue、レモンソーダの4曲を演奏すると、

「皆さんこんにちは❗️軽音部の violet butterfly です❗️改めまして宜しくお願いします❗️」

と、矢釜が言うと、自己紹介の流れになり、最初のメンバーに、有坂が指名された。


「皆さ~ん❗️こ~んに~ちは~❗️」

指名された有坂が、観客席に投げ掛けると、

『こ~んに~ちは~❗️』

と、一部からではあるが、返答があった。

「あれ~!?声が小さいな~❗️もう1回行くよ!?こ~んに~ちは~!!

と、再び投げ掛けると、

『こ~んに~ちは~!!

と、会場全体から返って来た後、

「violet butterfly ギター担当の有坂凛々です❗️皆からは “ りんりん ” て呼ばれてます。私は、ギターを始めたのは、実は10ヶ月くらい前で、初めの頃はギターの教本を見ながら練習してたんですが、軽音部に入って、あめし~先輩とかななみんに教わる様になったんですけど、あめし~先輩もななみんも、質問したら、凄く丁寧に分かり易く教えてくれて、感謝しかありません。」

有坂がそう言うと、七海は照れ臭そうな表情を浮かべ、ほっぺたを掻きながら有坂を見ると、2人は目が合い、互いにはにかんだ後、有坂は七海に、自己紹介を振った。


「はい❗️え~っと、violet butterfly のギター担当、七つの海を心から愛する、七海心愛です❗️今ね、りんりんが滅茶苦茶恥ずかしくなる事を言ってくれたんですけどね、人前で褒められ慣れてないので、滅茶苦茶恥ずかしかったんですけど~❓️」

と言った七海は、有坂を見ると、有坂は悪戯っ子の様な笑みを浮かべている。

「ぼく···、えっと~、私は、ギターは今まで独学でやって来て、5年か6年くらい経つんですが、バンドを組むのは初めてで、最初は音が全然まとまらなくて大変だったんですが、7月の中旬にはまとまる様になって、今では先輩達と楽しく活動しています。」

短めの自己紹介を終えた七海は、次のメンバーに渡辺を 指名した。


「はい❗️violet butterfly のベース、渡辺彩香です。りんりんとななみんのほっこりするエピソードがありましたけど、私はベースを5年くらいやってるんですが、バンドを組むのは初めてで、さっきななみんも言ってましたが、初めの頃は音がバラバラだったんですが、色々あって、7月の中頃にはまとまる様になりました。ステージに立って、皆の前で演奏するのは、未だに緊張しますが、心を込めて演奏するので、最後まで楽しんで行って下さい。」

渡辺がそう言うと、次のメンバーに古川を指名した。


「は~い❗️violet butterfly のキーボード担当、古川礼芽で~す❗️先程ね、棹組の3人も言っていましたが、violet butterfly は、結成してからの日がまだ浅くて、7ヶ月くらいしか経っていません。オリジナル曲もまだ少ないんですが、最後まで聴いて頂けたら嬉しいです。」

と言った古川は、自己紹介の最後のメンバーに、矢釜を指名した。


「はい❗️violet butterfly のリーダーで、ドラム担当の矢釜志伊奈です❗️皆も言ってましたが、violet butterfly のメンバーはバンドを組むのが初めてなメンバーばっかりで、バンドを組んでから7ヶ月くらい経ちました。これまでの舞台は、夏に行われた野外フェスティバルと、ハロウィンの時の先輩のサポートで出演させて頂きましたが、経験値と言う意味ではまだまだなので、若干揃わない部分があったり、お聴き苦しい部分があったりするかも知れませんが、温かい目で見守って頂けると嬉しいです。」

矢釜がそう言うと、次の曲の紹介を、渡辺に振った。

「はい。それでは、次の曲なんですが、私達のオリジナル曲はまだ3曲しかなくて、カバー曲が中心のセットリストなので、次の曲は、SCANDAL さんの少女S、涙のリグレット、瞬間センチメンタルの3曲を、演奏させて頂きます。」

渡辺がそう言い、少女S、涙のリグレット、瞬間センチメンタルを演奏すると、演奏は中盤に差し掛かった。

「有り難うございます。私達のライヴは、これから中盤に入って行きます。ここからは、“ けいおん ! ” の “ Don't say "lazy" ”、“ NO THANK YOU ”、“ Listen!! ”、“ Singing! ” のメドレーから始まって、“ そばかす ”、“ God Knows ”、“ 笑顔日和 ” を、続けて一気に演奏させて頂きます。」

と、矢釜が言った後、

「今日と明日のステージでは、中盤に5曲以上続けて演奏するって言う、私達にとって、挑戦しているセットリストになっています。先輩達の···、Breeze のこれまでの演奏を聴いてて、気付いている方は気付いていると思うんですけど、先輩達って、3曲か4曲でMCが1回あるんですよ。時間にすると、15分~20分くらいだと思うんですけど、今回私達は、20分以上MCを挟まずに演奏しようと言う事に、挑戦しようと思います。」

と、渡辺が言うと、観客席はざわめいている。

顔を見合わせた5人は、気持ちの入った表情になり、演奏へと入った。

セットリストの中盤は、盛り上がる曲を中心に、構成が組まれている。

.