「そうですか。杏子さんは今幸せですか?」
「うーん、どうなんだろう。でも不幸じゃな
いから幸せなんだろうね、きっと」
そう答える彼女の横顔が、とてもきれいに輝
いて見えた。
「おーーーい、なんとかしてくれーーー」
潤君が優君を抱えて、リビングに入って来た
彼に抱かれた優君は、スヤスヤと寝息をたて
ている。優君は遊び疲れたのだろう、いつの
まにか眠ってしまったようだ。
「ごめんなさいね、すっかり長居してしまっ
て」
杏子さんは優君をおんぶしながら言った。
「また会えるとうれしいです」
「私もよ理沙子さん。潤、理沙子さんを大切
にしないとだめよ」
「わかってるって。お袋もな」
「・・・・。生意気言って・・・」
そう答える杏子さんの目にはまた涙が。
「なんだろう、年取るとゆるんじゃってね」
そう笑ってごまかしていたが、やはり涙はと
まらないようだ。
「しゃーねぇーなー」
そっとハンカチを渡す潤君に、何度も何度も
お礼を言う杏子さんの姿が、とても印象的だ
った。母親と息子。一緒にはいなくても、ち
ゃんと気持ちは繋がっている。今、目の前の
二人を見ればわかる。
杏子さん、潤君のこと私なりに支えていこう
と思います。お互い思いやって生きていきま
す。心の中でそうつぶやいていた。
目 次 ![]()
・・・ 再 来 ・・・
・・・ 初恋の人 ・・・
・・・ 若い肌 ・・・
・・・ 秘 密 ・・・
・・・ 苦 悩 ・・・
・・・ 新しい感情 ・・・
・・・ 子供の目
・・・
・・・ 大切な人
・・・
・・・ 同窓会
・・・
・・・ 真実
・・・
・・・ 思い出の地へ
・・・
・・・ 謎
・・・
・・・ 母親
・・・
「ノスタルジア」はまだまだ続きます![]()